新しい旅―49 | シンクロニシティ

新しい旅―49

2月21日(木)
新リア王―8
 さらに代議士栄は語る。
 「私たちが委員会や部会でなにをするかというと、官僚のつくった数字や条文と業界団体の利益の二つを突き合わせて、せいぜい落とし所をみつけるだけなのだが、しかしそこに政治の実際も醍醐味もある。例えば先の種子法の一部の改正にしても、日本化学工業協会や経団連の強い要求があって、手はつけたけれど、肝心の種子を生産する圃場はこれまで通り自治体指定のままだし、種士協会の権益も温存した。・・・規制緩和とはこういうふうにやるのだ。・・・半歩づつの前進でも・・・大きく俯瞰すれば時代も社会構造も確実に動いてゆくもの・・。」
 スピード感をもって規制緩和をして、経済を活性化してゆくなどは1980年代も21世紀の今日でも夢のまた夢。それでもときには、少しの前進が加速気味にの感じられることがあるということを信じたい。日本の政治は抽象的な国民はたてまえで、実際は利益団体、要求団体の食い合いの場ということ。そういう構造は、自分たちひとりひとりがなんらかの権益団体に属していて、どっぷりと漬かっている状況でもある。