Vol.82 Japan Fashion Now | 伊藤操のブログ

Vol.82 Japan Fashion Now

Japan Fashion Now


ニューヨークのFIT (ファッション工科大学) のギャラリーで、興味深いエキジビョンが来年の1月8日まで行われています。“Japan Fashion Now”と言うタイトルで、現代の日本のファッションを探るための展示です。



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この展示は80年代のコムデ・ギャルソンや山本耀司、三宅一生などの黒の革新的なファッションから始まります。



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そしてストリート・ファッション、サブカルチャー、タレントの舞台衣装、コスプレまで紹介しています。会場の背景には東京の街角がモノクロで幻想的に描かれており、モノクロの異空間に漂う日本のファッションを見るのはちょっと不思議な体験です。
表参道の街並みにコムデ・ギャルソンや、渡辺淳弥、栗原タオ、三宅一生(滝沢直己)などの作品が展示されています。


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次のコーナーは、原宿や渋谷のイメージで、暴走族や、学校の制服、そして“可愛い“を表現したサブカルチャーのファッションが展示されています。
"可愛い“ファッションを代表している歌手の"Hangry and Angry” が着ているのはn.Naotoがデザインしているゴシック・パンク・ロリータスタイルです。



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今、ヨーロッパやアメリカで日本の”可愛い“ファッションが注目されているということがこの展示でもよく理解できます。場内では、ストリート・ファッションのスライドも上映されています。こうした写真は意図的に選択されたものであると理解していても、これだけたくさんのゴシック・パンク・ロリータファッションで身を包んでいる若者を見ていると、日本の若者は大丈夫かなと老婆心がよぎりますが・・・・
男性ファッションも展示されています。



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とんがったメンズウエアも迫力があります。
この展示のディレクターであるヴァレリー・スティールさんは日本の現代ファッションは“Cutting Edge”よりも”Bleeding Edge"と表現しています。“Bleeding”~血が流れほど、最先端(cutting edge)よりも先を行く日本の現代ファッションが世界の若者に影響を与えているという意味でしょうか。
この展示を紹介したニューヨークタイムズ紙は“Japan’s Raw Edges”と題した記事でパリコレクションやニューヨークコレクションにおいて、日本のファッションの影響が大きいと報じていますが、Bleeding Edge という表現にかけて、Raw (粗野な、未熟な)Edgeという表現をしているところが面白いですね。



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でもRawには“最新”という意味もあるのです。