否認事件で、割合的に多いのは、目的とか、故意とか、その犯罪の構成要件のうち主観的要素を否認するものではないでしょうか。
よく犯意とか(…殺人の場合は殺意なんて)言われたりしますね。
それがないと、違う犯罪になったり(殺人未遂→傷害)、無罪になったりします。
「たしかに私は相手を刺しましたが、殺そうとは思ってなかったんです」
とか
「たしかに私は相手から金をもらいましたが、騙すつもりはなかったんです」
とか
そういった場合です。
あと
「たしかに私は相手にメールを送りつけたりしましたが、恋愛感情やそれを満たされなかったことに対する怨恨の感情を充足する目的などなかったんです」
なんてのも、そうです。
ははは
さて、こういった否認事件は、もちろん少年事件でも、あります。
少年事件だからといって、殺人未遂でも傷害でもどっちでもいい…なんてことはありません。
で、そういう場合にどういう審理をするか?
これはまぁ少年自身を審問して取り調べるわけですが、その少年の話だけを聞いて、それが信用できるとか、できないとか、ダイレクトに判断するわけではありません。
うそ発見器にかける…というわけでもないです。
そこは、少年の供述以外の証拠を積み重ねて、判断します。
よく
「おれの話を全然信じてくれなかった」
なんていう不満の声を聞くこともありますが、裁判所は、まったく無批判に少年の話を信じる…なんてことは基本的にあり得ません。
あとね、
捜査機関の作った証拠を無批判に信用する
なんてことも、しません。
もちろんやるべき時には、非行なし審判を、します。