東祥三の本音でズバリ! -5ページ目

自助、共助、公助

 人間は、他の動物と比較して、生まれた時から自立するまで、最も時間と手間のかかる動物だ。私の好きなテレビ番組に、アニマル・プラネットがある。例えば、馬は生後4時間後には、自らの力で立ち上がり、お母さん馬のオッパイを自ら見つけ、それを吸って育つ。その情景を初めて見た時、何とも言えない驚きを覚えた。また、鳥の
巣立ちの時の場面は、凄まじい一言に尽きる。それまで親鳥は、せっせと小鳥に餌を運んで来ては食べさせていたが、ある時、すなわち巣立ちの時を迎えると、小鳥に「もう、お母さんから(あるいはお父さんから)餌を与えることはできないのよ。自らの力で飛び立ち、餌も自分で獲得しなさい。」と、言っているかのように、小鳥の自立を促している。小鳥に対する親鳥の態度、姿勢は、凛としている。そして小鳥は飛び立つ。感動する瞬間だ。
 翻って、人間は、なかなか馬や鳥のようにはいかない。生まれてからすぐ、お母さんのオッパイを自分で探すことも出来ないし、“巣立ち”の時期も、各家庭でそれぞれ違う。
 最近、よく自助、共助、公助という言葉が使われる。素晴らしい言葉だと思う。自分で出来ることは自分で行い(自助)、足りない部分を家族や友人や仕事仲間や地域に助けてもらう(共助)、それでも駄目ならば、国の支援で補う(公助)。動物の世界をテレビを通じて見ながら、改めて、個人、家族、友人、地域、国の関わりを考えている。
 これまで、世界の色々な国の人々と接触してきた。政治家になる前に訪問した国々の大半は、公助すなわち自国の支援を受けられない人々が沢山いた。というよりも、彼らは逆に、自国の政府から迫害、弾圧を受けている人々であった。国の支援を受けられない人々にとっては、生と死の狭間の中で、とにかく生き抜くためには、自分と家族、そして仲間しかいない。他方、何をするにしても、自分の努力は顧みず、他人、あるいは国に依頼する度合いが増している人々が、増えている国もある。改めて、自助、共助、公助の在り様を明確にする時が来ているのではないか、と考えている。

悲惨な時代の最初の年

 人により運・不運があるように、国においても運・不運があるのかもしれない。だからといって私は、何も運命論者ではない。私が言いたいのは、問題解決にどんなに努力しても、それが報いられない場合もあるし、大した努力をしなくてもあれよあれよと事がうまく運ぶ場合もある。


 日本の現状を虚心坦懐に認識する時、昨年末からの多種多様な自然災害の攻撃、すなわち、奄美大島を襲った大豪雨、新燃岳の爆発的噴火、日本海地域の大豪雪、極めつけが、311日の東日本大震災である。原発事故に対する危機管理の無さを除けば、不運としか言いようがない。


 私は、防災担当の副大臣として、豪雪地域を除く、ほぼ全ての現場に足を運び、自然現象の破壊力の凄さに、改めて脅威を感じると同時に、東日本大震災が発生した当日から被災地を見た時、何故日本がこんな悲惨な状況に直面しなければならないのか、と何とも言えぬ怒りが込み上げてきたことを覚えている。しかし、この怒りを“天”にぶつけても意味がない。逆に、“天”が日本に下した試練と捉えれば、この試練を乗り越えた時、“天”は、今まで見たことのない“笑み”を与えてくれるのではないだろうか。そして、この試練を乗り越えるためには、二つのことをやり遂げる以外はないのではないかと。


 一つ目は、二度と同じような災害を起こさないようにすること。


 二つ目は、災害によって被災した人々というよりも、この災害から新たな命を与えられて人々が、再び立ち上がること、である。


 人生の達人が言うことは、基本的に同じである。それは、人生における順境の時期は、極めて短い。種々苦労し、やっと順境になった。まず、これで当分安心だと思っている間に、もう逆境の因が芽を出している、ということだ。悲惨な時代を生き抜いていくためには、この覚悟が重要だ、と私は思う。


 さあ、今日も一生懸命に生きるぞ!!

東祥三事務所からのお知らせ

【付和雷同する政治家が多すぎる!】


 「小沢幹事長の“何”が問題なのでしょうか。主語がはっきりしない中でゴチャゴチャと報道しあっています。お金の出所が問題なのか、お金をたくさんもらっていることが問題なのか、『小沢は悪い』というなら“何”が悪いかをはっきりさせないと問題点がさっぱりわかりません」


 東祥三は、2月16日《THE JOURNAL》編集部の「政治家に訊く」の取材で、小沢氏に関する一連の報道及びそれに付和雷同する政治家が多いことに疑問を投げかけました。
 さらに、国連時代の話や小沢幹事長との出会い、安全保障論や東祥三の「ここがオカシイ」等々、動画と文章構成(対談形式)で話題豊富な内容になっております。


 詳しくは、http://www.the-journal.jp/contents/politician/2010/02/25.html にアクセスして閲覧願います。
 尚、《THE JOURNAL》とは、日々生起する重大ニュースについてマスメディアの報道を徹底的に批判し検証することを基礎として、しかし単なる批判に終わるのでなく、ここに集うプロフェッショナルたちそれぞれの世界観、時代観、問題意識に沿ってそのニュースを独自の新しい文脈の中で再構築し、その現象の実体と本質に迫る(NewsSpiral)。 
 著名なジャーナリストや情報プロフェッショナルがそれぞれの専門分野から各個に大胆な分析と意見を繰り出すブログ形式にて配信する(COMMONS)。

  “政治家本人”に焦点をあて、その“人柄”を浮き彫りにする取材型の「政治家に訊く」等、これらの情報を発信するジャーナリスト高野孟史が主宰するWebサイトです。


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