わたしが10年前に、この中古レコード・CD業界から手を引いた
最大の要因は・・・・・

①「ゲオ」「ブックオフ」の進出
②アナログ=レコードの流通の停滞・・・でした。

特に今ではすっかり定着してしまいましが「ゲオ」「ブックオフ」の
当時の買い取り額には街の中古屋にはオドロキでした。
すべからく500円から800円も高いのです。
出たばかりの新譜は2000円買いというのもざらでした。

向こうは組織力と経済力にものを言わせて破竹の勢いでした。
こんな金額で買い取っていたら街の中古屋は採算が取れません。
買い取りだけで資金がパンクしてしまいます。

世の習いで新しいものには目が行きます。人情です。
坪数も広く快適な売り場は気持ちが良いものです。

結果、「ゲオ」「ブックオフ」にお客様が集中します。
街の狭くてうす暗い中古屋へは自然と脚が遠のきます。
残念ですが人間の自然な行動です。

この当時の両店はフランチャイズ契約と思いますが、瞬く間に全国へ
伝播して市民権を得ていったのです。
いわゆる出店ラッシュの時代です。
コンビニの一時期のあのパターンと似ています。
街の角を曲がればコンビニという全盛期の頃です。

こうした時代の波、うねりには独特のパワーが加速して勝ちようがないのです。

・・・・・しかし、コンビニの出店ラッシュも終わり、業界も淘汰され
メジャーどころしか今は存在していません。時代の流れです。
100年の栄華を誇る・・・なんていうのは、この時代、ありえません。

絶えず時代の変化についていかなければ生き残れません。


このコンビニの出店ラッシュに乗って開店したものの、あえなく
閑古鳥が鳴いて閉店・・・負債だけが残り人生が狂ってしまった話は
よく聞かれたものと思います。残酷な事だと痛感します。

話が横道にそれてしまいましたが本題に戻ります。

わたしは、ここが時代の変わり目と判断して異業種へ方向転換しました。

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しかし、あれから10年も経ったわけです。
「ゲオ」「ブックオフ」の情況も変わっています。

先月、渋谷の「ブックオフ」へ何気なく入ってみました。
109延長線の交番の左側にOPENしています。
CDの価格を見てみると、失礼ですが大型店や専門店並みの

値段が付けられています。ビックリしました。
わたしは「ブックオフ」は一般大衆向けのお店という認識しか
していませんので、そういう観点でとらえています。

CDの内容やアーティスト、作品、リマスターの新旧の度合いなど

まったく関係の無い値付けです。その根拠も分かりません。

陳列なども曖昧な感じで商品の訴求力が伝わってきません。

その前後に「ディスク・ユニオン」や「レコファン」に行っているわけですから

なおさら明確に分かります。「ブックオフ」は自らをこの専門店と
同等に位置づけしようとしているのでしょうか?
当たり前ですが、これは無理というものです。
方向性が根本的に違っているからです。
店の品ぞろえや従業員の知識力の差も雲泥の差です。
でも、これらの各店、100メートル範囲内で隣接しているのです。
そして今現在、各店とも成り立っているのです。

都会だから住み分けが出来ているだけだと感じました。
地方だとこうはいきません。

このブログを読んで「開店」したい方はロック通かジャズ通と判断して
勝手に話をすすめていますが、どうでしょうか?

逆に言うと、流行もののJ・POPでは「ご飯が食べられない」と思います。

中古屋は流行りものには積極的には手を出しません。

読んで字の如し=流行り廃(すた)りがありすぎて追ってはいられないのです。
仕入れ=買い取っては直ぐ人気が落ち、また別の流行人(はやりびと)が
台頭してきて、その繰り返しだからです。

メインは価値観の変わらない、60年、70年代の音楽=ROCKなのです。


※まず、ここいらへんが第一のポイントではないでしょうか?
※「ゲオ」「ブックオフ」がお近くにあれば・・・という前提のお話です。