記録用



圧勝Vの羽生「世界中から力もらった」
NHK杯男子メダリスト会見
2015年11月28日(土) 22:00



羽生(中央)が史上初の300点超えで優勝、2位は金博洋(左)、3位に無良が入った【坂本清】



優勝の羽生、金博洋、無良のコメント。


羽生、心に残る演技を誓う

――フリーを終えての感想は?


羽生 正直、自分自身興奮していて何て言ったらいいか分かりません。正直にうれしいなという思いと、ここまで支えてくださった方々に感謝の気持ちを述べたいなと思います。そして、まだここが平昌五輪でもないし、その次の五輪でもないですし、引退の試合でもないです。これからもっともっと頑張って良い演技を、点数ではなく、皆さんの心に残るような演技ができるように日々努力していきます。


金博洋 今回のフリーなんですけど、だいたいのところは乗り切ったと思うんですけど、失敗も多く、良くはなかったと思います。特に小さいミスが多く、しかもジャンプもうまくいかない部分もありました。次回、修正してより良いフリーにしていきたいと思っています。


無良 まず第1戦目から比べて、自分が思っている状態に達してはいないんですけど、こうしてユヅとボーヤンとこうやっていられることをうれしく思いますし、次の試合に向けて小さいミスやまだまだ課題がたくさんあるので、それを克服して、少しでも彼らに近づけるように次の試合に向けて準備したいと思います。


――羽生選手、1つずつジャンプを決めていく中で、最後にどのような感情を持ったのか?


羽生 とにかく1つひとつ丁寧にこなしたいと思っていましたし、皆さん、すごく点数に驚かれたと思うし、自分自身もスコアについて驚いています。正直、まずは演技が良かったというか、そういう実感が湧いてないというか、うまく言葉に表せないような感情でいます。ちょっとフワフワした感じです。フリーに関してはすべてのジャンプがきれいに決まったわけではないですし、スピン・ステップすべてのエレメンツがきれいに決まったわけではないです。1つひとつ自分の気持ちを込めて、自分の今までの練習を信じて、自分の体を信じて、演技しましたし、1つひとつのジャンプが決まるたびに歓声を送ってくださる皆さんの声や皆さんの熱い視線、実際に聞こえるはずがない心の声というか、そういうものを僕たちはテレビを見ている側じゃないので感じることはできませんけど、何か日本中、世界中から力をもらっている感覚がありました。


羽生「もっと難しい、質の高い4回転を目指す」

4回転ジャンプに関した質問で持論を展開する羽生
4回転ジャンプに関した質問で持論を展開する羽生【坂本清】



――3選手に質問です。NHK杯では歴史上初めてショートとフリーですべての選手が4回転を取り入れた。全部で25個あって平均すると1人で2つ以上跳んでいる計算になる。将来を見据えた質問だが、次の平昌五輪に向け、いくつのジャンプ、どのような種類のジャンプが必要になると考えているか?


羽生 僕はボーヤン選手のように、ルッツは安定していないです。1回まぐれで下りたことはありますけど。ただ、まだ彼のようなクオリティーでルッツもループも跳ぶことはできません。そして、アクセルも本当に数回チャレンジしてみて、まだ着氷することも、回転することもできていません。


 じゃあ、将来的にどれくらい必要なのかと言われたら、僕もそれは分かりません。実際に五輪の記憶が定かではないですが、時代というのは五輪ごとに変わっていく気がしていて、特に僕の印象に残っている五輪はソルトレイクシティ五輪なんですけど、その大会では半分以上かな、10位以上の選手たちはクオリティーの高い4回転を跳んでいましたし、また逆にバンクーバー五輪では4回転を跳ばないエバン・ライサチェク選手が優勝しました。


 ソルトレイクもトリノもバンクーバーも、何が間違いで何が正解かと言われれば、僕はすべてが正解だと思っています。もちろんバンクーバーのときは、いろいろな方々が4回転を跳ばなくてもいいのかと、本当にライサチェク選手が優勝でいいのかと、本当に世界のフィギュア界で議論がありましたけど、実際にそうした議論になって正解もしっかり出たわけでもない中で、僕たちはソチ五輪でほぼ半数の選手たちが4回転に挑んで、戦ってきました。


