Ego -"吾"#55- isticに。そのtalentを誇り、球場を"翔"ける強い打球を魅せよ | Peanuts & Crackerjack

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■ はじめに - 目的と要旨 ■


ここでは、今2014年シーズンにおいて
未だわずかに116打席機会に留まる“small sample size”という中でありながらも

それでも、その参考記録にしか過ぎない
打率をはじめとした2014年度の“統計”指標を安易に元にして
自他共に“打撃不振”と形容され、評価されていることに、

つまりはあたかもその参考記録にしか過ぎない指標が
秋山翔吾選手の現状の“true talent”を示していると
一般的に評価されていること
に対し

真っ向から疑問を投げかけそして否定し

まずは、秋山さんの打撃における能力-true talent-に
陰りや衰えの兆候は観られず、そう判断するには時期尚早である
こと、

つまり現状では立派にNPBにおいて

毎日ラインアップに名を連ね続け
数多くの“打席機会”を与えられるに値し、

また水準をクリアする成績を安定して残し続けることが
じゅうぶんに可能なtalentを維持していること
を証明していきます。

そして続いて、そんな秋山さんですが
現状の、NPBレベルの水準をクリアする成績に留まるのではなく

更に、安定してその水準を大きく超えてくる
“超一流”の選手の水準に到達する
ために

昨2013年シーズンの秋山さんの成績をもとに
様々に切り取り、様々な角度から分析を施していくことによって

現状最優先で伸ばすべき長所はどこかに着目し
そしてその素晴らしさを最大限発揮していくために

打席において、そしてまた日々の準備において

どういった意識をもちつつ
どう創意工夫と改善とに取り組んでいくべきか
について

考察を施していきます。

なお、(多少不完全な部分がありますが)
使用している用語についての詳細は こちら を参照ください。


■ 統計指標とその信頼性 ■


はじめに、秋山さんのNPBデビュー(2011年)から昨日までの年度別成績を
下の表にまとめました。

#55_careerbatting20140521
(※ この表におけるwOBA指標については、ROE-失策出塁-数を無視した簡易版となっております。あらかじめご了承ください)

この表を観る限りでは、2014年シーズンここまで
.178/.278/.267 - .254
(打率/出塁率/長打率 - wOBA)と

確かに、特に2012年そして2013年シーズンの成績
そしてこれまでの生涯成績と比較しても非常に低水準に留まる成績が観て取れますが

ここで最大の、いや唯一といっていい注目点・関心ごと
もちろんのことながら、


はたしてこの2014年シーズンここまでのこの“率”系の統計指標は
信頼のおける指標と評価できるのだろうか?



つまりは


この2014年シーズンここまでのこの“率”系の統計指標は
秋山さんの現状の能力-true talent-を正確に反映したものであって

今後秋山さんの成績はこの現状の成績の延長線上に推移していくものなのか?



ということになります。


まず第一に留意しなくてはならないこと
打率をはじめとした出塁率、長打率、そしてwOBAといった“率”系の指標は

すべて統計学上の指標である
ということです。

簡単に言うならばコインの表と裏が出る確率はそれぞれ1/2であるという
これも非常にわかりやすい“率”系の指標

例えば今回表が出たから次は必ず裏が出るとか、
また2回もしくは3回続けて表が出たから次は必ず裏だとかいったことを示すのではなく

更に言えば野球でも、
例えば長年にわたって安定して打率3割を記録している打者であっても

数試合安打がまったく出ないこともあれば
逆に複数安打を記録するゲームが継続していくことも非常に頻繁にあり


つまりは、統計学上の“率”系の指標の存在意義とは

当然のことながらある程度の波、振れ幅はありながらも

それでも“じゅうぶんな数の母数”が重なっていけば
自然とある一定の値へと収束していく、ということを示し

そしてその“率”系の値こそ、当該現象における
本質を、そして真実をあらわすものである
ということなのです。


ですから、ここで問うべきは


この秋山選手の、2014年度シーズンの
116打席機会という母数から導き出される“率”系の値は

既にある一定の値に収束をみせた後の
信頼できる、つまり彼の現状持てるtrue talentを如実に反映した値なのか



更に掘り下げるならば


野球=baseball における、こういった統計学上の“率”系の指標は
それぞれ、どれくらいの母数を集めれば

安定してその本質を、そして真実を示すものとなりうるか



ということに尽きるということです。


この重要な問いに答えるべく

Pizza CutterMLBにおける各選手の残した成績を

母集団打席)に通し番号を振り
偶数と奇数の2つの集団にわけ

その2つの集団の間のそれぞれの統計指標の相関係数を観ることで

それぞれの統計指標がある一定の値に収束
(=偶数、奇数の2つの集団におけるその指標の相関係数が0.7をクリアする)

本質を示す、信頼できる指標が顔を現すまでに
いったいどれだけの母集団(打席数)が必要か
、について

525,600 Minutes: How Do You Measure a Player in a Year?

