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術後の眠っている旦那と対面し、その後義両親の待つラウンジへ戻りました。
義両親も、旦那の弟もソファに座っていて、皆疲れ切っている様子だった。
「会ってきました。意識はなかったのですが…先ほどの病院で見た時よりも、肌の色が回復していて、顔色はすごく良くなっていました」
「そうなんだ！ぁあよかった…っ」
涙声になる義母。
旦那の顔色もそうですが、医師の
「心臓が元気に動いた」「瞳孔が治ってきた」という言葉に、少しでも希望持って信じたい。
信じて待つことしか、今はできないというのが苦しい。
「奥様よろしいですか？」
そこへ、看護師さんがやってきました。
「本日はご主人様このままICUに入院になるのですが、今後一般病棟へうつる際には、個室と大部屋があるのですが、希望はございますか？」
ICU（集中治療室）から一般病棟へ移動！！
その言葉だけでも、ものすごい希望の光に感じました。
だって、ずっとICUにいる可能性もあるんだから、一般病棟の方がまだ回復してる…て事だよね？
「個室と大部屋で料金が変わったりもしてきますが」
「個室で…お願いします」
もうね、お金かかるとかかからないとかは、どうでもいいんです。
旦那のためなら。
快適な方がいいだろう！
先ほどの旦那の姿を思い出し、大部屋よりも個室がいいと即座に思いました。
という事で個室を選びました。
「わかりました。空き部屋の確認をしておきます。あとで変更も可能なので、その時はおっしゃってください」
「はい」
「明日は面会にいらっしゃいますか？」
「はいっ」
もちろんですとも…！
「ICUですと、明日の面会時間は16時になりますので、5分前にはこのラウンジにいらして下さいね」
「は、はい…」
コロナの関係なのか、ICUという特別な病棟だからなのか
面会時間は決まっており、30分しか会えないみたいです。
それも家族1人までで、その後の変更は不可。
16時に面会か…。
「あの、これから主人が目を覚ましたり、意識が戻った時は、病院から連絡をもらえますか？」
「いえ、重篤な緊急な事態が起きない限り、こちらからご家族様へ連絡する…というのはなくて」
「えっ？？」
「目が覚めました…という連絡はできないんですよ」
「えっ、という事は、明日の16時の面会まで、何も状況がわからず…なんですか？」
「はい、すみません…」
・・・えっ、
そんなことってある！？
この時21時頃。
明日の16時まで、これから19時間も何も分からないって事！？
ドライ！
病院ドライ！！
ドライすぎるよぉ！！！
スゥーパァァアーーッドライッッ！！！
ハァハァ…
さっきだって、これからも、生きるかどうなるかギリギリの状況なのに…
そんな長い時間、何も分からないだなんて！
た、耐えられない…。
目が覚めましたくらいの連絡、家族にしてくれても…。
ポカン…とする私に看護師さんは「また明日お待ちしています」とお辞儀をして去っていった。
いや、病院側も色々大変だし忙しいんだろうけどさ…
そんな感じなの！？
旦那の命を救ってくれた病院の人達には、頭が地面にめり込むくらい土下座をして感謝したいけれど
急に塩対応されたような気持ちになり、シュン…とする私。
「今日はもう…帰りますか」
これ以上はここにいてもどうにもならないという事なので
義両親と弟に車で家まで送ってもらいました。
帰りの車の中で、私の両親、救急車を呼んでくれた会社の人
旦那を心配をしているすべての人にメールをしました。
今か今かと、こちらからの連絡を待っていたことでしょう。
手術は無事終わった事。
まだ意識は戻っていない事。
明日16時の面会まで状況が分からない事。
手術が無事終わったことに皆安心はしていましたが
16時まで何も分からないことに心配していました。
だよねだよねっ？？
でも今は、とにかく、手術が無事成功したことに本当に感謝。
救急車を呼んでくれた会社の人をはじめ
救急隊員の方々、救急搬送先で検査をしてくれた病院の方々、手術をしてくれた方々…。
すべての人に感謝の気持ちでいっぱいです。
どれかひとつでも違っていたら、また今が変わっていたかもしれない。
1人1人がみんな、旦那の命を助けようと頑張ってくれた事。
この感謝の気持ちは一生忘れない。
あとはただ…目が覚めるのを待つだけ。
旦那の生きる力を信じる。
帰りは夜の21時過ぎというのもあり、道路は空いていました。
タクシーで来る時は果てしなく遠く感じた病院でしたが
帰りはすぐに家に着きました。
義両親と弟にお礼を言い、車から降りました。
あおちゃんは今夜は私の両親の家にお泊まりなので
今夜は家に私1人です。
暗い部屋に帰り、カバンを床に投げ、崩れるように床に座りました。
シンッ…と、静まり返ったリビングが、まるで自分の家じゃないかのような感覚になります。
でも、あおちゃんが実家にお泊まりで逆に助かったかも。
今、あれこれお世話をする余裕なんて、ゼロ。
自分の精神を保つことで精一杯です…。
お昼から何も食べてなかったので、何か食べないと…と
病院で買ったおにぎりをカバンから取り出しました。
食欲なんてまるでありませんでしたが、何か食べないと。
ここで私まで倒れたらシャレにならない。
モグモグとおにぎりを食べますが、胃に何かをいれる作業のようで
味なんて何もしませんでした。
旦那は絶対、大丈夫。
明日の朝になったら、絶対、目が覚める。
また一緒に、ここに帰ってこれる…。
旦那の笑顔を思い浮かべながら、祈り続けました。
この日の夜は、
今頃旦那はどうしてるんだろう…とか
旦那の容態が急変し、病院から連絡がくるんじゃないか…とか
これからどうしよう…とか
医師から言われた最悪のケースになった時…私は…
思考回路が休まることはなく、不安と恐怖がグルグル頭を駆け回ります。
私も一緒に、旦那のもとへいきたい…
考えてはいけないことまで、考えてしまいました。
でも、旦那と私の宝物であるあおちゃんが、いるのだから。
変なことは考えないように考えないようにしました。
生きてくれるなら、もう、何もいらない。
何度も何度も、願いました。
涙が溢れそうになりますが、涙を流すわけにはいかないと
グッと堪えます。
生きようと、一生懸命がんばっている旦那のためにも。
この日の夜。
布団に入り眠ろうとしますが、当然眠ることもできず
起きては、喉が渇き水を飲み、トイレへ行き、また眠り、
また目が覚めては喉が渇き…
それを何回繰り返したでしょうか。
だんだん熱が出てきました。
測ると37.6度。
絶対、心労だこれ…。
熱があるとICUの面会ができなくなるので、絶対明日までには下げないと！
家にあった風邪薬と栄養ドリンクを飲み
意地でも熱は出すものかと少しでも体を休めようと思いますが
まるで眠れず、1、2時間起きに目が覚めてしまい
そのまま朝を迎えました。
一瞬だけ、夢を見ました。
明るい光が差す場所に、普段と変わらない、私とあおちゃんに笑いかけるいつもの旦那が立っていました。
独りの夜が怖すぎて、その夢にどれだけ救われたか。
夢で見た旦那の姿を頭に焼き付け
数時間後、夢と同じ旦那がそこにいますように…。
はやく、逢いたい…。
次に続きます。
いつもと違う雰囲気のブログを読んでくださりありがとうございました。
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