ドナルド・バタイル
Listening to Music with Hearing Loss
聴覚障害者が音楽を聴くためには
ドナルド・バタイル(Donald Bataille)
なかなか興味深い内容でした。
補聴器技能者としても感じるところあり、参考に以下に掲載しときます。
詳細は後日、全難聴からまとめが報告されると思いますので、そちらをご覧ください。

(アメリカでは?)人は一生に4万2000ドルを音楽に使うといわれる。セックスや薬以上に音楽にお金と時間をかける。
音楽を聴くとき、私たちは周波数を選んでいる。ピークレベルのものは聞こえない。周波数同士がぶつかっているのが音楽。脳が音を聞いたとき、感動に転換する。音楽は脳全体で感じている。

私は音楽を聴くのによい環境は、車の中が一番だと思う。次にライブ音楽。ともに大きな音量で聴くことができる。明確性は失われるが、周波数もあらゆる周波数が発生しているのですばらしい。

(オガワ感想)補聴器は基本的に人の言葉聞き取り用に、8kHzまでの音を増幅するようになっています。
音楽ではそれ以上の周波数を使っていることがありますが、補聴器では増幅してないです。
このためライブや車中で、補聴器なしで大きな音を聴くのが最上の楽しみ方だというの、強く共感します。
でも補聴器のループでは8kHzしばりがあるので、ライブで聞こえる周波数も、聞こえないのでは。裸耳で、しかも残存聴力のある人、というのが前提になります。

会場質問がひきもきらず、時間はるかにオーバーしても質問できない人が続出してました。
小ネタ。アメリカには「成人失聴者ミュージシャン協会」というのがあるらしいです。

講師コメントで「補聴器店は、ユーザーが音楽にアクセスできないときはあきらめるもの、ととらえてしまっているのではないか」というのが、胸に刺さりました。
オガワも皆さんがあきらめているものと、思い込んでなかったか。自戒したいです。