Spirit Magazine Zero  | “Mind Resolve” ~ この国の人間の心が どこまでも晴れわたる空のように澄みきる日は もう訪れないのだろうか‥
    
    『二人だけの雑誌』 ~ 今この時代この瞬間、“それ”を見た すべてのひとへ捧ぐ。 
    
    
    さっきまで見ていた夢の中で 
    とある雑誌を立ち読みしていた 
    もう誰も読まなくなった雑誌 
    そこに君の特集が載っていた 
    驚いたよ 
    表紙から何から すべて君についてのことが書いてあった 
    その場からスグにでも盗み去るように 
    持って帰りたかったんだけど 
    夢の中で誰かが呼んだので 
    その雑誌はまた そこへ置き去りにされてしまった 
    
    ついさっきまで見ていた夢の中で 
    懐かしげな雑誌を手にする瞬間があった 
    あれからもう何年も経った 
    君のことを想いだす人もいなくなった 
    哀しいけど 
    世の中を見わたすかぎり 君の近くには誰もいない 
    欲しかった旧いレコードも忘れ去られるように 
    どこかのお店には まだあるのかもしれないけど 
    喉が渇くと誰もが目醒めてしまうので 
    あの夢には まだつづきある途中なのに薄れてゆく記憶の数々… 
    
    さっきまで目を瞑っていたはずの時間の中で 
    とある夢の断片を覗く者がいた  
    もう誰も必要としなくなった特集と広告のページ… 
    そこに君の全貌が描かれていた 
    手に入れたかったんだ 
    言葉たくみに君そのものを騙してきた人たちとは別だよ 
    「そう信じたい」と希うばかりで 
    なにも応えることもできず足踏みしてる連中も多いけど 
    たとえ火にくべられ 灰になったとしても 
    方角を間違えるほどの夜道を歩いて朝を迎えようとしたことに偽りはない 
    
    さっきまで見ていた夢の中で 
    A4サイズの普通の雑誌を立ち読みしていた 
    もう誰も覚えていないようなタイトルの雑誌 
    そこに君の特集が在ったよ 
    驚いたことに 
    紙の材質から何から すべて君の匂いしか出てこなかったんだ 
    その場から誰に許可を得ることなく 
    盗んで逃げてしまえば善かったのかもしれないけど 
    夢の中で誰かに呼ばれた次の瞬間から 
    それはまた いつか見つけられるまで山積みにされている 
    
    きっとな。 
    
    
    
    
    
    
    
       ということなので、命の更新、つづけてください。 
    
       また おねがいしますよ。