「沖縄と謂う“鏡”」-混迷する沖縄知事選への視点- | ーとんとん機音日記ー

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山間部の限界集落に移り住んで、
“養蚕・糸とり・機織り”

手織りの草木染め紬を織っている・・・。
染織作家の"機織り工房"の日記

波羅蜜


秋の入り口だというのに、気温が低すぎると思います。
なんだか、もう晩秋という雰囲気ですね。

 三重県の軽井沢と、わたしが呼んでいるこの地域では、夜になると、もうすでにすごく寒い。
それに、明け方には、さらにもう一段ほど冷え込むのだから、秋と云うより冬のことを意識してしまうような今日この頃です。
 おかげさまで、工房見学や、いろんな問い合わせをいただくのですが、養蚕を終えた後も、いろんな事で忙しく、ご希望に添えないことが多くて、申し訳ないことだと思います。

 ここ数年は、蚕を飼って、繭から絲をひくというところに重心があるようなことで、その一年のローテーションに見極めがつけられるまで、結構いろいろ大変だったのですが、大体の流れができてきたので、すこし楽になりました。けれども、何をするにしても「天気のご機嫌次第。」なので、この頃の季節の廻りの不安定さは、わたしを悩ませるところです。



 ところで、先日、喜納啓子さんから、お電話をいただきました。
最近、体調を崩されていたので、心配していたのですが、お元気そうだったので安心しました。そして、近況のやりとりを交わした後に、話題に上ったのが喜納昌吉さんの事でした。

 近頃、喜納昌吉さんは、知事選の件で、渦中の人となって、報道されていますが・・・。外から見ていると、「ほんとに、大変なところに巻き込まれてしまったな。」という感は否めません。なぜなら、この「辺野古基地移転問題」というのは、日本が抱える矛盾の縮図のように、今の日本を象徴しているようなことになっていて、「絡み合って解けなくなった糸球」のようになっているなと感じるからです。

 けれども、「絡み合った糸球」でも、根気よく、すこしづつ解いてゆけば、何とかなるものなのですが、・・・。

 残念ながら、この問題では、「絡み合って解けなくなった糸球」のようにしておいた方が、自分たちの主張に利するとか、駆け引きがしやすいとか、内々の合意で決着をつけやすいとか、さまざまな思惑が取り巻いて、さらに複雑なことになり、普通の人から見れば不穏で近づきたくない「謎の物体」になってしまっているような気がします。

結局、もともとは、民主党が政権をとったときから、基地移設問題の迷走が始まり、今日に至っているのですけれど、沖縄県民ではない立場から見ていても、先ほども申しましたように、「日本の縮図だな。」と思うのです。

(1),開発と自然環境の保護。
(2),防衛力と、領土領海と領海内の海洋資源の独占的な確保のこと。
(3),地域の振興。
(4),選挙公約と、その遵守。

 もちろん外交の問題としての基地問題や、日本とアメリカの関係性の展望などのことがありますし、沖縄の歴史の中の基地と云う負の部分が、県民感情の中で澱のようにあるのだろうとは思いますが、・・・。

 日本人である以上、目を凝らして見つめておかなければならないのは、特に『(4),選挙公約と、その遵守。』というところについてだと思うのです。

 最近、政務活動費の不正使用で話題になった、野々村元県議の事のように、地方議会の堕落が蔓延しているように思いますが、それ以上に、政権をとったら『選挙で掲げた公約は、ひとつの政治努力する目標の表明に過ぎないのだから、必ずしも遵守しなければならないという事ではない。』という風潮が、根本的には、議会制民主主義への不信を招き、“政務活動費の不正使用”のような議員さんの中でしか通用しないような常識を助長してきたのだと思うのです。

『守れもしない公約を掲げて、支持してください。』といわれても、そういう『詐欺』が横行しているような選挙なら、『有権者は、だれに投票したらいいのか判断ができません。』

有権者の健全な選択権行使の環境を担保できないのなら、「議会制民主主義」なんていう制度に意味があるのでしょうか。?
また、誰に入れてもいっしょで、後々に、政界と云う場の内々の談合で、結果が決まってゆくのなら、「議会制裏談合主義」と申したらいいでしょう。

 喜納昌吉氏が主張すること全部に、同意する立場ではなくとも、今回、止むに止まれぬところに押し込められて、出馬を決意するに至った事情には、共感するところがあります。
 議員や首長の選挙に出馬しようとする人々が、「議会制民主主義」について、どのように考えているのかが、沖縄県の知事選を通して明らかになってきます。

 「議会制裏談合主義」で決められた事の負担は、国民へと向かいますし、「議会制裏談合主義」で歪められた正義は不正義となって国民に襲い掛かります。

 いろいろ論点はありますけれど、『守れもしない公約を掲げて、支持してください。』ということを、有権者が、「仕方ないね」と許しているかぎり、日本の「議会制裏談合主義」は改まることはないまま続いてゆくのでしょうね。


・・・・・・・・・・・・《考えるためのリンク集》・・・・・・・・・・・・

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