舌口球<第233回>プロ野球なんでも始め物語(34) | プロ野球<舌口球>

舌口球<第233回>プロ野球なんでも始め物語(34)

フレッシュオールスター・ゲーム


 2012年のフレッシュオールスター・ゲームは、7月19日、ハードオフ新潟で行われる。が、これは「ジュニア・オールスターゲーム」という”名称”でスタートしたのが始まりだった。それが、現在のように「フレッシュオールスター・ゲーム」になったのは1998年からのことだ。

 それに、スタート時から1977年までは、一軍オールスターの前座だった。たとえば、その77年は一軍の第2戦が行われた西宮球場で昼間はジュニア、夜は一軍という具合で、現在まで毎年1試合(64年のみ3試合)。


 さて。将来期待の若手による、この”二軍オールスター”が、最初に行われたのは、1963年7月24日(神宮球場)だった。

 ウエスタン=000 000 000|0

 イースタン=001 010 00x|2

 晴れの暑い中での”熱戦”だったが、イースタンがモノにし、勝ち投手は先発で3イニングを2安打3三振0封の種部儀康(巨人)、MVPは3回裏に先制タイムリーを放った河東真(巨人)。そして、負け投手は、二番手でマウンドに上がり、その河東に打たれた”マッシー村上”こと村上雅則(南海)だった。その彼が日本人大リーガー第1号になったのは翌64年のことだった。


 ところで、前述のように前座から独立して行われるようになったのは、1978年からだが、MVPに賞金100万円もこの年から。これを最初に手にしたのは、後に盗塁王にもなった屋鋪要(大洋)だ。


 そして1979年にはこんなこともあった。7月21日の土曜日、横浜球場で午後3時にプレーボールとなった熱戦。結果は――

 ウエスタン=110 000 000|2

 イースタン=002 120 00x|5

 MVPは4回裏に決勝本塁打を放った加倉克馬(西武)だったのだが、イースタンの四番・三塁の落合博満(ロッテ)は4打数3安打1打点で打撃賞を手にし、扇風機とビール1年分をゲット。そして、イースタンの四番手で登板し、3イニングを無安打4三振の快投を演じた江川卓(巨人)は最優秀投手賞で、ビデオコーダーとビール1年分頂き。2人ともプロ1年生だった。落合が初の首位打者になったのは、それから2年後の81年、江川が最多勝を獲得したのは翌80年のことだった。いやあ、懐かしいですなあ・・・・。