という記事の中で様々な考察を施しました。

詳細はその記事を参照していただくとして、

各指標ごとに、値が収束し安定して
本質が浮き彫りになってくる信頼性の高さを示すだけの

じゅうぶんな母集団の数(打席数)はどの程度なのか
、を
簡単に一目でわかりやすいかたちで示したグラフが

When Can We Start To Believe?

という記事の中にありましたので下に転載いたします。

reliablestats

このグラフの中に“AVG”の欄がないことからもわかるように

野球における“指標の王様”として非常に評価の高い“打率”ですが
1シーズンほぼフルに出場し打席機会を与えられた(=600打席)としても

それは未だに安定せず、したがって信頼できる指標ではないことが観てとれます。

今2014年シーズンの秋山選手の成績を観て“打撃不振”と評価される方の大半が
.178という打率を観てそう判断されていることでしょうが

それはまったく信頼できる統計指標ではあり得ず、むしろ

秋山選手の現状を、そしてそのtalentを示すものから
もっとも遠いところにある指標である
と評価できるということですから

そういった評価、心配はまったく的外れのものであると断言できます。

秋山選手の残している成績-統計指標-を少し掘り下げてみても

比較的少ない打席数で安定し信頼できる値となるK%、BB%
2014年シーズンここまでも過去年度、そしてキャリア成績と比べても
多少BB%が増えている程度でありある程度安定しているのに対し

打率と同じく、1シーズンを終えた後でも
信頼できるとは評価できないBABIPの値


今シーズンはここまで.222と過去年度、そしてキャリア成績と比較して
非常に落ち込んでいることがはっきりと観て取れ

打席は大まかに三振か、四球か、もしくは
打ち返した打球(BIP)かの3種類に分類されますから

打率を筆頭に、その打率の影響を大きく受ける他の率系の指標が
今シーズンここまで軒並み非常に低水準を推移している原因


秋山選手のBABIPはシーズン当初からずっと1割台中盤を推移しており
一度ファーム(2nd squad)にいき、再びNPBのフィールド(1st squad)に戻ってきてから
ようやく2割を超すようになったと記憶していますので、そのことも含め

まず間違いなく、BABIPの低さにこそある、と観てとれます。


秋山選手の2014年シーズンここまでにおける
BABIPの低さの要因としてはいろいろな推察が考えられるでしょう。

怪我を含めた身体的な不調
可能性は低いかもしれませんが視力を含めた身体的な衰え

データが蓄積されたことにより相手チーム、バッテリーの攻略が上回ったこと。

そして外部から観察して最も可能性の高いのが
心理的・精神的要因がその持てるtalentを最大限発揮することを阻害していること。


ただし、どのような要因が考えられるとしても

最も重要なことは、秋山さんはおそらく
その原因となる課題を見出し、そして克服する可能性が高い
ということ。


その根拠は、ここまで3年プラスのシーズンで1513打席を経て
.262/.322/.377 - .310
(打率/出塁率/長打率 - wOBA)という

NPB水準をクリアするだけのキャリア成績を収めてきたという実績があるということです。

先ほど打率に関しては1シーズン(600打席)を経ても
安定した、信頼できる値にはならない
と述べましたが

上述の記事の中で Pizza Cutter

-恐らく打率は1,000打席あたりで安定し信頼できる値になるだろう、
つまり生涯成績における打率はそれ以上の打席数を経験しているのならば
信頼できる値と評価していい
だろう-

こう述べているように

この秋山選手の生涯成績こそ
その持てるtrue talentを最も正確に示す値である
と言ってよく

私たちはだからこそそれを“実績”と呼んで
最大限信頼し、そして尊敬する必要がある
と言えます。

もちろん課題を克服できずに、今後もこの低水準のBABIPが継続し
それに引っ張られるように打率など他の率系の成績も
低水準を推移するという可能性も否定することはできません


