なめ回すように磨いてみたり、何度も擦ってみたりすれば、いろんなところが見えてきますよね。この手元に来てくれたデラックスターニーの64年オリジナルも、このモデル特有の、使われた結果なのか、それとも、もともとそんなコンセプトのモデルなのか、どっちなんだろうってところも見えてきました。64年前後のマクレガーのモデルラインナップで、いろんな妄想したじゃないですか。契約切れ直前のトミーアーマーの中途半端モデル、A2とか、急にマークを刷新したターニー、突如としてフラットバックのモデルが出てきたり、61年からのニクラウスの契約で、新しい風が吹いてきたり。このDXは残っている資料を見ても今までとは違う、物売りの路線に乗っていて、結局これは、MI2みたいなとんでもない違和感を伴う革新的なモデルに、当時は見えていたんじゃないか、なんて考えた事があります。
でも、その後、２Iを手にして、そんなこたぁありませんでしたね、って事になったのですが、いやいやどうして、このセットを手にしたら、やっぱり、このモデル革新的かどうか分かりませんが、変です。違和感あります。
磨きの最中に気が付いたのですが、てっきりシャフトが曲がっていると見間違えるほどのオフセット。特に５Iと８Iは、素人目には絶対に曲がってる。４Iに欠落していたセルを何とかしてもらおうとユーミーさんに持ち込むのですが、そこで見てもらうまでは、絶対に曲がっていると思い込んでいました。
ビルトイン・ハンドファスト、いわゆるオフセットなんでしょうかね。ブレードが長くてオフセットが強い。言葉で言うと、かなり近代的なコンセプトに聞こえますが、アドレスした景色では、シャフトが曲がっているだけに見えてしまうのです。
シャフトからホーゼルがまっすぐで、ホーゼルの先へ行ってS字、いわゆるグースネックに綺麗に曲げられている番手もあり、こちらはそれがしたかったんだね、って見て分かる造形です。でも、何本かについては、そんな造形である以上に、ネックとシャフトのつなぎ目あたりで急にカクンと曲がっているように見えるんですね。ホーゼルのストレートな部分がグリップ側からだとないように見えます。でも、反対にしてヘッド側から見ると、その曲がりがないんです。曲がっていない。
ユーミーさんにこれは曲がっていませんという太鼓判をもらって、そういうモデルなんですねって言う理解をしました。
シャフトの中心線がフェイスのリーディングエッジと同じ線上、今ではどうってこと無い景色なんですが、ホーゼルからの造形が、見たこと無い違和感なんですね。それに、なんとなくオフセットこうあるべしの、近年の流れとは逆行して、長い番手では、このオフセットは目だって見えません。短い番手になるに従って、違和感を増してくるんです。ウィルソンが綺麗な造形なのに、マクレガーのこのオフセットのつくりは雑というか、荒っぽいというか、やっつけ的というか、当時の一般に皆さんは、絶対に違和感を感じていたと思いますよ。
それに加えて、これがいいんだって、マクレガーの広告を目にすれば、なんか新しいことをやりたいんだろうけど、何かなぁ、もう少し一般に普及したら、手ぇ出してみるかなんて、思われちゃってるんじゃないでしょうかね。
でも、当時の日本では大流行だったですよね。多くの人が手にしていましたから、やっと出てきたマクレガーのオフセット、その打ち易さを早くから実感していたんでしょうか。よく言われるアメリカの芝と、日本の野芝、高麗芝との違いとか、コース設計の箱庭的スケールとか、違う部分も多々指摘されますが、アメリカの事情と違っていたとしても、当時、身の回りに多く存在していたのは間違いないですからね。
ダイヤモンドバックで、オフセットのモデルというと、古くから手元にいてくれる正体不明のモデルが、まさしくそれです。オフセットといっても、今、この目で見ると確かにちょいとずれているなぁってことが分かるんですが、当時はそんなこと全然気が付かないで、打ちにくいアイアンだなぁと思ってました。今となっては、すごぉーく打ちやすいんですけどね。この違和感バリバリのDXの先に、これがいるんだとすれば過渡期的モデルとしてそういうことねぇ、って感じはしますが、最新モデルとしてこれを紹介されてもねぇ、シャフト、曲がってない？って聞いちゃいますよ。
肝心の打ってどうなのですけど、まだ、レンジ、行けてません。週末は混んでいるのと、ボール代が若干高いでしょ。夜行こうかと思ってるんですけど、寒いし、翌朝早いシィ…。冬になってきますねぇ、朝起きられないのは、まだ若いといわれるのですが、腰が重くなっているのも事実です。お肉が付いたってことじゃなくてね。
SSやPTも引っ張り出して、ダイヤモンドバックの大集合で、レンジいってみっかな。たいしたこたぁ､わからんと思いますけどね。楽しめればいいんです｡