♪探し物は何ですか 見つけにくいものですか
あの、もしかして、プロフィール画像変えたら、新着記事見つけにくいですか?
登場人物イラストもタイトル通り「手描き」なので、ちょっと思い入れがあります。
なので、本文で使ったらプロフ画像にも流用しています。
では本文。
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2年目の学園祭は、クラスで何か出店しようということになった。
「ていうか! みんなの前で何か焼くのがいいの! あこがれてたのー!」
「きんつばやりたい!」
「えー、小豆煮るの面倒…」
「芋きんつばでいいじゃない!」
「では! 出資金募りまーす!」
なし崩しに芋きんつばの鉄板焼きをやることになった。
してこういうノリを崩してはいけない。明日からもこのクラスで平和に生きていきたければ!
自治会と交渉はもちろん俺と外池が窓口だ。
全員が出資金を払うことになり、店の準備が始まる。
「がんばって稼ごー!」おーっ!
箱で大量買いすると単価が安い青果店と渡りをつけ、場所取りと、鉄板焼きの機材とテントの予約をし。
当日の役割も決めて。
準備が進んでいくのであった。
自治委員の方も、当日は1年生に任せて、今年ばかりは楽しませてもらおうと画策している。
大忙しのうちに、何とも心弾む電話があった、中江真美からだ。
「さわにい! 旧都大学祭に行きたい!」
日程と出店を手紙で知らせてあったのである。
「合点だ」
また3人で来るのだろう。
許認可や物資を確認したり、出納を計算したりしている間に、もう学園祭当日だ。
設営されていたテントに朝から材料や物資を運び込む。
調理班の女の子たちはエプロンとバンダナをし、男たちは力業で下ごしらえに余念がない。
さあどのくらい売れるのか。開幕であった。
「いらっしゃいませ~」
「わー芋のきんつばだって~」
「食べようかー」
「こちらも二つ」
「はいー! ただいま」
予想以上の反響。売れ方が速い。
ものがレトロ感を呼び起こすのか。和風なのがキャッチ―なのか。
女性ばかりの店舗なのも印象がいいのか。
父兄の方やOBらしきミドルの方々はかなりの確率で足を止めておられる。
宣伝班の営業もあり、教授陣がまとまった注文をくれる。
なんと1日の売り上げ目標は、おやつの時間を待たずに達成しつつあった。
うれしい悲鳴。
あわてて買い出し部隊が出発し、サツマイモを箱で運び込む。
増産はなんとか間に合った。
そこへ、俺の客人がやってきた。
松山ご一行様。――やはり3人だ。
「さわにい! 久しぶり!」
「ありがとう! あとでまた!」
クラスの女の子たちが一斉に俺を振り向いた。
「へ~」
「さわにい…?」
「さわにいだって~~~!!!」
キャ――!
「さわにい! 手袋とって!」
「さわにい! 粉溶いて!」
「さわにいぃぃ♡味見して! ハイ、アーン」
なんてこった。頭を抱えてしまった。
外池はクールだった。
「どなた?」
「夏研修の仲間だよ。松山のひと」
「ふうん…あの人も文通してるの?」
「あ、まあ…」
「仲いいんだ?」ときた。
「な、なにいってんだよ。あれ、彼氏いるよ」
「凛ちゃんは来るの?」
「来ないよ!」
「私も誰かに手紙書こうかな…」
ふいっと離れてしまった。
なんなんだ。
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この物語はフィクションです。