風の音―104 | シンクロニシティ

風の音―104

1月7日(月)
  警察小説―9
 宝島社の「この警察小説がすごい!」(2012年10月)のベスト20の選者は書店員とか書評家が中心というが、それなりに沢山読んでいるベテランなのだろう。ただ松本清張、結城昌治等を入れているのは時代感覚は古めでも、大御所と言われている作家に敬意を表しているという感じだ。世代が若いというか、やはり、最近の作品が中心のようだ。
 個人的にベスト10をあげたいが、それには読み直す必要もあり、それだけの余裕があれば、新しい作品を手にとってしまう。
 それにしても堂場瞬一がまったくはいっていないのはげせない。現在、読みかけ中の「ラスト・コード(堂場瞬一、2012年7月刊、中央公論新社)」など、主人公は機動捜査隊から刑事になったばかりの警察官が主人公だが、鳴沢了とか、失踪人課シリーズの女性警官安比留課長がちらちらと出現する。作者は壮大な警察小説の世界を創り出していて、自分が構築した警視庁を神様のように支配している。