舌口球<第141回>プロ球界「たった1人の男」③ | プロ野球<舌口球>

舌口球<第141回>プロ球界「たった1人の男」③

たった1人でトリプルプレー!


 まあ、なんですなあ。熱戦をくり返した日本シリーズは、レギュラーシーズン3位のロッテが勝ってウハウハでしたね。でも何か違和感がありますよね。そのうち、3位同士の日本シリーズなんてことがあるかもしれませんなあ。

 また、日韓クラブチャンピオンシップでもロッテが勝ちました。そして、ファーム日本選手権でもロッテが阪神を下し日本一でした。でも、でもですよ。このいずれもが、たったの1試合です。こういう試合は、少なくも3試合はやるべきでしょう。そう思いませんか? こんなことを、一体いつまで続けようと思っているんですかねえ、プロさんは・・・。


 さて、ここで今回の本題。10月2日の横浜戦で巨人がトリプルプレーをやってのけました。3回表、無死一、二塁。横浜・内川の三ゴロを捕った脇谷がベースを踏み、それから二、一塁と転送し、アッという間に3アウトって具合でした。このようにトリプルプレーは、1人でできるものではありません。

 ところが、プロ野球誕生70余年。たった1人、それを実現した男がいるのです。阪急の住友平です。1967年7月30日、東京球場での東京戦ダブルヘッダー第1試合のこと。

 2回裏、東京は無死一、二塁のチャンス。ここで打席に入った大塚弥寿男のとき、ヒットエンドランのサイン。走者2人が一斉にスタートしたが、大塚の打球は二塁への小フライ。それを住友は捕球するや、ベースを踏み、そこへ走ってきた一塁走者にタッチして、まさにアッという間の3アウトとなったという次第。

 1人でトリプルプレーなんて、もう奇跡的でこれからも見ることはできないでしょうなあ。