私たちは、残念ながら実際にそのような選手を何人も観てきました

特に現在の秋山さんについて、
外部から観て最も可能性が高いと考えられる精神的・心理的要因については

それらに阻害されて自らの持てるtalentを思うように発揮できずに
活躍の場を奪われていった選手たちは枚挙にいとまがありません。



それでも、これまでの“実績”今シーズンここまでの成績を比較するならば
どちらが信頼に値する数値であるかは明々白々です。

今シーズンの成績を元に“現状の”秋山選手を判断しようとするならば

最低でも今シーズンが終了するまではひたすら我慢強く
その課題克服を待ち続け、数多くの機会を与え続けるべき
です。

チームの最大の目標は、第一優先事項
目の前の1勝ではなく1シーズンを通しての優勝なのですから

他の未だ信頼に値する“実績”のない、
“未知数”と言っていい選手たちに機会を分け与える
よりも

1シーズンを通してだけでなく、また数シーズンを見越しても
秋山選手の継続起用ははるかに安定性と信頼性の高い選択
です。

秋山選手にはそれだけの“実績”という権利があります。

もちろんチームの1勝1勝の為に、という
大きな要素も当然のことながらあります
から

どの打順で、などといった細かい“場”については
監督はじめ首脳陣の腕の魅せどころ、うまく使ってほしいところですが

重要なことは、現状秋山選手は
2011年産のhomegrown playerとして

浅村さんと双璧をなす
spine of the team(チームの大黒柱)である
ということ、

我慢して起用し機会を与え続けるだけの価値は
現在のところ非常に高い
ということです。


■ “超一流”への成長のために ■


さて、続いては
ここまで立派にNPB水準をクリアしていると評価できる秋山さんですが

今後も、2008年産homegrown playerである
(中村)剛也さんや(栗山)巧さんの後継者
として

浅村さんと共に、spine of the team たるべく

長年にわたってライオンズの屋台骨を背負い
その“顔”として今後も素晴らしい活躍を継続していく
ためには

この現状の成績に満足することなく、

安定してNPB水準をある程度大きく上回る成績を残し続ける選手へと
成長していってほしい
と願うところです。

そこで、2013年シーズンに秋山さんが残した成績を元に
様々な角度からメスを入れ分析を施し

その最大の長所はどこにあるのかを見出し

そして、その長所を最大限活かすために
今後1打席1打席において、そして日々の準備段階において
どのような意識を持って取り組んでいくべきか
を観ていきたいと思います。

