ANOTHER WORLD~8~ | EPISODE NOVEL blog of the battler-ushiromiya

ANOTHER WORLD~8~

グシャッ!!!!
 みんなが目を閉じる。そして、恐る恐る開ける。しかし、・・・・・・・・・・・・・・・・
そこに立っていたのは、龍と・・・、鬼崎!?それも手に血の滴る剣を持っている。恐竜は、いない!!
 「どうして鬼崎先生が!?」
 龍は目を見開いている。そりゃそうだ。いきなり恐竜➝男の子救出➝食われそう➝鬼崎出現、だもんな。
 「お前たちこそ、こんな遅くにここで何をやってる?」
 「龍と俺のスパイクを買いに来たけど、店が閉まってて、騒ぎを聞きつけて来てみたら恐竜が出てきて、それで、えーと、男の子が倒れてて・・・。」
 「まあいい。まさかこんな場所でアナザーワールドが出現するとは。」
 「アナザーワールド?なんですかそれ・・・?」
 天馬が問う。
 「あれと関わりを持ってしまった以上話さない訳にはいかんな。・・やはり運命だったか。」
 運命?なんだそれ。
 「アナザーワールドとは、この世界とは別のもう一つの世界のことだ。ゲームや漫画で出てくる、パラレルワールドとかいうやつだ。文明が発達し、磁場が不安定なこの世界と繋がってしまうことがあるのだ。」
 「ってことは、すでにもう何度もあんなのが出てきたってことですか?!」
 「ああ。もう100回を超えるな。」
 「じゃあどうして今まで騒がれなかったんですか?」
 「見ていろ。」
 さっきまで恐竜が暴れていたところを見る。するとそこ全体が光って・・・!
 「ほら、元通りだ。」
 「どうして・・・?」
 「さっきも言った通り、元々磁場が異常だからすぐに元に戻るんだ。犠牲者は・・・・。気の毒だがこの世界に初めから存在しなかったことになる。そのことを知っていられるのは、現場で長時間、アナザーワールドの出現を体験していた者だけだ。」
 大体のことは分かった。・・・しかし、さっき言ってた「運命」って何なのだろうか。