いいもの残してくれました!-Haig Ultra 04
59
年のアイアン、ヘイグウルトラ、少しだけ打ってみましたが、ユーミーさんで何点か面倒を見てもらうことになったので、書き留めておきます。

単純には曲がったシャフトと、欠落していたセルをそれぞれ一本、何とかしてくださいってお願いをしています。

こんな趣味でいろんなモデルを手元に寄せてくると、このシャフト曲がりって意外と多いんですよね。
いいもの残してくれました!-Ultra 59
曲げてしまう原因はほとんどのケースが、フォローで立ち木に当てるものだそうです。その場所によってまちまちですが、今まで何本かであった、軽い曲がりのもの、アドレスすると曲がりに気が付かない物が多かったんです。

つまり、トップ側に曲がっていて、ヘッドの感覚で言うとフラットになっているって感じですか?初めて気がついたときはショックでした。

自分でなんとなく椅子の角とか、机の角とか使って、戻ってくれないものかなんて試したことありましたけど、折れるの覚悟じゃないと出来ないくらいの力が要りますよね。

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曲がっていた番手は6番ですが、はっきり曲がっているのが、片目をつぶらなくても分かりました。でも、見事に直してもらっています。曲がっていたなんて気がつかないですよね。

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それにしても、この59年モデル、ほんとに扱いが荒いオーナーだったんでしょうねぇ。

全番手にわたるソールの傷は、悪いライからの腕力ショットを想像させますし、その割には番手の刻印が全然磨り減っていないですから、その使われていた期間は長くは無いようです。番手がそろっていたのが幸いですが、きっと破棄される寸でのものだったんでしょうね。


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さらに、何本かエイボンのブラウンシャモワのグリップに変えられているんですが、その向きがバラバラ。

手元に来たときはバックラインがないから大丈夫かな、なんて思ってたら、ユーミーさんで指摘されました。

なんとなく卵形にバックライン入っているよって。分かってしまうと気になります。

まだ全然使えるけど、変えてみるかなって、少し端っこめくってみました。すると、数センチめくっても両面テープが見えてこないんです。

その昔、親父の商店街のコンペの参加賞に特殊ゴムのグリップが配られたことがありました。1本だけ配って、残りも変えるんならお店に来てねって、近所の工房さんのプロモーションで、当時は自分で変える人、少なかったですよね。たいしたグリップじゃなかったんで、親父から取り上げて、現役当時のS2H2のグリップ、自分で初めて変えてみました。交換の説明書も無ければ、交換キットもない時代です。ゴルフ仲間に聞いたり、冊子の簡単な紹介を何度も読み返して、両面テープを使わずに、白ガスを使って変えてみました。でも白ガスってなんでしょうね。ホワイトガソリンなんていってましたっけ。んなことは構わず、ガソリンにつけて、さっと挿してしまえばいいんだなんて理解で、案の定、途中で止まりました。当時はゴムハンマーとか、木槌で、ヘッドに影響が無いか焦りながら最後まで押し込んだ経験があります。きっとそんな経験の持ち主に、適当に挿されてしまったんでしょうね。

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そこで、何とか抜けるかもしれないと、金属製の細いチューブがついている、アリ退治スプレーのノズルを拝借し、グリップ溶液を流し込みます。注射器で刺すなんて話がありますけど、テープが無いので、グリップとシャフトの間に、ちょっと差し込んではグリグリを繰り返します。そのままではグリップエンドまで届かないので、クリーニングハンガーの針金を沿わせて入れて、少し進んではシューシューグリグリ。こりゃ上手く抜けるかと喜んだとたん、グリップが延びてきているのが分かります。細くともいろいろ突っ込んでグリグリしましたからね。1本目がもう抜けるかというそのときに、バックラインの向きだけを整えて、抜かないで置いたほうがこのグリップで凌げるんじゃないかと考え直します。両面テープが無いということは、サイズがあっていても、使っているうちにねじれてくること必至でしょうが、それを覚悟の上で、今だけがんばってもらいます。例のグリップ溶液ふき取り専用のウェスでふき取りながら作業していると、またこれが素敵なヌタヌタが回復し、いい感じになってくるんですよ。

ということで、シャモワのグリップ全部方向を整えてはみたのですが、でも結局オリジナルのレザーと、太さの調和が全然取れていないので、ラムキンに変えちゃいました。しかし、バックラインを指摘されないと分からないって、自分の手は鈍感ですよね。これで納得しようって意識が強く利いていたんだと思います。正対に戻した時は、はっきりとバックラインがわかるようになりました。

いいもの残してくれました!-Ultra 59
割れていたセルもなるべくお安くって言うことでお願いしましたので、ヘッドをはずさないで何とかなるかもと、方法を考えていただきました。

何度か触れていますが、先達の職人さんたちは口を揃えて、セルなんかなくても折れやしないということでしたから、見てくれだけのお願いです。ヘーゲンのセルは、どの時代もだいたい黒にゴールドライン、マクレガーのように変わったものを使っているのは見たことありません。

ただ、70年代のウルトラダイン、ノーホーゼルの頃に前後して金属製のセルを使っていたことがありますが、このモデルはレジ番号も消えていますし、ゴールドラインもほとんどの番手で欠落しています。

いいもの残してくれました!-Ultra 59
だもんで気軽なお願いということで。すると、方法は詳しくお伺いしませんでしたが、ヘッドを抜かずにご覧の通り。

曲がり修正とセル修理、あわせて3000円也でした。高いか安いかは、人それぞれで考えてくださいね。クリーニングハンガーを直線にすることすら出来ない不器用さですから、自身にはラウンドに出られるようになっただけでも、素晴しいことです。

もし自分で治していたら、バックスイングの最中で、これはちょっとまだ曲がったままだから、インパクトで小細工してみようとか、右に飛び出したら、これまだ曲がってるかもしれんなぁ、っていつまでたっても納得いかないゴルフしかできなかったと思います。

これは久し振りにアメリカからのものだったのですが、たぶんある一家から77年のモデルとあわせて一緒に破棄されたものじゃないかと妄想できます。おじいちゃんが使っていた大切な59年を、息子が始めるといって譲り渡し、当たらない、グリップがダメ、シャフト曲がっちゃったぁって事で、同じブランドを買ったんですね。少し大人になったから、小石だらけの農機具小屋の裏で練習もしなくなって、ソールに傷がつかなくなったけど、ドライバーは腕力で振り回して、ひび入れちゃったんですよ。実は77年も、こんな妄想にぴったりの痕跡がありました。そりゃまた改めて。