ひさしぶりに小説を読んだ。知人から紹介してもらい、どんなもんだ?と手にとったのがきっかけ。

本書はテレビドラマ化されていたのでご存知の方も多いと思う。

ちなみに自分はテレビは見ていないので偏見無くこの小説に入ることができたと思う。

本書は、大学院で研究をしている主人公が奈良の女子高に講師として赴任するところから始まる。

そして、赴任先の学校で生徒との間で起こるトラブルの中、ある日出会った1匹の鹿との出会い。そこから一気にストーリーが進んでいく。

鹿から、「世界を守るために「サンカク」を手に入れろ」と指示され、その「サンカク」とは何か?誰が狐なのか、鼠なのか、これらの疑問にぶつかりながら主人公は「サンカク」を目指していく―。

現代を舞台にした小説であり、その世界観を掴むのに苦労がいらないため、スッと入り込むことができる。

ストーリーとしても、やや詰めが甘く、駆け足な感はあるものの、謎掛けの部分も複雑ではなく分かりやすく、読後感は爽やかである。

また、誰かを殺したり傷つけたりという安易な方向に持って行かず、安心して読むことができる内容となっている。