「杜 加藤國子写真展」 @新宿ニコンサロン | 「月球儀」&「芭蕉座」  俳句を書くメゾソプラノ山本 掌のブログ

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第四句集『月球儀』
「月球儀」俳句を支柱とした山本 掌の個人誌。

「芭蕉座」は芭蕉「おくのほそ道」を舞台作品とする
うた・語り・作曲・ピアノのユニット。
    



俳句を金子兜太に師事。「海程」同人・現代俳句協会会員。


「杜 加藤國子写真展」




加藤國子さんの写真展へ。

「杜」と題された写真展で、
大津、滋賀の里に残る神域をとらえたもの。
モノクロの画像にある光と影のありようが、
しずかにしずかに時間が堆積をしている、と。
写真の展示してあるサロンの空間すら
浄化されているかのよう。

新宿にお出かけのさいには、ご覧ください。

3月16日(月)まで。


blog「にごろぶなの歌」
     http://nigorobuna.exblog.jp/



◆ニコンのホームページの紹介文

作者は鄙びた里の鎮守の杜の思いがけない美しさに魅せられて、
この8年ほど滋賀県内の観光客の訪れることもないような神社を訪ね歩き、
撮影してきた。

どこの神社も集落の人の月当番が落ち葉を掻き、
下草を刈り、本殿や拝殿の掃除を怠りなく、
清らかに守られていた。

この小さき島国は、歴史始まる以前より台風や地震、
それに伴う大雨、洪水、津波や地滑りなどの天災に遭遇してきた。

古事記などに記される神々については研究している人に任せ、
作者は、神社というのは、
抗いようもなく再々繰り返される災害への恐れから、
安らかに暮らせる日々を願う人々の祈りから
始まったのではないかと思っている。

近年もテレビで映し出される未曾有とか想定外と
表現されるような阪神の震災、東北の震災など、
近くは御嶽山の噴火の様子に胸がつぶれる思いをした。
神戸の震災の折に目にした風景に、
作者は、神はこんなことをしていいのかと胸が震えたが、
そう言いながら、やはり神戸の生田神社は思いのほか早々と再建され、
年の初めには、またの穏やかな1年を神に祈る初詣の人でにぎわっている。

抗いがたい天災に、神頼みではどうにもならないと知りつつ、
それでも頼りたい、頼ってしまう、そんな人々と神々のつながりの
長い歴史を思いつつ撮影した作品である。

モノクロ46点。

   
●新宿ニコンサロン
  http://www.nikon-image.com/activity/salon/exhibition/2015/03_shinjyuku.html#02



◆加藤 國子(カトウ クニコ)

1942年生まれ。
退職後、インターネットでホームページを作り、
琵琶湖の写真を撮ってアップしたのが写真を始めたきっかっけとなる。
一眼でという勧めにニコンD80を購入し、
故安岡孝治氏に2年ほど手ほどきを受ける。
また、いくつかの教室やワークショップにも在籍。
現在は気ままに写真を楽しみ、
ブログ「にごろぶなの歌」、Facebookに毎日写真をアップしている。

主な写真展に、2002年「時の過ぎゆくままに」(コンタックスサロン京都)、
12年「近江風土記 祈りの風景」(滋賀県立近代美術館)、
13年6月同展(ギャラリー PlaceM)、
11月同展(ギャラリーら・しい/奈良県當麻)があり、
大阪写真月間「写真家150人の一坪展」、
ギャラリーの企画展などにも参加している。