公的には、月曜の研修会講師の準備がたけなわで、お尻に火がついてます!
ちょっと月曜夜まで休載します。
でも今日の分のお話は…
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それにしても、大学祭の模擬店って、こんなに忙しいって知らなかった。
現金を受け取るし、緊張する。
一日目が終わり、いったん片付ける。
余ったものを箱詰めにし、運び終わるともう日が落ちそうだ。寒くなってきた。
「さわにい、明日もよろしくね~」などとからかわれながら、学校を後にする。
一瞬でニックネームが変わってしまった。
松山の3人が夕方また来てくれた。
サヤカさんが教えてくれた。2人はついにお付き合いすることになったそうだ。
「ちゃんと告白してくれたので、じゃ考えようかと」
やはりそうだったのか。マコト君よ、頑張ったな。
「私たち、さわにいさんに会えてよかった! さわにいさんなら大丈夫ですよね」
その時は意味がよくわからなかったので、曖昧にうなずいておいた。
「さ、行こうか」
しかし、そのあと真美が言ったことに驚いた。
「今日は私だけお願いします!」
え。
え! 「君たちは?」
「あ…付き合い始めたばっかなので…二人で行動します」
真美だけがうちに来るというのだ。
「そ、それはちょっと大胆な」
「大丈夫ですよ! さわにいさんなら」
「“さん”づけおかしいだろ」ってそこじゃないや。動顛している。
「いや、泊まること自体が…ケージ君が聞いたら気を悪くするだろ…」
「あは、僕らも4人とも成人ですよ! 自分で考えて、決めていいんじゃ? 責任もとれるし」
「いや、何も起こらないよ、起こらないけど」
マコト君がささやいた。
「ケージは仲間だけど…ぼくらはさわにいでいいかなって思ってます」
「なにがー!」
”信用”されてるのか、”期待”されてるのか、どっちだ!
真美が身の置き所なさそうにうつむいてつぶやいた。
「そんなに…いやですか…私…わかりました…」
「い、いやとかそういうんじゃないよ」思わず言ってしまった。
すかさず顔を上げて「じゃあ、よろしくお願いしまーす!」
やられた…
引き受けたものはしょうがない。
相手は中江真美。明るく好ましい女の子だ。
無難に、楽しく過ごせばいいではないか。
臆病な俺は鎧を脱げない。今はそれでいいと思う。
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この物語はフィクションです。