
ろうの医師の今川竜二さん
地元のコミュニケーション教室で、ろうの医師の今川竜二さん講演がありました。
2年前に医師国家試験合格された方です。
生まれつき聴力損失110dBオーバー。手話を主なコミュニケーション手段としています。
聴覚障害のある医師が国内に約10人いるうち、彼のようなケースは他にいないそうです。
ほとんどは難聴で、補聴器や人工内耳を主なコミュニケーション手段としている方。中途失聴後、人工内耳を使うまでは完全に聞こえなかった藤田保さんのような例もありますが。
医師免許取得後、これまで青森で研修医として勤務されていました。将来は小児科医になりたいそうです。
青森の病院で研修中に困ったのは、緊急呼び出し。
院内では電波の弱いPHSを使用。聴く方は全くできないので、困りました。
研修中は受け持ちの患者を持って、看護師からの呼び出しがあればすぐに答えなければなりません。そこで看護師が患者の病室番号を連絡することにしたそうです。今川氏はそれを見て、「わかりました。すぐ行きます」とだけ一方的に音声連絡。病室に行く、ということをしていたそうな。
病院は24時間態勢、呼び出しも24時間いつあるかわかりません。夜寝ているときにもあるので、今川氏はPHSを持った上にくつしたをはめて、着信を逃すことのないようにしたそうです。
それでも1回、呼び出しに気づかないことがあったそうな。さいわいのみ薬についての相談で、緊急ではなかったそうですが。
聴診器は耳で聞くことはできませんが、今はモニターにデジタル表示出来るシステムがあります。それを見て判断することができます。
いちど、3歳の子どもが退院前日、回診で聴診モニターを見たら、肺炎の兆候があるのでは?と、上司に確認したところ、聴診した上司は問題ないとの判断。
どうしても気になったのでレントゲンを撮ってもらったら、やはり肺炎になりかけていたと。聴診よりもモニターで視覚的に見た方が確実なこともあるようです。上司はあとで謝ってくれたそうです。
以前は欠格条項があり、医師法、薬剤師法などで、聞こえないもの、見えない者などには免許を与えないとされていました。今川さんも医師にはなれないものと思っていたら、高校生の頃、早瀬さんが薬剤師免許を取得、医師も欠格条項がなくなったと知り、医師を目指したい!と思ったそうです。欠格条項撤廃に取り組んだ先人に感謝の気持ちを示されていました。
こんな記事もありました。
難聴の研修医 夢へ奮闘 十和田中央病院・今川さん 「手話使える人に医師になってほしい」友人の言葉が励みに
(東奥日報140109)
http://www.izai.net/2013/01/post-1217.html
後輩のためにこんな活動もされています!
http://www.ouchide-yobikou.net/%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%83%E3%83%95-%E8%AC%9B%E5%B8%AB%E7%B4%B9%E4%BB%8B/
彼も道をきりひらく仲間の一人。
ますますがんばってほしいですね!