まずは2013年シーズンの全体の打撃成績を観ていただきます。

#55_2013battingoverall

なお、最初に示した各年度ごとの成績の表では
2013年度シーズンのwOBA.327となっておりますが

これ以降、より正確にROE-失策出塁-数も算出し含めており
そのため上表でのwOBA.351となっております。ご了承ください。

さて、それではここから様々にその成績を分割していき
秋山選手の特長を浮き彫りにしていきたいと思います。

まずはじめに、右投手/左投手別の成績を。

#55_2013RL

もちろん左投手対戦時の成績が右投手対戦時に比べ
劣っている
ことが観て取れますが、

これをどう評価するかの判断材料として
比較的左投手を苦にしないという評価のある

巧さん
の2013年シーズンの成績を示します。

#1_2013RL

これを観ると、秋山さんももちろん
なんとかNPB水準ギリギリにひっかかるかどうかの成績、貢献度は残している
ものの

今後まだまだ更に成績を向上させ、

相手が左投手の、シーズンそしてゲーム終盤の一打同点逆転の場面でも
代打を送られることなく信頼して打席機会を与えられる選手になるべく

特に打率に観られる、バット操作を含めた技術面を
改善し磨いていく必要がある
と言えます。

ただし、その技術面の向上のためには
もちろん“経験の場”がもっとも重要な要素です。

様々な場面での打席を経験し、対戦を経験して
その中で自ら気付き、創意工夫を凝らして

経験の中で年齢とともに
自分なりの技術を確立させていってほしい
と願います。


それでは続いて、走者状況別の成績を。

#55_2013basestate

この成績に関しては、どんな場面であっても変わらずに
いずれも水準以上の素晴らしい成績を残している
と高く評価できます。

今後もこの水準を維持していくと共に

若く素晴らしい身体能力を維持している現在は
まだまだ余計なことを考えすぎるのは極力避けるべき
であって

優先順位は低く、焦らず徐々に徐々に
じっくりと腰を落ち着けて取り組む姿勢
で構わないものではありますが

大ヴェテランの域に達していくことを大目標に置いて、
その過程で上と同じく、経験を積んでいく中で

状況を冷静に、視野を広く保って見渡し
相手チームや投手の心理状態を含めた現状を正確に、細やかに把握し
最適な選択を見出し、そして的確に実行できる技術を磨き


身体的能力が多少落ち始めたとしても
素晴らしいRISPにおける成績を維持し続けていける
ようになっていってほしいと願います。


続いて、速球系/それ以外 の球種別の成績を。

#55_2013pitchtype

こちらも、比較対象として
2013年シーズンの浅村さんの成績を下に示します。

#32_2013pitchtype

相手チームの投手の球種を観ていくにあたって、
毎日その持てる球種の種類やその軌道を観察し続けているわけではありませんので

細かな分類は不可能であるという技術的な限界はありますが

それでも、速球系かそれ以外かで大きく2種類に分けて
そのそれぞれの成績を観ていくことは可能です。

ここで最も観たいのは、特にまだ経験の浅く若い2人ですから
速球系の球種に対する対応、そして打撃成績
です。

もちろん、浅村選手の速球系そしてそれ以外を問わない
いずれも素晴らしい成績は感嘆に値するもの
ですが

それでもやはり得意なのは速球系であると評価でき

一方で秋山さんの速球以外の球種に対する対応、打撃成績は
なんとかNPB水準付近を記録している
ものの
まだまだ今後も改善していく余地があることは明白でありますが

こちらも速球系の球種に対しては
素晴らしい成績を残している
と高く評価できます。

その上で、結論はこれまでの分析と似通ってきますが

まずは第一に

速球系に対して素晴らしい成績を誇っていることを
大きな自信にし今後もその好成績を維持し
更に向上させてほしい
と願うと共に

その上で加えて

経験を積んでいく中で、それ以外の球種に対する
“球種を絞る”技術やバット操作技術も含めた“対応”技術を

自分なりに磨き、そして確立させていってほしい
と願います。

参考までに、2013年シーズンの秋山さんの
速球系/それ以外 の球種別 Hot/Cold zone
を下に示しておきます。

#55_2013HCzones


そして続いては(最後になりますが)
投球カウント別の成績を観ていただきます。

#55_2013pitchcount

これまでの分析では、いずれも現状に対しては一定の評価をしながら
その上で、経験を積み重ねる中で技術を身につけていくことで
徐々に成長を魅せていってほしい
と述べてきましたが

今回は、徐々にではなく今すぐにでも
高い意識で取り組んでほしい課題を挙げたい
と思います。

それは素晴らしい成績を残している初球で、1st strikeで、
そして浅いカウントでもっと数多くの打球を球場に“翔けて”欲しい
ということ。

初球、.381の打率を残しwOBAも.439と
それ以降の成績を大きく上回り

また球数が増えるにつれ成績も徐々に降下していくにも関わらず

その全体に占める割合はわずかに7%に留まるという事実。

また1st strikeでみても実に.407の打率そして.498というwOBAを残し

次に観ていただく、1st strikeを非常に得意とする
浅村さん
の2013年度シーズンの成績である打率.363、そしてwOBA .456
凌駕していく傑出した成績であるにもかかわらず

こちらもその全体に占める割合は20%に留まるという事実。

更には誰しも苦手とし好成績を残すのが困難な
投手有利なカウント(behind)での勝負を強いられての結果が
全体の27%を占めている
という事実。

以下、比較対象として2013年シーズンの浅村さんの成績を示します。

#32_2013pitchcount

あれだけ初球から、1st strikeから積極的に
弾き返していくことで有名な浅村さん
ですら
初球で全体の19%、1st strikeで35%の結果を残していますから

