帰宅途上で、信号待ちに並んだ車、5台が同じクルマで一列に並んでいた。フーガって車です。外装も銀色、内装も黒で同じ。ホイールはいくらか違っていたけど、同じ会社の営業車ってぇわけでもなさそう。自身にとっては、最も受け入れがたい事態です。人と同じのってぇのが嫌なんだナぁ。ま、それは道具として優れているのなら、それもありと認めるものですが、車じゃぁない。

フーガ、トッカータとフーガの主旋律ってどんなだったけか。恋のフーガなら分かるぞ。追いかけぇて、ドドォン、追いかけぇて、ドドォン、すがりつきったぁいのぉ、ドドォン。ザ・ピーナッツかぁ、南里文雄は南京豆売り、ピーナッツベンダーってぇ名曲だねぇ。南京豆、落花生、どう違う。吉田日出子が舞台で南京豆売り、カバーしていたよなぁ、確か。ってんで、帰りのコンビニで、塩気の効いたピーナッツを買ってきてしまいました。
Crenshaw Hagen model
指先を塩梅の良い塩味にしながら思った事。こないだ手にした古雑誌、20年前のものなわけですが、この趣味的な興味深い情報の山なわけです。いつも落ち着いてページをめくる様に心掛けてはいるものの、なぜか先を急いでしまう。落ち着かないんだなぁ。ほぼ5年分、40冊もの雑誌を一気に目を通すことなど、なかなかできなくて、所々で行き当たる興味深い記事に、付箋を入れて後で読んでみようと思っています。

実をいうと、ある事実を確かめたくて、このあたりの雑誌に興味を持っていたのですが、それは95年のマスターズのネタ。ご存知のようにベン・クレンショウが勝者となったイベントです。手にしているヘーゲンのクレンショウモデル。ネットにあった小さい小さいサムネイルから、もしかして、そのウィナーズバックにはこのモデルが刺さっているように見えたんです。
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ま、一般的に考えて、市販のモデルがそのままってぇこたぁ、ほとんどありえないんですが、見てくれが同じように見えていた。それを確かめたくてねぇ。

随所で引っかかってしまっている、当時のマッスルモデルに関する評価とか、メーカーのコメントとか、もちろん、それはそれでフムフムなわけですが、このクレンショウネタには、手にしたプロダクトからの妄想のしようがない。プロダクトが残っていれば、いろんな妄想ができるはずなんですけどね。

で、ありましたよ、そんな記事が。さらには興味深い記事とともに、特集一度じゃぁなくて、いろんなところにポツポツと掲載されています。
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それは、95年のクレンショウのマスターズ優勝ってぇのが、異例だったからに他ならない。古いタイプの、ほぼ最後の優勝と捉えられているんです。大きな扱いの記事では、契約の切れているクレンショウが、6-7年前に使っていたヘーゲンを持ち出してきただけのこと、なぁんて導入です。別のインタビュー記事には、契約が切れたんで、84年のマスターズに使ったモデルを今一度引っ張り出しただけ、ってな本人のコメントもある。掲載されている写真は、手にしているT1399というモデル良く似ていて、フォージドモデルと言われている、今でもアメリカで見かけるモデルのよう。
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別の掲載で見てみると、そっちのコメントには、ブランドはヘーゲンの刻印があるものの、見紛う事なきウィルソンのスタッフモデルだ、ってコメントがあります。年式は違いますが、スタッフモデルを真似たようなマルマンの安田モデルとも、バックデザインはそっくりだし、JPプロ1のモデルとも同じに見える。そのあたりは、承知していることで、どうってことないんですが、なんかヘーゲンのブランドに関する情報もあっていいんじゃないかなぁって思うもの。

当時のヘーゲンブランドは、ウィルソンの扱いではなく、小さい商社の扱いだったので、メディアとしての付き合いも薄く、情報もなかったのかも知れませんね。

でね、メディアとしてのコメントがおもしろいのは、クレンショウがこのモデルで勝者となった背景に、そのスイングスタイルがある、ってぇんです。簡単に言えば、古い。だから新しいキャビティスタイルを使いこなすことができないんだ、ってこと。プロでも、ンなことあるんですねぇ。読み込んでいけば、クレンショウは非力なタイプで、飛距離を求めるには、左に壁を作って、一気にリリースっていうタイプで、そのスイングを作り上げてきた。高いホーゼルの小さいヘッドで、インサイドアウトに振って、コントロールしながら距離を稼ぐっていうスタイルで、この当時のモダンキャビティとはスタイルが合わないってなコメントなわけです。重心距離の短いタイプを駆使するタイプだということ。なんか、頷くのではありますが、そっかぁ、古いんだねぇ。
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今自身が、ウッドブラザースのデカヘッドキャビティーを振り回したら、打てないスイングになっているんだろうか。そんなこたぁないと思うんだけどなぁ。試打会の時なんか、最新ヘッドでちゃんと打てるんだけどなぁ。スポンサーの契約の関係じゃねの、って思うのは、如何にも皮肉っぽいところなんでしょうか。

とりあえず、自身の手にしているヘーゲンのT1399モデル、それらしいモデルが当時に存在していた可能性は確認できました。

でも、へーゲンの84年あたりの記念モデルは、ただの記念モデルで、別ものってぇこともはっきりしたわけで、結局そんなところで満足しておきましょう。クラシッククラブ屋さんの在庫に、スタッフモデルではT1544というモデルもあり、シュチュワートやランガー、ファルドなんかのモデルもあるでよぉ、みたいな小さい写真が、皆このバックデザイン。T1399はプロモデルっぽい、ってぇことで、エヘラエヘラの ウッシシィーになっておきます。

キーボードに、塩気がうつっちゃった。