※野球賭博は違法です! このブログは野球賭博を勧めるものではありません。
15年か20年程前に流行ったヴィトン・・
肩ひものついた円柱型のボストンバッグだった。
弟分はこのヴィトンのバッグを手に戻って来てそれを兄貴分に渡した。
それを受け取った兄貴分も中身を確認せずそのままオレに手渡した。
現金だ!
手触りで判ったとかファスナーが少し開いていて見えたとかじゃない。
そういうヒントは一切なかったがオレはそう直感した。
「3000万あります。
これを賭けてくれというワケじゃありませんよ。
保証です・・万が一負けた場合の・・」
兄貴分の言葉にオレは返事をせず目を逸らしながらタバコに火をつけた。
言葉を探している風な表情を作りながら、しかし頭の中ではこう考えていた。
「アホや!アホや!!アホや!!!
バカボンパパなみの超ド級のアホが
バカボンを連れてオレのために東京から来てくださった!
ああ神様・・
こんなオレのために・・
本当にありがとうございます!」
普段神を信じないオレだがこの時ばかりは神に感謝した。
感謝しながら同時に表情を変えない努力もした。
勝つ方を教えるから儲けの半分を寄こせと言う男が目の前にいる。
その男はもし負けても全額保証すると言ってオレに3000万手渡した。
負けるリスクが無い博打・・
本来なら9割バックの条件でもこちらから頭を下げてお願いするような話だ。
バカボンパパはカネを手渡した際
「これを賭けてもらう訳じゃありませんよ」
と言ったが賭けるも賭けないもオレに元金全額を預けるわけだから
自分でBETするのと何ら変わりないのだぁ~。
ただオレが代わりにBETしてやるだけ・・
それで儲かったら半分やるとパパが言っている。
こんなおいしい話は
一生の内にそう何回もあるもんじゃない。
だから顔の筋肉が緩んでしまう・・
どうしてもニヤニヤしてしまうのだ。
だからニヤニヤしていてもおかしいと思われない言葉を探した。
言葉を探したが結局ニヤニヤしちゃってるもんだから
ネガティブな話や真面目な質問はできずホメるしかなかった。
「いやぁ、さすがですねぇ~(笑)
八百長ってのは考えるのは簡単です(笑)
しかし実行となるとそう簡単にできるもんじゃありません(笑)
特にプロ野球ともなれば選手はサラリーマンの何十倍っていう年棒を取ってるワケで
そいつらを手足のように使おう思うたらそれなりのカネか弱みかが必要(笑)
計画しても滞りなく実行できる自信がなければここまでできるはずもないワケです(笑)」
オレはバカボンパパの気が変わらないうちにこの現金を持って早く帰りたかった。
だから(ニヤケ顔で)こう切り出した。
「もうこちらからお聞きすることはありません。
最低条件の3000万も額に変更がなければキッチリさしてもらいます。
是非仲間に入れてください」
オレはガラじゃなかったが右手を差し出した。
契約成立という雰囲気を作りたかった。
しかし兄貴分の右手がオレに差し出されることはなかった。
「ニヤニヤしすぎたか!?」
・・スミマセン。
イイところなんですが仕事が入ってしまいました。
すぐ続きにかかりますので少々お待ち下さい。
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