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皆様、あけましておめでとうございます。

 

 私は、2016年から2017年の年末年始を初めてのことが色々と始まった場所=鹿児島で過ごしました。日の丸発祥の地、キリスト教伝来の地、我が国初の活版印刷英和辞典、我が国初のガス灯、君が代発祥の地、我が国初の国立公園、温州ミカン発祥の地、我が国初の衛星(おおすみ)、我が国初の露日辞典、サツマイモ発祥の地、我が国初の世界自然遺産地域、新婚旅行第一号、国産軍艦第一号(昇平丸)、鉄砲伝来、我が国初の洋式灯台等々、鹿児島は、様々なことの発祥の地なのです。

 

●天降川沿いの宿
 今回、私が滞在した天降川沿いの宿は、『ホテル京セラ』(黒川紀章設計)で鹿児島県霧島市国分町にあります。ここからは、桜島が眺望できます。このホテルは、知る人ぞ知るホテルで、稲盛イズム=鹿児島人の「堅実なる優雅さ」を感じるホテルです。
天降川を挟んで、ソニー鹿児島(ソニーセミコンダマニュファクチャリング株式会社、旧ソニー国分工場)があります。ここは、ソニーが世界に誇る、イメージングデバイス(CCD)の開発製造拠点なのです。
 戦後復興の立役者は、何といってもベンチャー企業から世界のソニーと世界の京セラを創業した、技術を知り尽くした、井深大さん、盛田昭夫さん、稲盛和夫さんたち企業家の皆さんです。そんな皆さんのゆかりの地で年末年始を過ごしました。特に、私も幸運にも何度かお会いした、世界的技術者・経営者の稲盛和夫さんは、鹿児島の出身で、鹿児島人の魅力を代表する方です。私の会社にも鹿児島出身者がいますが、独創的で、進取の気性に富んでおり、次々と成果をあげています。今回は、そんな鹿児島の人と土地の魅力に迫ってみたいと思います。
 さて、CCD(Charge-Coupled Device、電荷結合素子)は、1969年、AT&Tベル研究所のウィラード・ボイルとジョージ・E・スミスによって、磁気バブルメモリの動作原理を半導体に応用することによって発明されたイメージセンサーデバイスでソニーが世界で初めて量産に成功しました。すなわち、隣り合った素子の間の電荷的な結合を利用して、次々と電荷の状態が送り出されることにより信号がやりとりされる素子で、デジタルカメラやビデオカメラ素子として広く利用され、ソニーは、現在も世界の約50%のトップシェアを占めています。ソニー鹿児島は、そんな世界のソニーの重要拠点なのです。

 

●鹿児島のシンボル桜島
 この鹿児島全体を包む巨大カルデラ噴火の後に火山活動を開始。約26000年前、鹿児島湾内の海底火山として活動が始まり、安山岩やデイサイト質の溶岩を流出しながら大きな火山島を形成。約13000年前には北岳が海上に姿を現し、この頃に北岳から噴出した火山灰の地層は九州南部に広がっておりサツマ火山灰と呼ばれています。噴火活動は約4500年前から南岳に移行。一方、中岳の活動史は十分に解明されていないようです。

 

●知覧武家屋敷庭園
 薩摩藩主島津家は、源頼朝の直系で約800年の歴史を持つ守護・地頭家系で、強力な家臣団を持っていました。その中でも知覧島津家(佐多氏)(薩摩知覧領主)を中心とする集団は、知覧地方に美しい庭園を有する武家屋敷群を形成しています。特に、佐多直忠庭園では、家主の方からは、京都と奈良との比較で知覧武家屋敷の庭園についてその想いを語って頂きました。
 江戸中期に造られた7つの庭園は、国の名勝に指定されています。母ヶ岳を借景に、麓一体に美しい街並みが佇む知覧の武家屋敷庭園群を訪ねれば、江戸時代にタイムスリップする、「薩摩の小京都」と呼ばれています。

 

●『尚古集成館』(しょうこしゅうせいかん)
 『尚古集成館』は、日本の近代化を強力に推進した島津斉彬(なりあきら)のロマンがいっぱいに詰まった場所です。1865年に船などの金属加工のための工場として竣工し、薩英戦争と西南戦争の戦禍を経て、唯一残された機械工場跡で現存する最古の洋風工場建築物です。2015年には「明治日本の産業革命遺産」の構成資産として、世界遺産に登録されました。現在は、島津家の歴史や近代化事業を紹介する博物館として、江戸時代につくられた 薩摩切子や、日本人が撮影した最古の銀板写真、工場として稼働していた当時の機械など、島津家伝来の資料を中心に約1万点を収蔵・展示してされています。
 島津氏は、徳川家と関ケ原の戦いで敵対するも、外交力で存続します。また、徳川幕府時代に、皇室と公家以外の大名で唯一将軍家に娘が嫁ぐことで特別の地位を築いてきました。特に、鎖国時代に管理下の琉球国を通じて、中国貿易をはじめ世界との貿易を許されていた唯一の藩で、その「国際性」が、日本の近代化の鍵を握る存在となっていったと思われます。そして、薩英戦争でも互角に戦い、英国との外交にも成功し、幕府を上回る「技術力」をもとに、富と軍事力を持ち、倒幕の重要な役割を果たすこととなったのでした。
 薩摩藩による「国際性」と「技術力」がなかったとしたら、日本の近代化は、進まなかったと思われます。あるいは、欧米列強の植民地になっていたかもしれません。

 

●おわりに
 私にとって、鹿児島は、初めての旅でしたが、桜島を火山とし、錦江湾全体が、カルデラ湖に相当する海で、外輪山が取り囲んでいる地形であることを知りました。そこで、今も活発に活動する桜島、本土最南端の佐多岬、龍宮伝説の長崎鼻、開聞岳を訪れ、この変化に富んだ自然に触れることができました。
 また、約800年前から続く島津家は、初詣客で賑わう由緒正しい霧島神宮にもゆかりがあり、薩摩藩は、明治維新において大きな役割を果たしました。私の父方は、山口県なので、歴史を創る長州の話ばかりを聞かされてきましたが、今回、鹿児島の土地の魅力、人の魅力に僅かながらでも迫ることができて本当に良かったと思っております。最も印象的だったのは、鹿児島には、『集成館事業』という日本の産業革命の原点があったことです。豊かな自然と人の魅力いっぱいの鹿児島紀行をこれで終わります。

 

平成29年1月16日
代表取締役会長兼社長CEO
藤原 洋

 

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