 実際にすべての選手が4回転に挑んだというのを聞いて、正直、僕はびっくりしています。ただ4回転を跳べばいいか、というとそれだけはなくて、きれいに下りなければいけない。きれいに下りることで点数がもらえる。トリプルアクセルの基礎点と4回転の基礎点は2点以上は違いません。これはトリプルアクセルをきれいに跳んでGOEを2~3点取った場合、4回転以上の点数がもらえます。はっきり言ってしまうと、バンクーバー五輪のように、すべてのジャンプでGOE3点以上をもらえば、4回転を跳ばなくても勝てる、そういったルールだと僕は思います。


 それでも僕は今回のショートを含め、4回転に5回挑んできたのは、4回転を跳んで、さらに難しい入り方、下り方をして、それに加えてトリプルアクセルという4回転に一番近い3回転ジャンプを、4回転のような点数がもらえるようなクオリティーで跳ぶというのが僕の一番の武器だと思うし、またこれから先もきっといろいろな選手が出てきます。今回感じたのは、ボーヤン選手はジュニアから上がってきて間もないですけど、それでもショートとフリーで4回転を後半に入れて、素晴らしい演技をしました。これはスケート界の将来を見ているような気もしますし、ただこれだけが正解じゃないし、僕自身もできることをすべて出し切って、もっともっと難しい4回転、質の高い4回転を目指して頑張りたいと思います。


金博洋 フリーに関しては今日と同じ4つ跳べれば十分だと思っています。それよりも自分の表現能力とかに磨きをかけていければ、4つ跳べれば十分だと思います。シニアになってからは初めてのシーズンですが、特に今日の後半に滑った選手たちからは学ぶべき点が多かったので、まずはそれをきちんと学ばせてもらって、ジャンプについてはそういう考えでいます。


無良 ちょっと短めに話します(笑)。どれくらい必要かというと、その年の五輪によって変わってくると思いますし、確実に言えるのは彼(金博洋)がルッツを成功させたことが起爆剤となって、皆が成功させてくるという流れが生まれるんじゃないかという気がしますし、あと3年という間にもしかしたらフリップを跳ぶ選手が生まれてくるかもしれませんし、アクセルを跳ぶ選手が出てくるかもしれない。1年1年目まぐるしく変わってくる可能性もありますし、それに自分も付いていけるようにしたいです。やっぱり自分も4回転アクセルを跳んでみたいと思っています。


羽生 話が長くて本当に申し訳なかったです(笑)。


全文は
スポーツナビ http://sports.yahoo.co.jp/column/detail/201511280006-spnavi





 羽生結弦


「ありがとうございました。皆さんは直接、僕らスケーターに直接何かをしてくださった訳じゃないけど、応援は力になりました。本当にありがとうございました。いまだに信じられていないです。スコアはビックリしました。カナダ、仙台のリンクに感謝したい。やってやるとは思っていましたけど、自分自身、特にフリーはものすごく緊張していた。本当だったらブライアン(オーサー・コーチ)と話すことができるけど、きょうは話せなかった。長野のオリンピックがあったリンク、オリンピックのマークがあるリンクで滑ることで自分自身、絶対王者と言い聞かせながらやっていた。(コーチとは)ただただびっくりした。『いい子だったよ』と言われて『いい子だったの?』とは思いましたけど(笑い)。今回は今回で終わってしまったこと。ここまですごいハードな練習してきましたけど、けがをしないで来れた自分の体、ケアをしてくださった先生に感謝して、これ以上の演技ができるように練習していきたい。またこれからも(応援を)お願いします」


スポーツ報知 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20151128-00000091-sph-spo



 演技後のインタビューで羽生


「ありがとうございます。応援という大きな力をもらいました。このスコア、この演技はみなさんのおかげです」と会場のファンに感謝。総合300点超に「いまだに信じられないです」と大興奮で、「スコアは本当にビックリしたんですけど、実際にここまでスケートカナダからNHK杯まで本当に血のにじむような、本当につらい練習をしてきた。まずその練習をさせてくださった僕の周りの方々、カナダのリンク、仙台のリンク、すべてに感謝したい」と感謝の言葉が続いた。「やってやるとは思っていた」と笑顔で明かすと、「自分自身、フリーを滑る前、ものすごく緊張していて、本当だったらいつもブライアン(コーチのブライアン・オーサー氏)と滑る前に話すことができるんですけど、話すこともできなくて。長野のオリンピックのあったリンクで、オリンピックのマークもある。自分自身にプレッシャーをかけ、『絶対王者だぞ』と言い聞かせながらやった」と自らを追い込んで臨んだことを告白した。



サンスポ http://www.sanspo.com/sports/news/20151128/fgr15112818500008-n1.html