ANOTHER WORLD~21~ | EPISODE NOVEL blog of the battler-ushiromiya

ANOTHER WORLD~21~

 ステイニーの代わりの大河内先生は、なかなか面白い人だった。・・・昔に家族を殺されたなんて夢にも思わないほど明るい。アメフトの選手のようながっちりした体格の割には器用で、この前まで壊れていた教室入場の時のセンサーパネルを簡単に直してしまった。
 若く、俺ほどではないが、イケメンで、すぐに女子の人気を集めてしまった。

 「猛先生ぃ~、お話しようよぉ~。」
 「ほらほら、授業が始まるぞ。後でな!」
 「はぁーい!!」

 「なぁ大牙。」
 「どうした、龍。嫉妬したか?」
 「それもそうだけど、あの先生おかしくないか?」
 これまた俺ほどではないが、龍もイケメンだとは思う。特に、あのキリッとした目つきは、俺ですら格好いいなと思う。しかも結構モテてる。そんな龍が嫉妬なんて、
 「変な想像ストォーップ!!だから俺が言いたいのはだなぁ、あの先生が」
 「黒城君だったかな。先生に用かい?」
 いつの間にか後ろに大河内先生が立っていた。大男でそれなりの威圧感はあるが、龍が言うような違和感はない。
 龍は口を閉ざし、何も言葉を発しようとしない。仕方ないなぁ・・・。
 「先生!龍が格好いいってさ!!」
 「はははっ!そんなことか!ありがとう、黒城君。お世辞でも嬉しいよ!」
 龍はそっぽを向いた。あとでみんなで話すんだから。
     
     *             *             *
 そして放課後、俺たちは4人に加え、大河内先生を含めた5人で話し始めた。初めは、大河内先生の素上、次に今世界で起こりつつあること、そして龍が・・・・。
 「大河内先生。」
 「黒城君、どうした?まさか、君は私のことが分かるのかい・・・?」
 「よく分からないけどさ、先生はなんか『もう1つの雰囲気』がある気がしてさ。」
 「・・・・よく分かったね。私自身、今もよく分かってないのに。」
 「今も分かってないというのはどういうことですか?」
 「大空君、君は時々、自分の意識の中に別の存在がいると思ったことはないかい?」
 「え?えーと、・・・はい。おそらく、僕の中にいるのはペガサスだと思いますが。」
 ほう。なかなか面白い展開になってきたぜ・・・!!