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プロ野球<舌口球>669回

ちょっと言わせてちょうだい

 写真はロッテ一筋に内野手で活躍、1987~89年まで監督もつとめた有藤通世が、1985年に通算2000本安打を達成したとき製作されたものだ。

『土佐のいごっそう有藤通世  母に贈る2000本安打  妻・由香がつづる2000本安打達成までの足跡〝まっことやったぜよ〟記念版』

 著者は有藤の愛妻由香夫人で、文章と写真でつづった「有藤物語」なのだが非売品。なのに、なぜ私の手元にあるのかといえば、有藤ファミリーと親交のあった人がこっそりプレゼントしてくれたからだ。

「ミスター・ロッテ」有藤の2000本安打達成は(1985.7.11)は、史上20人目だった。ところが、この記録達成者はどんどん増え、1956年の川上哲治(巨人)を最初に、昨年の坂本勇人(巨人)までなんと53人!

 さて、その2000本安打だが、今年達成確実なのが西武の栗山巧であと74本。昨年は111試合で101本放っているので、大スランプかケガでもしない限り100%笑顔だろう。

 しかしなあ、厳しい見方をするけど、この2000本安打って「大記録」なのかなあ。なにせ53人もいるんだぜ。20人や30人ならわかるけど。だから通算安打の「大」がつく記録といえば、2500本以上だろうな。なにしろ、この記録は史上唯一3000本安打の張本勲以下、野村克也、王貞治、門田博光、衣笠祥雄、福本豊、金本知憲の7人しかおらんのだからね。これこそ「大記録」ってものだろう。ちなみに坂本の通算安打は2003本だが、果たして引退までに2500本まで届くのだろうか・・・。

 話は一変。今年は〝元選手〟の殿堂入りはナシに終わった(大リーグも)。う~ん、ナゼだ。昨年のいまごろ、田淵幸一氏が殿堂入りした際、私は2013年に亡くなった「土橋正幸氏が先だろう」とここに書いた(第618回)のだが。その土橋氏は今年も得票が足りず、またも残念に終わった。その土橋氏のエピソードは618回を見てもらいたいのだが。

 草野球から東映にテスト入団。人並み以上の努力で大活躍し通算162勝。同チーム初優勝(1962年)に貢献し日本シリーズMVPの他、1試合9連続奪三振、1試合16奪三振、56イニング連続無四死球などの快記録。そして引退後は日拓、ヤクルト、日本ハムの監督もつとめた。こんな土橋氏がいまだに殿堂入りしていないとはなあ。来年こそ必ずと願うばかりだ。

 さて最後は年俸9億円の田中将大(楽天)と8億円の菅野智之(巨人)だ。私が思うに、こりゃあちょいともらい過ぎ、球団は払い過ぎって感じだね。

 そこで言いたいのは、この2人がどれだけ社会貢献するかだ。三振1個につき10万円、いや、もっと高くていい。とにかくどこそこに寄付しなさいってこと。三振にこだわらず、一気にまとめて1億円だっていいじゃないか。

 そしてマウンドでも、年俸にふさわしい大活躍を期待したい。大活躍とは2人揃って最低15勝!それに加えエースらしく完投が誰よりも多くなくちゃあねえ。田中が2013年に24勝0敗というとてつもない記録をマークしたときでさえ8完投だったのだから。

 一方、昨年14勝2敗で最多勝・菅野はわずか3完投。大野雄大(中日)の10、西勇輝(阪神)の4完投より少ないでは最多勝らしくないってもんだ。エースとはいえ、完投しなくてもいい今の時代だが、年俸9億、8億なら最低でも15勝+10完投という堂々たる成績で胸を張ってもらいたい、と声を大にして言いたいなあ・・・。