7月22日


京都市西京極
総合運動公園陸上競技場兼球技場

観客数3206人



京都サンガFC1-2アビスパ福岡


14分有田(京都)、24分酒井、

27分末吉、



京都サンガFC


,,,,,,有田,,,宮吉


,駒井,,,,,,,,,,,,,伊藤

,,,,,,原川,,,田森


,船瀬,バヤリッツァ,下畠,,,内田

,,,,,,,,,清水


アビスパ福岡



,,,,,,,,,酒井


,金森,,,鈴木惇,,末吉,,,,城後


阿部,,,,,,,,,,,,,,,,三島
,,,,亀川,,,堤,,,田村

,,,,,,,,中村航輔





京都戦は石丸監督がアビスパを研究して
対策を練って試合を優位に進めますが
点を取れる選手がいたかどうかが
勝負を分けた試合さなりました。



アビスパは自陣にブロックを作り
スペースを埋めて
低い位置でボールを奪う
守り方をしています。

具体的には1トップと
2列目の2シャドーとボランチ2人が
パスコースを限定して
相手が強引にブロックの中に
入れてきたタテパスを
後ろの5バックが前に出てカットに行く
守備です。



そこで京都はまず
ロングボールで有田と宮吉が裏を狙い
両サイドの駒井、伊藤のドリブラーに
積極的にドリブルを仕掛けさせ
ブロックの外から攻撃して
アビスパの選手の意識を
ブロックの外に向けさせて
ブロックの中の圧力を下げる手を打ちます。


アビスパのブロックの中の圧力が弱まって
少しコースを限定する動きや
1トップ酒井の運動量が落ちた所で
今度はアビスパのボランチの裏の
つまりブロックの中で
FW有田、宮吉に
タテパスを入れていきます。

これにアビスパのDFが
タテパスの受け手の足下に食い付いて来て
アビスパのボランチが後ろ向きになった
ところで
ワンタッチでDFをかわし
サポートのボランチやSHが
ボールを受けます。

アビスパのボランチが後ろ向きで
その後ろから出て来た
京都のサポートの選手が
フリーになった所で
京都の他の選手が
アビスパのDFが食い付いて空けた裏の
スペースに走り込んで
そこにサポートしたフリーの選手から
パスが出てチャンスを作って
いました。


さらにSHの駒井と伊藤が中に入って来て
タテパスをアビスパのボランチの裏
ブロックの中で受けて
ワンタッチでサイドから付いて来た
アビスパのWBを外し
アビスパのWBが食い付いて空けた
サイドの裏のスペースに
FWや右SBの内田がランニングして
ボールを受けてチャンスを作りだそうと
していました。



アビスパの守り方である
ブロックを作ってスペースを与えず
タテパスに対して
DFが前に出てカットに行く
守備を逆に利用されて
より危険な裏にスペースを作られて
しまいます。





30分くらいまではこれで圧倒されますが
30分以降はブロックの外を使う裏や
サイドにパスを供給していた
京都のボランチ原川に酒井、鈴木惇、
もしくは末吉が距離を詰めて寄せて
自由を奪い
京都のサイド攻撃や
裏を狙う攻撃の芽を摘みました。


結局これによってブロックの外を使った
攻撃が激減して
京都の攻撃が中央に集中し
アビスパのブロックの圧力が強まり
ブロックの中のスペースが狭くなって
京都がブロックの中で行う
ワンタッチの精度が落ちて
ワンタッチを使ってDFを外すプレーや
サポートした選手がフリーになる回数も
少なくなります。


原川がボールを捌けなくなり
サイド攻撃や裏を狙う攻撃が
無くなっただけでなく
CBバヤリッツァがじれてボールを持って
ボランチより前まで上がって来たので
京都のリスクは大きくなっていました。 

しかしアビスパはカウンターで
そのスペースを使えず
後半に追加点を奪い試合を決める事が
出来ません。

京都もシュートの意識は高く
ミドルを次々に打って来ましたが
やはり可能性は低く
試合を通して京都がボールを持って
押し込んでいましたが
決定機は少なく
アビスパもウェリントンの個の力を活かして
2回ほどチャンスを作りましたが
決めきれず
そのまま試合が終了します。


ウェリントンに関しては
別格のフィジカルと周りを使う上手さも
持っています。

中原貴之や酒井では無理な状況でも
ウェリントンであれば相手DFを背負って
屈強なフィジカルでブロックして
リーチも長く懐も深いので
狭い所を速いパスで強引に足下に入れても
ボールを収めてくれます。

相手DFからすれば真後ろに入ると
ほぼノーチャンスの状況になるので
マークが付いていても
ウェリントンの足下にボールを入れて
信じてサポートすれば
DFをブロックしながら余裕もあり
周りもよく見えているので
ワンタッチのタイミングでランニングしても

長崎戦のワンタッチをつないで作った
鈴木惇のエリア内での
右足シュートの場面のように
チャンスの起点になれるので
ウェリントンに当てて
その周りを追い抜いて行くシンプルな
攻撃を増やしていくべきでしょう。

ウェリントンの場合ハイボールより
足下に入れてあげた方が
楽にキープできるはずなので

ボランチから
残っているウェリントンの足下に
普通の選手では収められないくらい
速いボールを入れて
シャドーがサイドのスペースを駆け上がる
攻撃をパターンとして
確立すれば

シャドーに入る
金森、城後、酒井、坂田、平井も
スピードがあるので
シンプルだからこそ
フィジカル能力の差は大きく出るので
面白いでしょう。

パスワークを入れて複雑化すると
パスの精度や動き出しの質など
他の部分も要求されるので
フィジカルの良さが薄れてしまいます。


京都の右SB内田は亀川と似た特長を持つ
左右両サイドできる素晴らしい選手で
運動量、スピード、サポートの速さ
タテと中を使い分けるドリブルなど
優れた部分がたくさんあります。

その代わり亀川と同じく
周りが見えてない事が多く
外から中へのパスの精度や
アシストの精度が悪く
突破してチャンスを作っても
決定機につながらない場面が
数多く見られます。

逆に途中から入った石櫃は
右足のキックの精度が非常に高く
突破しなくても低い位置から
アーリークロスや外から中へのパスで
チャンスを演出できる選手で

相手陣内深くまで突破できる
左WB亀川がいて
右WBが低い位置からチャンスを
演出できてビルドアップも得意な石櫃なら
アビスパは展開力のあるボランチがいて
前の選手に高さもあるので
面白い攻撃が出来そうです。