魔界の滅亡裏話 | ファンタジー大好きサラリーマンのゲームブログ

魔界の滅亡裏話

ようやく発売にこぎつけることができましたゲームブックドルアーガの塔完結編『魔界の滅亡』。
いやはや、2巻から長かった。待っていてくれた読者の方にはお詫びと感謝の気持ちで一杯です。

最近ツイッターをするようになり、短文で書ける情報はちょこちょこと流しているのですが、長い話はやっぱり文字数制限のないブログがいいですね。

この魔界の滅亡に関して、発売が延期に延期を重ねたという時期的な失点の他にファンの方にお詫びしなければいけないことがまだあるのです。

もう忘れていらっしゃる方も多いかもしれませんが、昔、当社ゲームブックの付録につけていた小冊子「剣社通信」で、「諸王の冠」と「魔界の滅亡」は1200円の価格据え置きでいきますと申し上げたことがあるのです。しかし、実際には本体価格1500円、税込み1575円と値上げした価格になってしまいました。

この価格設定は発売が遅れたこととも絡んでくるのですが、400ページ超という厚さで当時発表した価格据え置きを実現するのは売り上げ予測的に無理がありました。元来ゲームブックは当社の売り上げ面での主力武器とは言い難いのですが、それを加味しても第2巻の『魔宮の勇者たち』の動きが良くなかったのです。

社長からは「数少ない買う人だけが買ってくれる本であり、そのファン層はもっと高くても買うのではないか?」と1700円の価格設定を指示されました。確かにゲームブックのジャンルでは1700円の本もあるにはあるのですが…。内心1200円で出したい私でしたが、さすがにその値段は取り合ってもらえず、結果1500円という魔獣王国らと同じ価格設定になったのです。

しかし、それでも420ページという現実としてのしかかってくるコスト増と相殺するまでいきませんでした。なんとか少しでもコスト削減ということで、今回はアドベンチャーシートを別紙付録とすることを諦めなければなりませんでした。シートに関しては今後、創土社サイトで全ゲームブックのシートをPDFで公開し、誰でもダウンロードできるサービスを実施しようと考えています。

この厚さの要因となった加筆修正ですが、おそらく、従来の内容のまま出せばこれほどの厚さにはならず、シートも従来通り付録にできただろうと思います。この両天秤はかなり悩みました。

しかし、加筆修正とは純粋な鈴木先生のファンサービスで、これこそファンに届けなくてはいけないものだと判断しました。何よりその修正内容は私もまったく予測もしていなかったような変更が含まれていて、旧読者にも新鮮な気持ちで楽しんでもらいたいという願いが込められていました。

出来上がった本は殴れば人に大怪我させそうな厚さになってしまって、ゲームブックとしてはちょっと腕が疲れそうな重さですが、どうか楽しんでいただければと思います。

加筆修正点をちょっとだけここでバラしちゃいますと…

第3巻でMUALAを覚えることはできません
これは難易度アップではなく、第3巻から開始する読者のための安全サービスなのです。もう少し詳しく言ってしまうと、別の変更のせいで大幅に難易度がアップしたため、第3巻からの読者がMUALAを修得してもそれは罠にしかならないという…うぐぐ。

ハイパーシリーズをいきなり取れません
第2巻で加筆された伏線要素の関連でもあるのですが…。

第2巻で謎のまま終わったイベントがちゃんと納得するものになります
これは私は最初すぐにはなんのことか分かりませんでした。すぐ分かる読者の方は相当なパオトフリークだと思います。箇所だけ言いますと、新規イラストを追加したところのイベントです。旧第2巻では謎のまま終わっていたものなのですが、こうするつもりだったのかと。