「IPTVを使った字幕付与」 福島 孝博 追手門学院大学
規格で規定されている内容(画像参照)
視聴者が自分の見やすいように字幕を変更できる。
多言語化も特徴。オリンピック向けに必要な技術ではないか。

福島さん資料

「IPTVによるアクセシビリティ向上への聴覚障害者からの期待」
小椋 武夫 一般財団法人 全日本ろうあ連盟 理事
ろう者は手話や字幕がなくアクセスできず、取り残されていた。
IPTVによる手話や字幕の飛躍的増加に期待している。
全日ろう連でも積極的主体的に取り組んでいく。
アクセスできない方への広報活動の展開も必要。
小椋さん

「IPTVによるアクセシビリティ向上への視覚障害者からの期待」
工藤 正一 社会福祉法人 日本盲人会連合 情報部長
37歳中途失明。耳で聞くテレビ派。
2007年時点で164万人の視覚障害者、18万8000人の失明者がいると推定。
調査では視覚障害者のうちテレビを主な情報源としているのは92.1%だった。
マラケシュ条約で著作権改正の取り組みが進む。テレビも取り組みたい。
ニュース速報、でてもさっぱりわからない。外国語のインタビュー(字幕部分)も。
「下の通りです」「こちらまで」と画像を指すのも困る。
視覚障害者の経済損失、アメリカの計算にならうと約18万人として、約8兆8000億円の損失という試算がある。
IPTV、できることがあるのでは、と期待している。
日盲連工藤さん

「IPTVによるアクセシビリティ向上への知的障害者からの期待」
小尾 隆一 全国手をつなぐ育成会連合会 本人活動委員長
知的障害者、H27年厚労白書で74.1万人。認知症の方も増えるのでは。
音声、字幕で理解できないとき、複数の字幕、やさしい解説が期待できるのでは。
ずっと以前に重度の知的障害者の施設を訪問したとき、殺風景。花もない、カレンダーもない。そんな中で、唯一テレビは普通にある。入所者にとって、テレビが社会に開かれている窓だった。
内容そのままでは難があるが、カスタマイズできるのは知的障害者の可能性をひらくものと思う。

「今後の展開」 (パネル、Q&Aセッション)
オガワの関心の範囲で拾いました。

A/カナダでは字幕の責任は、プロデューサー。
番組を作る会社が、字幕も入れて提供しなければならないとなっている。
番組にスポンサーの名前も出てくる。
改善のための話し合いの場もある。

Q/画面に字幕、手話を重畳するのは、著作権上問題にならないか。
A/ポルトガルでは大統領令があり、LCCで字幕をつけないとならない。
A/権利制限処置をどうするのか、問題になっている。
著作権法32の2。リアルタイムで手話、字幕を送るのは認められているが、画像は認められていない。
日本ではまさにできるようにと議論している。12月に結論を出すということだった。
文科省は認められるように動いていると思う。

Q/参政権侵害の問題。
政見放送や国会中継に手話や字幕がつかない状況。意思決定に必要。
機会をうばれているという点大きな問題だ。

A/NHKは国会中継、誤字脱字を恐れてつけない、とはっきり言っている。
外郭組織で目で聴くテレビの国会中継テストをやった。NHKもびっくりしていた。
字幕はまだまだと思うが、そういう段階でも国会中継字幕できる。
以前聴いた当事者の意見では、少々間違っていてもよいから字幕をつけてほしいという意見が多かった。
いまの生字幕は8秒から12秒遅れている。

A/字幕や解説放送のコンテンツも、流通の過程でバージョンアップしたものがあれば交換することが可能。

今後も継続していきたいとのこと。
皆さんにも関心を持っていただきたいですね!


その他ひろったところ。
IPTVアクセシビリティ・コンソーシアムの亀山渉先生(早稲田大)あいさつから。
アベイラビリティ
 →必要とする人すべてに
アフォーダビリティ
 →手頃な値段で手に入れられる
という意味だそうな。

「障害者権利条約と障害者の情報アクセシビリティの向上」
日身連会長 松井逸朗

1964年東京オリンピックの後初めて開催されたパラリンピックのエピソード。
大会終了後、日本選手がおいおいと泣き出した。
外国の選手は仕事にスポーツにと人生をエンジョイできているのに、日本選手で働いているのは53人中5人だったそうな。

国連障害者権利条約の特徴。制定にあたってはほぼすべての会議で民間のNGOが参加し、発言を認められた。「私たち抜きに私たちのことを決めるな」という精神。
条約の制定は政府間の問題で、民間が加わる余地はない。
その枠をはるかに超えて、審議に障害者当事者の意見が反映されたのは大きな特徴だった。

以上