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明日への轍

齢五十を過ぎて、ある日大腸がんが見つかる。
手術から回復したと思った一年後、肝臓と肺へがんが転移。
更に続くがんとの付き合いを記録します。

一回目の抗がん剤治療では、余り副作用なるものを意識することは無かった。
思い出せば、退院翌日に出勤したのだが、通勤途上で気分が悪くなって腹痛がしたので途中下車して駅のトイレに駆け込んだ。その後、二度ほど下痢でトイレに行ったが、その後は回復して仕事に出かけられた。
その程度だった。

だが、今回は明らかに違った。薬に説明書にある症状が諸に出た印象だ。
分類すればこんな感じ。
①下痢(すぐにトイレに行きたくなるが、便が出ない)
②吐き気
③手足のしびれ
④発熱、疲労感
⑤骨髄抑制(白血球・血小板の減少)

まず、②であるが今回の入院治療二日目から何度もトイレに行きたくなった。
しかし、便秘のようになかなか便通がない。当初はウサギのウンチのようにコロコロ状のものが少量出たぐらいだったが、その後全くでなくなった。
病院の食事は二千カロリー位ではあるがちゃんと食べていたのにである。

③のしびれは冷たいものを触ったり飲んだりした時に如実に感じた。
それ以外の時にはしびれは感じるときはなかった。

今回、退院してから自宅に帰るまでが酷かった。
①の下痢は地下鉄の駅に着いた時から始まっていたように感じる。
平日四時頃の時間であるから座って帰れたが、途中から息が荒くなってきて気分が悪くなり吐き気を催してきた。お腹も痛かったのでやはり途中下車してトイレに行ったが、やはり出なかった。
しばらく休んで、やっと電車で地元の駅まで着いた。
とても歩けない状態なので、タクシーにのったものの、ずっと荒い息をしていた。

自宅に戻りすぐに寝た。 疲れていたのであろう二時間ほど寝た。
その後起きだしてはトイレに行き、再度、トイレに行き、十回以上行っただろうか。それでも出ない。
お腹はパンパンに張っていた。気分も悪い。
風呂に入ったり、無理やりラジオ体操で体を動かしたりしたが変わらなかった。
夜中に目が覚めて三回ほど起きてトイレにいったもののやっぱり出なかった。
熱を測ると37.8度あった。④の発熱があった。

翌日は会社を休んだ。
行けるかなとも思ったが、大事を取ったつもりだった。
大腸が動いていないのが原因だろうと考えて、散歩したりお腹を擦ったりしては何度もトイレにいったが、やっぱり出なかった。

午後になって徐々にお腹が動いている感覚がした。ガスも少し出るようになった。
トイレでは便は出ないが下血があった。
下血と言っても真っ赤な血ではなく血液の混じった体液と言う感じのものであった。
以前、大腸の手術の後で使用していた尿とりパッドが役立った。

何も食べないのもよくないだろうけども、お腹に優しいものとして素うどんを食べた。
ちょうどよかったかもしれない。
疲れていた。
ちょっと寝るつもりでいたら、夕方四時から八時まで四時間も寝てしまった。
夕飯は、再度、素うどんで過ごし、リンゴとウーロン茶を飲んだ。

夕方に寝すぎたので夜は寝れないかと思いながら11時過ぎに布団に入ったが、朝五時まで寝てしまった。やはり疲れているのであろう。
相変わらずトイレ通いは続いたが、徐々に血液の混じった体液は減っていった。
朝食は通常のようにご飯とみそ汁とベーコンエッグで食べた。美味しかった。
トイレの頻度も大分落ち着いてきた。そして柔らかいけれども通常の便通があった。
これで症状の落ち着くだろうと思われる。

一回目の抗がん剤治療ではほとんど症状が出ず、安心していた。
しかし、期待を裏切ることなく副作用は起こった。
それも薬の副作用を説明する資料そのままの副作用であった。
今のところ頭髪には異常は見られないが、これも説明通りに影響されるのかもしれない。

⑤の骨髄抑制については、二回目である今回の抗がん剤治療の初日の採血で、白血球の値が4100で血小板は22.8であった。いずれも治療前までは至らないが、標準値に戻っていた。
当初、甘く見ていたが、「副作用は2回目、3回目から出ることが多い」と言われた通りの事となった。
途端に、抗がん剤治療が憂鬱で嫌なものに思えてきた。
成程、これは確かに辛い治療である。
半面、抗がん剤が身体に影響を及ぼしている事は確実であるのだから、出来れば癌細胞にも有効に働いて死滅させていってくれることを願いたい。
今回で二回目の抗がん剤治療入院である。       
前回と同じように九時に病院に来て検査・診察があった。
採尿、採血、レントゲン、心電図、そして問診である。

一番気になるのは、白血球と血小板の数である。抗がん剤の副作用で、数値が下がると言う事だった。
先週の土曜日に外来で採血されて検査した結果、一回目の抗がん剤治療の前と比べて、確かに白血球と血小板の数が減っていた。結果のシートを見せられて成程と思った。

