Intermezzo ~幕間のおしゃべり~

しがない歌劇愛好家Basilioの音盤鑑賞録。
備忘録的に…


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僕がオペラを聴くようになってから10年以上、NHKが持っている筈と言われながら陽の目を見ることのなかった「スラヴ歌劇団」伝説の名演です。昨年の秋これが発売されると聞いたときの喜びと驚きと言ったら!欲を言えば映像ならばなおのことというところではあるのですが、それにしてもやはりこれは嬉しい。音もライヴとしてはかなりいい部類でしょう。

フォン=マタチッチの指揮はゴツゴツとした豪快な部分と叙情的な美しさに満ちた部分との同居するこの作品の性格をよく引き出しています。フォン=カラヤンほど交響曲的になりすぎず、かといって露国の指揮者のように朴訥過ぎない絶妙なバランス。

歌手ではなんと言っても主役チャンガロヴィッチの壮絶なボリス。特に独白で聴かれる深い悲哀。時に叩きつけるように、時に繊細に表現されるボリスの心の暗部が胸に迫ります。シャリャピンの再来と聴いて物凄い大芝居を想定していたのですが、もちろん(特に狂乱など)そういう側面はありつつもむしろ歌としての精妙さを感じました。死の場面も素晴らしいですが、吼える場面よりもpppを紡ぐ場面が印象に残ります。
このボリスを追い詰めていくパウリック演じるシュイスキーがまた慇懃無礼且つ酷薄でお見事。完全に知能犯です。彼らのやりとりが、実はこの演奏の白眉かもしれません。
ピーメンを歌うギュゼレフもまた荒々しい歌をうたえる人ではありますが、ここではチャンガロヴィッチのボリスに対して端整な表現をしていて好対照です。やや冷たいまでの厳格さをこの役から引き出しています。
偽ディミトリーのボドゥロフもパワフルでよく延びる声がいい。無鉄砲なのですが力押しにならず、野心とさかしらさと底の浅さが同居しています。マリーナのボスピシュのイチモツありそうなメゾも華を添えていて、陰謀渦巻く愛の重唱は理想的。
コロシェッツの押し出しの強いヴァルラーム他、ランゴーニや聖愚者にも人を得ています。

不滅の名盤の復活を称賛してやみません。
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