当然のことながら秋山さんのその割合の低さは
相手チーム・投手の警戒のなせる技ではなく

秋山さん自身の“積極性”に起因するものである
ことが浮き彫りになってきます。

また、投手有利のカウントで残した結果についても
もちろん浅村さんも苦手とするものの、全体に占める割合が16%に留まって
おり

秋山さんはより多く投手有利のカウントに持ち込まれて成績を残し
それが秋山さんの全体の成績の足を大きく引っ張っている
ことが観てとれます。

更に掘り下げていくために
参考までに、対照的に非常に四球が多く
数多く投手に球数を費やさせることを得意としている

巧さんの成績
を下に示します。

#1_2013pitchcount

御覧の通り、初球であっても6球以上であっても
変わらずに素晴らしい成績(wOBA)を維持する素晴らしい巧さん
ですが

それでも打率や長打率はがくんと落ち
それを出塁率つまり四球がカヴァーしていることが

投手有利なカウント(behind)での成績と
打者有利なカウント(ahead)での成績との大きな差
でみても

非常によくわかります。

つまり、いくら巧さんといえども
2ストライクと追い込まれてからの成績は
それまでの成績と比べてガクンと落ちる
ものの

その後であっても、投手有利のカウントから
打者有利なカウントまで持ち込んでいく
ことによって

四球を奪ったり、また安打という結果を残したりすることに
数多くつなげていっている
ということです。

実際、投手有利なカウントでの勝負は
全体の20%に留まり、秋山さんの27%よりも大幅に少ない
ことからも

上述の観察は妥当であると裏付けられると言えます。

この2ストライクを奪われてからでも
打者有利なカウントに持ち込む、巧さんの誇る素晴らしいスタイル
には

もちろんファウルで逃げる技術を筆頭に
様々な高度な状況判断や技術が必要
であり、

そのためには数多くの経験が必要であるということは疑いの余地がありません。


ここで問題となってくるのは、


若き秋山さんが現状、優先して目指すべきスタイル

浅村さん型の、浅いカウントから集中力を高く維持して
好球必打を継続していくスタイル
か、

それとも

巧さん型の、深く的確な状況判断をしつつ
浅いカウント深いカウント関係なく打者有利なカウントに持ち込み
四球を奪って出塁を奪ったり、球種を絞ったりしつつ
甘く入ってくる狙い球を確実に弾き返すスタイル
か、

このどちらにすべきなのか、ということです。

私の結論はこれまでの分析とそれに伴う結論の数々と同じように

今は浅村さん型のスタイルを是非貫いていってほしいということにあります。

冷静な状況判断や確固たる技術といったものは場数を重ね、
酸いも甘いも様々な修羅場をくぐりぬけた経験を経てこそ

ようやく自分なりに気付き、咀嚼し、そして自らの血となり肉となって
自らを支えるものとして確立されていくもの
であり

若く経験の浅い今からそれを焦って
賢く状況判断を、また細かい技術をと求めてみたところで

所詮は付け焼刃、浅い水準のまねごとに留まるものであり
決して継続して素晴らしい結果を残すことに繋がるどころか

逆に、自らを支えている根幹たる素晴らしい身体的能力を
台無しにし、最大限発揮する最大の障害になる可能性が非常に高い
とさえ言えます。

現在の秋山さんの最大の強みは、特長
賢く冷静な状況判断でも、また選球眼などの細かく高度な技術でもなく

その、球場を"翔"ける強い打球の数々にあることを
もう一度強く、強く認識しなおしてほしい。


以下、その打球(batted ball)の spray chart を示します。

#55_2013battedball

チームや自分の置かれた状況や状態に
迷ったり、考え過ぎたりする
ことなく

そういった冷静な判断や高度な技術は
ヴェテランの域に足を踏み入れつつある
2008年産のhomegrown playerである巧さんや剛也さんに
全部丸投げしていい
ですから

今はegoisticに、状況や状態関係なく
自分の魅力を、長所を最大限発揮することだけに集中
すべく

今一度基本に立ち返って、その最大の魅力であり
そして好成績を記録し続けている

ラインドライヴ系の、そうでなくともそれに近い
非常に強く、速いグラウンドボール・フライボールの打球を

初球から、1st strike から、浅いカウントから
右翼方面へと数多く引っ張っていく高い意識を継続していき

そこで数多く結果を残し続けていってほしい
と願います。

2ストライクに追い込まれたら、そこで初めて
さて、ここから如何にして打者有利なカウントに
持ち込んでいくかを大いに悩めばいい。

本来2ストライク・アプローチの正しい姿は
そうであるべきである。


その最大の魅力を特長を最大限発揮することこそが
つまりは、最も直接的に効果的にチームに貢献すること
なのですから

まずは今後、とにかく今はひたすら自分のことだけを考えて、
強くそして速い打球を数多く、球場にそしてフィールドに“翔け”続けていってほしい。


心よりそう願います。