一般名はインダカテロールであり、いわゆるLong Acting Beta Agonist(LABA)である。
すると、適応は喘息か?と思いきや、適応はCOPDでなのである。
COPDの病態はムスカリン性作用が主要であるため、M1受容体拮抗薬であるスピリーバが広く使われてきた。
この度、β刺激薬がCOPDの治療に新たに参入してきたという事になった。

一つ危惧する事がある。
喘息では現在、β刺激薬だけでコントロールすると予後が悪くなるという事が知られており、β刺激薬(LABA)単剤治療はほとんどされていない。

さらに、喘息とCOPDは診断が難しく、両病態が混ざった状態もあり得るのである。

となると、このオンブレスは使いどころが非常に狭くなるように思う。

オンブレスは確かに、スピリーバよりも高い効果があるようだが、CODPに喘息が混ざった状態だとオンブレス単剤とは行きにくい。
現在はアドエアという合剤が発売されているため、フルタイド+スピリーバ+オンブレスとはなりにくいだろう。

では純粋なCOPDだと診断された場合でもCOPDの治療薬としてはスピリーバがあるため、まずはスピリーバが使われるだろう。それでも改善しないという例にadd onするか、またはスピリーバの禁忌の項に該当するような患者さんだと、スピリーバに代わってオンブレスが投与される事があるかもしれない。

この、オンブレス。吸入デバイスは秀逸であり、スピリーバが横回転であるのに対して、オンブレスは縦回転して中の薬剤を吸入するため、上下どの角度でも吸入できるというメリットがある。具体的には仰向けに寝ながらにして吸入できるという事だ。

以前、整形外科入院中の患者さんにスピリーバの吸入指導に行った時があったが、その時に腰の痛みで仰向けに寝たままの患者さんであり、仰向けで吸入するとスピリーバだとうまく回らなかった経験がある。
しょうがなく、痛いのをがまんしてもらって起き上がってやや下を向いて吸入してもらった。現在ではスピリーバもレスピマットという新たなデバイスが出てそれらの事は解消刺されたが、ドライパウダー式の吸入薬で仰向けで吸入できるのは素晴らしいと思った。

さらに、カプセルが透明という事で吸入できたかどうかが目でみて確認できるという細やかな気遣いもある。

吸入薬というのは吸入できたかどうかが患者さんとしては気になるところなのである。

オンブレスのデバイス+スピリーバの中身だと一番いいな~などと思ってしまう。