歯医者新人面接・24 腰の抜ける話 | ちえ☆ライブラリー

歯医者新人面接・24 腰の抜ける話

「盗聴されているって歯医者もあるんですよね。すごい、でしょ??」
後輩はそういって顔を引きつらせる。

 

「は?盗聴??怖いじゃん!っていうかどうやってそんなこと・・・」
私は腰が抜けそうだ。

 

「なんかね、お姉ちゃんの勤めている歯医者の同僚が、
以前勤めた歯医者がそうだったんですって!
スタッフルームで語ることが全部先生に筒抜けで・・・
でも、先生が帰った後に話す会話が、そうなんです。
”○○のケーキ、美味しいの。食べたいよね!”と女の子が帰り際に話すとしたら、
翌日先生がそこのお店のケーキを差し入れてくれるとか、
スタッフルームで患者さんのウワサ話をしていたら、
翌日先生に呼び出されて注意を受ける、って。
毎日毎日そうだから、最後はその人うつ病に掛かって、その医院辞めたらしいですよ」

 

・・・世の中、こんなことがあるのか。しかも、小さな医院で。
盗聴は罪だろ・・・

 

「ウチは、そんなのありませんよね?」
後輩は私に念を押すように聞く。

 

「い、いや、それはない。ウチも大概おかしいけど、それは絶対ない!」
私は首をブンブン振って応える。

 

いやぁ、ビックリだし、怖い話だ。
それに比べれば、ウチなんか大したことはないわ。
・・・って、比べるものでもないが・・・

 


・・・次回に続く。