開業医中心の「全国保険医団体連合会」(住江憲勇会長、会員数約10万3000人)は27日、国の高額療養費制度の改善で患者の負担軽減を求める要請書を長妻昭厚生労働相らに提出した。これまで患者支援団体が同様の要請をしていたが、医療者側の要請は初めて。

 高額療養費制度は、医療費の自己負担に年齢や所得に応じて上限額を設けている。要請書では、最も多い「一般所得者」(70歳未満で月収53万円未満の場合、上限額は月8万円超)のうち所得の低い患者や、高額な医療費負担が長期にわたる患者などについて、上限額を現行の半分程度に引き下げるよう要望したほか、制度を使いやすくするため手続きの簡素化を求めた。

 がんや糖尿病など慢性疾患患者の約7割が医療費の支払いに負担を感じ、4割近くが治療中止を考えたとする東京大医科学研究所の調査結果など高額医療の実態を毎日新聞が報じたことなどから、要請書の提出を決めた。

 保団連は「経済的理由から患者が治療を中断する例が少なくない。国は患者負担が軽減されるよう、制度を早急に見直してほしい」と話す。【河内敏康】

【関連ニュース】
高額療養費制度:改善を…厚労相に要望書提出
命を削る:高額医療の断面 負担軽減、届かぬ情報
高額療養費制度
命を削る:高額医療の断面 支援に力を、患者に光を(その2止) 取材班から
命を削る:高額医療の断面 通院、重い立て替え

養母が主張「保険金の受取人は私たちではない」…大阪ポリ袋死体遺棄事件(スポーツ報知)
加藤被告に刺され死を覚悟…「仕事や家族、全てのこと考えた」(産経新聞)
アスベスト泉南訴訟 政府控訴断念も(産経新聞)
相乗り3衛星、電波確認できず=大学が開発、H2Aで打ち上げ(時事通信)
<日中韓首脳会談>3カ国の若手演奏家が三重奏披露へ(毎日新聞)