全く意図していなかったところから、今度はスポルディングが仲間に加わってくれました。スポルディングは、実のところあまりこれといった印象を持っていません。現役の頃は、ローナンラファティとか、グレッグノーマン、それも当時の雑誌のコメントでは、初心者向けなんていうものでしたから、強烈な個性を見出せないでいましたね。それに定期的に通っていたディスカウントショップでは、ロストワックスモデル以外、ほとんど見かけなかったように思います。AGスポルディングとか、115モデルとか、なんとなく2Iを連想させるモデルが皆無だった様な気もします。でも、VIPを手にしてからは赤トップの復刻がちらつき始めましたし、今思えば、友人が親譲りの黒トップを使っていました。あれは黒トップだったんだなぁ。まだ持っていたら…。

いいもの残してくれました!-Top flight
手元に来たのはバードオンザボール風のトップフライト、2Iからのセットです。なんとか風ってぇのは、この場合、似ているけど、そうじゃない。別物です。
ミラノ風カツレツなら、カツをミラノスタイルに仕上げましたって言う、そのものなんですけどね。ミラノでオーダーするにも、ミラネーゼって言うんですよ。

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んなこたぁさておき、ブレードが長いんですが、高さが無く、でも、ライトなイメージのモダンなものではなく、力感のある、なんとなくM85に通じる魅力的なものです。

ちょっとだけフランジがあって、トウとトップのそれぞれに向かって、エッジをシャープに削いである、フラットなデザイン。ちょっと見直してみるとトップフライトのプロフォージドIのご先祖みたいなシェイプです。

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オリジナルのM85と比較してみると、長さはほとんど同じで、高さが少し高くなっています。ただし、この2つのモデルには30年近い隔たりがあるので、たまたまそうなっているだけでしょうね。コンセプトは全然違うんだと思います。

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ちょっと不思議なのがシャフトです。鈍い光で、錆が浮いていません。

一本だけ残っているバンドにはステンレススチールとあります。ステンのシャフトなんだと、試しにポストに放り込まれていた水道修理のマグネットカードを近づけてみると、ぺったんとくっつきます。ステンといっても、種類が違うんでしょうね。

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でも、このシャフト、チップ側がとても太く、10ミリ以上あるかもしれません。ホーゼルの直前で、キュッとくびれているんです。見方によっちゃぁ艶っぽいんですけどね。

まぁ、長い事ウィルソンのファットシャフトドライバーを使っていたので、太いシャフトはそれほど違和感無いですが、そのくびれとか、なんだか不思議な感覚です。

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また、リーディングエッジがコンケーブしているというコメントもありました。この年式の実物は、シャフトの延長線上が、オフセットのように最も凹んでいてそれからトウに行くに従い、出っ歯になってくるイメージです。何度写真を撮っても、伝わりそうな画には全然なりませんでした。
アドレスすると気にならない範囲ですから、アシックスなんかとは全然違う、かわいらしい程度ですね。

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オリジナルM85のロープロファイルの質量感どっしり、というのに気分をよくしていますから、期待を盛り上げてレンジで打ってみます。

グリップが、ウィルソンのウッドにあった、一枚革で縫い目のついたもの。オイルの浸透が間に合わなくて少し滑りますが、マクレガー趣味からすると、どこで打ったらいいんだか分かりません。

意識しないで真中あたりと思うと、グリップがくるっと回りそう。もっとシャフト寄りで打つんだというお願いだと思って、そうしてみると、パシャンって音立てたシャンクになりそう。この長いブレードって、そんなんじゃ無いですよねぇ。

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真中あたりの広めスポット、でもトウ側のウェイトが落ちているんでヘッドは返りにくい、フレアーがある分、重心は低いから球は上がるけど、手ごたえがよくない。

またしばし、普通より30円高いスポーツドリンクをグビグビしながら、じっくり観察です。このとき一緒に持っていったモデルが59年のヘイグウルトラだったので、意識的に抑えていた右手を使ってみます。
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ヘーゲンが上から打ち込む意識で、ヒールからヒールだったのに対して、いくらか払い目の右手を返すイメージを持つと当たるようになりました。

打ち込もうとすると、やっぱり内側に振っちゃうんですね。だもんでトウ側にヒットすることが多くなっちゃうんです。まだまだだなぁ。

で、いい球出るようにはなったんですが、打感がよくないんですねぇ。サンラインのマッハラインってウェッジ、ステンレスシャフトでどんなに上手く当たっても、手にはビリビリ、打感がよくないのを思い出しました。ステンレスシャフトのせいですかね。

プロモデルということらしいですから、操作性はいいのかと、フェイスをかぶせたり開いたりして、左右のネットに向けて振ってみます。いかん、そんなスタンスで払い打ちが出来るような腕ではありませんでした。

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それと、スポルディングは、メッキなんかの仕上げが秀逸って事でしたね。これも気になっていたことなんですが、差し当たり、目にする範囲ではそれと感じるところはありません。ただ、VIPにあった皺がなく、銅下メッキが見えているような雰囲気もあります。時代の隔たりを考慮していませんが、ラムを手にしている目からすると、前のめりになるところはまだありません。


そうそう、話はすっ飛びますが、現役当時、トップフライトのボール、よく使ってましたが、なぜか最後のTを発音しない、トップフライと呼ぶ方が多くなかったですか?そんなにフランス語の訛りが出る方が多かったとは思えないのですが、ありましたよぉボール、って言うとトップフライの何番は自分の、なんてね。急に思い出しちゃいました。何ででしょうかね。

いずれにしろ、素性のよさは随所に見受けられます。モダンシャフトに変えてみると、化けるような気もしますが、初めてのスポルディング、まだまだ深いところに、コアがありそうです。

要石をはずした記憶はありませんが、最近の傾向、絶対外れてますよね。まずいです。

個人で管理できる範囲を外れそう、置き場所も無くなりそうです…。