著者って大変だ | ファンタジー大好きサラリーマンのゲームブログ

著者って大変だ

現在、「よくわかる祝詞」という本の編集をしています。売れるんか、こんなものと、祝詞にろくに興味がない私は思うのですが、祝詞は作り方を書いた類書がないらしく、神社で働く神官さんなんかは買うはずとのこと。うーむ本当かよ。制作費や手間があまりかからないのはありがたいが。しかし、同じく中身が時流に合わないんじゃないかと思った『ドイツ・IGファルベン、スイス銀行』は思った以上に反応が良かったりしたから、分からない。

合間にゲームブックの新作打ち合わせで、松友健先生とやりとりをしているわけですが、著者は大変だなあとつくづく思います。編集者がダメと言ったら、時間をかけて書いたものもやりなおし。極力納得してもらえるように理由を書くようにはしていますが、フィーリングでダメと感じてボツにするケースもあるので、「とにかくこれじゃつまらない」で書き直してもらう場合も当然あります。書いてる側からしたら凄まじい理不尽さでしょうね。

しかし、文法や誤字の指摘だけならそれは編集ではなく校正であって、編集者はいらなくなってしまいます。ジャンプで今、連載中のバクマンというコミックを読んでいると、さすがにこれはファンタジーだと思いつつも、編集者視点でいろいろ考えてしまう自分がいて、楽しいのですが、そこでも思いは「著者って大変だ」になります。

編集者は文章のプロですが、創作のプロではないので面白いお話は作れない。作れたら自分で書きますよね。だから編集者は作家さんのことを尊敬しています。ボツを出すのも、その作家さんを尊敬した上で作品のクオリティを上げることだけを考えて心を鬼にしているのです。しかし、これはなかなか分かってもらえない。松友先生はこのへん理解してくれる方なんで、今回は話では該当しないのですが、著者によっては本当にブチ切れて投げ出してしまう方もしばしば。

私も若いときはこれが分からず、滅茶苦茶なケンカに発展した本もありました。