Macgregor VIP irons

分かっちゃいるんですけどね、VIPのバイマクレガーを手にして、VIPを並べてみたんです。同じに見えるでしょけど、これぜぇ~んぶ別モノ。といっても、正確に言うなら、右の縦3モデルは年式違い。右上が67年のオリジナル。おっきなニクラウスのブラウンセルのモデル。2番目はおっきなニクラウスだけど、セルが68年セルで、シャフト表示が67年と同じミディアム表示。右下は68年モデルのちっちゃいニクラウスモデルね。んで、右の3つはちょいと複雑。左上はストレンジのモデルで、89年頃のもの。真ん中は今回手にしてみた91年頃のバイマクレガー。左下は国産企画のVIP復刻版で、88年にアメ横の量販店の階段に特価品でならんでいたモデルを新品購入したモデルです。ね、一応、全部違うモデルでしょ。
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ってなこと言ったって、パッと見は全部同じモデルで、ここにこうして並べてみたところで、細かい違いなど大した差がないのは承知の助。自身的にはネタに事欠かないモデルですが、ほ~んと大した事ない細々ばかりです。中には明らかに曲げ調整されたもんもあるわけで、ネックの状態なんかはオリジナルの状態でないものもある。

同じように見えるバックデザインが、手を変え品を変え、30年後にまた現れた時にはもちろん別モノであって然るべきなわけだし、時代のアレンジも理解できる。ただ、それを見越したうえでも、やっぱりVIPというモデルは伝説のモデルなわけで、プロモデルのイメージを確立したウェイト設計。

オリジナル系のホーゼルが高いモデルでは、明らかに癖のあるヒール重心が打ち方も独特なものとして、でも、設計の思惑通りに振りまわすことができれば、高ぁ~いボールをコントロールできるドローで打ち出せる。こりゃぁたまらんもんなんですよ。
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ホーゼルの低いモデル達は、オリジナルの癖を和らげてはいるのですが、国産企画のレプリカは、今度は球が高く上がりすぎってなモデルになっちゃった。国産企画のモデルは、大したコンセプト無くして復刻したってな、販売目的のアサハカな部分を感じなくもないのですが、ストレンジモデルとか、今回のバイマクレガーは、バックデザインが似た別物。そりゃ十分にわかっちゃいるんです。

長くて低いブレード、ストレンジモデルはストレートですが、バイマクレガーは軽いオフセットがある。これは曲げ調整によるオフセット以外にも、ホーゼルのテーパーが細くなっていて、シャフトエンドと、リーディングエッジのつながりに段差がある。結果的にポケットのつながりをホーガンみたいに仕上げられたのがバイマクレガー。他は懐の深さがない。

このうちのいくつかは、もちろん機能も伴ったアレンジなわけですが、機能よりも演出としてのアレンジもたくさんある。いや、そんなことないか。機能を伴ったアレンジをしたら、結果的に演出に見えるアレンジも必要になったというのが正しいかもしれない。
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だから、やっぱりバックデザインが同じモデルに見えても、全然違うモデルなんですよ。オークションにも、また、中古取引にもいまだにマクレガーのVIPは健在なわけですが、その中でもまた全く別モノ的なVIPもあるんじゃないかなんて思っちゃうね。といっても、自身の場合が特殊なわけで、こんだけ並べてニンマリしているのはかなりの偏屈。この他にも、MGXのレプリカもあれば、ミュアフィールドだって同じ仲間。

古鉄ミュージアムで、VIP/ミュアフィールドスタイルに分類したのは15モデルもあるわけで、基本的なコンセプトはみぃんな同じなんですよねぇ。ってことは、商標の問題がなければ、そのモデル全部VIPってモデルにしても良かったんじゃないかと思っちゃう。ま、そこまでVIPのご威光はなかったんだね。でもそれぞれが、ちょっとづつ時代に合わせたアレンジがあって、ああ、そうしたかったんだってなことを読み取れるのが、これまた面白い。
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バックデザインを並べただけでも、ホーゼルの高さと、ブレードの長さに違いが明確だし、フェイスのトウからヒールへのスロープも明確に違うものがある。

ただね、自身的にはVIPってこんなもんかってぇことになるのが一番面白くないんですな。やっぱり国産企画をラウンドで振り回していた当時に、腕達者に言われた事、VIPって意外と低重心で、やさしいんだよなぁ、ってぇのが引っかかっているんですよ。国産企画はまさしくそうだったのですが、VIPってモデルはそうじゃない。
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つまらないプライドのトラウマが、こんだけ並べてみることになっちゃったわけですわ。

まだ他にも別モノのVIPってぇのがあったりするんで、怖い怖いと…。

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