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兄貴分の気が変わらないうちに現金を持って早く帰りたかったオレは
ガラじゃなかったが右手を差し出した。
握手することで契約成立という雰囲気を作りたかったからだ。
しかし兄貴分はオレの右手を握ることなく話始めた。
「すみません・・
確認することがもう少しあります。
何千万の話ですのでご理解ください」
柔らかい物腰で落ち着いた話し方は変わらないがさっきより明らかに目が鋭くなっている・・
「正直に言いましょう。
今日この後1人、明日は3人の方と同じようなお話をする予定です。
当然みなさんに負けた場合の保証の話もします。
額もみなさん同じようなものです。
もし負けたら3000万×5で計算しても1億5000万程の保証金が必要ですよね!?
しかし我々が持ってきたのはこの3000万だけなんです」
そんなことだろうと思っていないワケではなかった。
バカボンパパのような考えの人が世の中にいないワケじゃない。
あなたの周りにもたくさんいるだろうし、オレの周りにも当然いる。
いるにはいるのだがカネを持ったバカボンパパは滅多にいない。
気前が良さそうに見えるバカボンパパは実はパパを装っている場合が多い。
「保証はできない・・んですね!?」
そう言いながら半分立ち上がりかけたオレを見ることなく兄貴分は話を続けた。
「獏さん・・1度でもあなたに預けたんです。
保証しないワケがない!
でも安心しました。
本当に悪いヤツなら1億5000万なんて関係ない。
獏さんに保証するのは3000万なんだからその3000万があるならそれでイイって考えます。
そんな獏さんには言い辛いですが私らは悪人なんです。
幸いこれからの会うお客さんは全員初めてじゃありません。
2回目、あるいは3回目の人達ですので保証するカネは見せさえすればそれで納得します。
ですから他の客に見せ終わった後・・獏さん、あなたに預けます」
こう言い終わるのとほぼ同時に兄貴分はオレに右手を差し出した。
オレが力強くその手を握り返したのは言うまでもない。
喫茶店を出ると車まで送ると言う。
ある方法を使えば陸運局で車のナンバーからその所有者が簡単に判るらしい・・
きっとナンバーを確認するつもりなんだろう。
「何回も聞いてしまいますが・・
保証金は本当に預けてもらえるんでしょうか!?
自分で言うのもなんですが・・
どこの誰かも判らないヤツに預けてそのままってことは考えないんですか!?」
「もちろんそりゃー考えますよ・・
まぁ、こういうことですから全部がイイとか全部がダメって話じゃない。
人によりますが大丈夫です。
あなたはそんなマヌケじゃないはずだ。
だから安心してあなたに預けますよ!」
やはりバカボンパパなのか・・!?
それが判明したのは駐車場に着いたその時だった。
「それとお渡しする日ですが・・」
バカボンパパじゃなかった・・
兄貴分は冷徹なゴルゴ13のような男だった。
今度こそ次回完結!
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