今回はプールCに属し、前回大会では初出場ながら1次ラウンド首位通過を果たすなど躍進。今大会でも大番狂わせを狙うWBCイスラエル代表について紹介します。
チームロースター
先発はMLBで実績を残す投手を軸としたローテーションが予想される。
昨年自己最多8勝をマークした右腕、ディーン・クレーマーや昨年韓国で9勝を挙げた速球派右腕、ロバート・ストック。昨年3Aで6勝を挙げた長身右腕、ブランドン・ゴールド。昨年マイナーでプロデビューし、15試合防御率2.35、13.1K/9を記録した左腕、コルトン・ゴードンの起用が有力だ。
リリーフ陣も代表常連組が中心となる。
MLB通算308試合登板、高いゴロ率が武器のグラウンドボーラー左腕、リチャード・ブライヤーや昨年4年ぶりのメジャー登板を果たし、12試合防御率3.38の右腕、ザック・ワイス。前回大会や東京五輪でも代表入りしたジェイク・フィッシュマン、アレックス・カッツ、ジョーイ・ワグマンなど代表常連組のリリーフが揃う。
野手陣もメジャーで活躍する選手や有望株として注目される若手らが軸となる。
打線の軸となるのは、ジョク・ピーダーソン。2度のオールスター選出に加えて、通算171本塁打を放った強打者。今代表の主軸としてチームを牽引したい。
正捕手での起用が有力なのは、ギャレット・スタッブス。昨年自己最多50試合に出場し、5本塁打をマーク。身体能力の高さを評価されており、更なる飛躍が期待されている。
またMLB通算339試合に出場したアレックス・ディッカーソンや東京五輪でも活躍したダニー・バレンシア、前回大会1次ラウンドMVPの捕手、ライアン・ラバーンウェイなどMLBで実績や経験を持つベテラン勢も控えている。
また球団内3位、全体94位の有望株で昨年マイナーで打率.270、18本塁打、66打点をマークしたザック・ゲロフや球団内21位の有望株で昨年マイナーで打率.309、36本塁打、119打点でマイナーリーグ年間最優秀選手に選出されたマット・マービスなど将来を期待される若手も代表入りしている。
前回大会は初出場ながらも韓国、オランダ、台湾を相次いで撃破し、1次ラウンド首位で突破。東京での2次ラウンドでは、キューバを破る大金星を挙げ、日本戦では5回まで0-0の接戦を演じるなど、台風の目として注目を集めたチームだった。
今大会ではドミニカ共和国、ベネズエラ、プエルトリコら前回を上回る強豪を破り、1枠を勝ち取らなければならないという非常に厳しい状況が待ち受けている。
今大会で指揮を執るイアン・キンズラー監督は「この大会は選手としても楽しむことが出来たし、五輪ではイスラエルの一員として戦ったことでチームの特色もわかっている。上位に進むことが出来る競争力の高いチームが組めると確信している」と自信を覗かせている。
強豪がひしめくプールDでサプライズを起こせるか注目だ。
注目選手
ジョク・ピーダーソン 外野手 サンフランシスコ・ジャイアンツ
強豪ひしめくプールD突破に向けて、ポストシーズンなどで勝負強い打撃を見せるジョク・ピーダーソンは大きなカギを握る。
父、兄がいずれもロサンゼルス・ドジャースでプレーした経験を持つ選手で、ピーダーソンも2010年MLBドラフトでドジャースから指名され、プロ入りした。
2014年にMLBデビューを果たすと、翌年からはレギュラーに定着し、2019年には36本塁打を放つなど持ち前のパワーを発揮し、2020年にはワールドシリーズMVPを受賞。
2021年はシーズン途中にアトランタ・ブレーブスへ移籍すると2年連続でワールドシリーズを制覇し、MLB史上9人目の異なる球団でのワールドシリーズ制覇に貢献した。
昨年からはサンフランシスコ・ジャイアンツへ移籍。134試合打率.274、23本塁打、70打点、OPS.874と中心打者として活躍した。
ポストシーズンでの勝負強さは先ほどの2年連続ワールドシリーズ制覇だけではなく、2017年には5試合連続長打の球団記録を達成するなど、抜群と言える。
イスラエル代表の中心打者として、大きな活躍を見せるか注目だ。
ディーン・クレーマー 投手 ボルチモア・オリオールズ
両親はイスラエル人でユダヤ教徒の家系に生まれたディーン・クレーマーが、イスラエル代表のエース格としてチームを支える。
2016年MLBドラフト14巡目(全体431位)でロサンゼルス・ドジャースから指名され、プロ入り。順調にキャリアを進める中で、2018年7月に交換トレードでボルチモア・オリオールズへ移籍。
そして2020年にMLBデビューを果たすと、2022年は怪我で出遅れたが、先発ローテーションに定着すると22試合8勝7敗、防御率3.23を記録し、9月23日にはメジャー初完封を記録するなど本格化の気配も漂う。
イスラエル代表では2016年WBC予選から代表入りし、2017年WBC本選でもマウンドに上がっている。今代表ではさらに成長し、エース格として代表を率いる。
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