白血球の役割は、身体に入ってきたウイルス等をやっつけること。
だからそれが少ないと風邪もひきやすい。
血小板の役割は、出血を止めること。これも怪我をしたらよろしくない。
両方とも大事な役割を果たしているので疎かにはできないという事だ。

この影響は抗がん剤治療後、十日前後に影響が出て、二週間から三週間後に戻る。
白血球に関しては数値が2000位まで下がると抗がん剤の治療は数値が元に戻るまで中止されるらしい。
今回の入院前の検査では問題ない数値だったのだろう。

同じ病院であるが、今回は差額ベッドだった。一日当たり二千円位かかるらしい。
何が違うかと言えば、ベッドが電動で冷蔵庫が付いている、それとキャビネの上の段に物入れが付いている。それ位だと思う。
だが、ベッドが電動であるのは大きい。
差額のない部屋は手動式のベッドだったので、一々高さを調整するために動かねばならないし、これを看護師を呼んで変えるのは面倒だし気が引ける。

今回は三つ穴コンセントの不便を解消するために変換プラグを買ってきた。
これで談話室へ行っても輸液のバッテリー充電ができるので、ベッドに縛られなくて良い。
一日中ベッドに居る事は、座ったり寝ていたりするけれども苦痛なものだ。気分転換もできない。

今回は隣に自転車で転んで腰を打ったおじいさんが寝ている。
近隣の人らしく江戸弁が小気味いい感じでしゃべる人だ。
だが、ベッドで寝たまま起き上がることが出来ないらしく、排泄もベッドでしなければならないため看護師に介助してもらっている。
奥さんが見舞いに来ても偉そうにいつも威張っているが、流石に下の世話を他人にしてもらう事は決まりが悪いと言っていた。だがどうにも仕方がない。
諦めているようだが、普段偉そうにしている人には不本意であり、情けない思いだろう。
しかし、隣で排泄や処理の音を聞かされるのは嬉しくない。出来れば食事時は止めてほしいものだ。





 

短期入院だけれど、三日目になった。夕方まで点滴は掛かった。

やはり、頻便になって大分柔らかいものがでたことから、いつもとは違うと感じた。

お腹に差し込みを感じることがなんどもあったり、排便終了後もなんとなく残留感があり、程なくまたトイレに駆け込むなどしていた。

 

夕方五時近くに点滴が終わった。 さすがに疲れた。

でも、投薬による体への負担で疲れたというよりも、不自由さへのストレスによる疲れが大きいような気がした。 普段よりもベットで寝ている時間が長かった。これも苦痛なんだと感じた。

 

次回は二月の1日からと予定している。

その前の28日に外来で診察を受けなければならない。

二回目又は三回目ぐらいで副作用が顕著になる可能性もある。

まだ、どうなるのか皆目見当もつかないが、出来れば抗がん剤が効いて癌が小さくなって居ればありがたいものだが・・・。期待しよう。

 

今日で二日目。
今日は夕方に 5-FU 500mlを追加したのみである。
これを三日目の夕方までゆっくりと点滴するらしい。

副作用については、初回にあるのかと思っていたが、今のところはまだない。
看護師の話では二回目か三回目に出ることが多いとか。症状としては、全身の倦怠感、吐き気、手足の痺れらしい。
今日は、夕方に何度もお腹が痛くなって通じがあった。これも副作用の一種なのかな。

今回治療をしている病院は中規模の病院(140床)かと思うけど、設備がいまいちな気がする。
総じて綺麗ではあるけど、残念なことはある。

○四人部屋だが部屋のトイレはシャワートイレでない。
○ベッドが電動ではない。(差額ベッドは電動)
○談話室の電源が三つ穴プラグに対応していない。

三つめのプラグの件は、点滴をする人が談話室で寛ぐためにも必須だと思うんだが、その点の配慮がないと思う。次回以降もこの病院で三日間過ごすことを考えると変換プラグは必須だな。それに電動ベッドもぜひ欲しいから差額ベッドを選ばねばならないかも。

今日から抗がん剤の入院治療が始まった。二泊三日の短期入院である。
午前九時までに入院せよとの事だったが、少し遅れて着いた。

直ぐに治療が始まるのかと思ったが、採血、レントゲン、心電図、採尿があってからだった。


お昼近くから部屋に案内されて点滴の針を付けられて抗がん剤治療が始まった。

1生理食塩水
2吐き気止め(名称不明)
3アバスチン(バベシズマブ) 90分
4レボホリナート + エルプラット(オキサリプラチン)  120分
5 「5-FU」(フルオロウラシル) 60分
6    同      23時間
7    同      23時間

以上が三日間の抗がん剤投与のコースらしい。


夕方までに5の「5-FU」までは終了した。あとは明後日まで5-FUの長期投与のみらしい。

今のところ、何ら自覚症状はない。疲れるわけでも、痺れもないし、食欲も旺盛。 排便・排尿あり順調
点滴に繋がれているので自由には動けない。多少のストレスと言ったところである。
まあ、明日、明後日にどんな副作用がでるのか判らないけれども。