コンプレッサー: Summit Audio TLA50 Tube Leveling Amp | ベーシストとエフェクター

コンプレッサー: Summit Audio TLA50 Tube Leveling Amp

ストンプボックス型で、メンテナンスが容易で、質の良い真空管コンプレッサーはないものかとずっと探していました。98年頃に倒産してしまった米Retrospec社のSqueeze Boxが良いなとは思っていたのですが、オークションくらいでしか入手できないのと、コンプのような主要なtoolを試しもしないで、しかも中古で高額で買うのはどうかなと思いつつ。

CAE社からv-compがリリースされるまでは、新品で手に入る良質なものって、なかなかなかった。MAXONやGUYATONEから出てはいましたが、プレート電圧が低いせいか、圧縮感に迫力がないような気がする。そんなときに、ふとしたことで、このSummit Audio TLA50なるコンプ(正確にはレベラー)を発見。楽器用で使うには少々高価で6万円以上もする機材なので悩みましたが、結果的には買って良かったと思える機材の1つです。

ハーフラックで持ち運びもできるといっても2kgもあるし、もともとラック使用を前提にしてるので、足踏みでのon/offなんてのも付いてない。それでも、これをメインで使ってます。Summit Audio社は米のハンドメイド・オーディオの老舗で、真空管とソリッドステートを組み合わせた回路設計を得意とするメーカー。特に同社のTLA-100Aという真空管コンプが有名で、TLA50はその弟分にあたる機種。

家で早速音を出してみて、ああ、やっとホンモノに出会えた、って、幸せな気分になりました。特にスラッピングをやったときの、なんとも言えない質感と温かみ、それにチューブ独特の迫力のある圧縮感が他を寄せ付けません。EBS MultiCompのチューブシミュレーションも秀逸ではあるけれども、MultiCompの圧縮感と比較すると、パワー感は互角ながら、TLA50の方が圧倒的にナチュラル。楽器の生音の良さがより活かされる感じ。だから、自分の楽器の生音が大好きで、これを活かしたいと思っているオーナーの方には、このTLA50を強くオススメします。今現在は、チョイスとしてCAE v-compというのもあります。v-compについては別途レビューをしたいと思いますが、艶感がぜんぜん違います。単体でv-compを使うと、いいなって思うんですが、TLA50を比べると、差が歴然とするんですよね。好みもありますが・・・

ちなみに、オリジナルで入っているチューブはスロバキア製の12AX7(ECC83)で、オリジナルのままでも良い音がしますが、自分はTelefunkenのECC83に換装しました。より、回路の良さが活きてきた気がします。(気、だけかも知れないけどね、でも、音楽は気分も大事だから・・・)

ただ、厳密には楽器専用ではないためか、ゲインが若干下がる傾向にあり(インピーダンスマッチングは問題ない)、低下したゲインを復活させるために、Xoticのブースターを使っています。それを考えると、このコンプを使うために10万円近く費やしてるってことか。アホだな・・・