こんにちは

趣味は語学の、あずまかなこです。語学はフェチ。もはや性癖です。ときどき、この語学熱が爆発して、一筆したためたくなる衝動にかられます。

 

私は、大学院で英語を第1専攻として、第2外国語としてドイツ語を専攻していました。ドイツ語は留学に行き、一通り話せるようになりました。なぜドイツに行ったのかと言えば長くなるので割愛しますが、そのドイツ語の話です。

 

 

日本の大学では、第2外国語でといって、英語の他に別言語を少し学ぶところが多いです(理系は存じ上げませんが)。おもに、フランス語、ドイツ語、スペイン語、中国語、韓国語など。大学によってさまざまかと思われます。

 

ことに、フランス語やドイツ語を選択する学生は気をつけよ、と俗に言われます。なぜなら、名詞に「性別」があるからです。全ての名詞は、例外なく、男性名詞か女性名詞に分けられます。机は男、夜は女、みたいな。「一体どの辺が男!?」と文句を言う間もなしに、「男で当然でしょ」という雰囲気で授業は進みます。

 

それだけでも逃げ出したくなるのですが、ドイツ語には男女だけでなく「中性」という、第3の性も存在します。今どきの言葉でいうLGBT、いや、トランスジェンダーか。男でも女でもない中性なのです。この辺が、ドイツ語を選択してしまった学生を悩ませる最大の要因です。無論、テストに出るので、いやおうなしに、覚えなければなりません。

 

いかにも、男性、女性っぽい名詞ならば、覚えやすくていいのです。たとえば「ファーター(父親)」は男性、「ムッター(母親)」は女性です。では「キント(子ども)」は……中性。う~む。

 

さらに悩ましいのが、意味の上では性別がはっきりしているのに、違う性別がつけられているもの。「ゾーン(息子)」は男性、「トホター(娘)」は女性、ここまではすんなり入ってくるのですが、「メートヒェン(女の子)」は中性です。ええぇぇ~~! 女ちゃうのっ!? 女の子なのに中性って……解せぬ! と、ここで多くの学生たちがアレルギーを発症していることでしょう。

 

語学フェチの私としては、この名詞の性が、エクスタシーを感じるほど、いじらしくてしょうがなかったのです。(いまもニヤニヤしながら書いてて、我ながらキモい)。出会ったときは、「名詞に男と女があるんだぁ~」と目をキラキラさせて、勉学に勤しんだものです(なんでやねん)。

 

今となっては、不思議なもので、男女だけで中性のないフランス語は、少し物足りなかったりします。変態レベルが上がってきているのでしょう。最初の「名詞に男と女があるんだぁ~」の処女的感動を大切にしたいものです。

 

とはいえ、性癖というのは怖いもので、もっと過激なものを求めるようになります。ことに文字を眺めるのが好きな私は、日本語のかわいらしい「かな文字」、英語などに使われるabcいわゆる「ラテン文字」だけで飽き足らず、ロシア語などに使われるキリル文字、韓国で使われるハングル文字とも、深い仲になりました。あ、いえ、読めるようにはなりました(内容は理解できませんが)。

 

性癖というのは不思議なもので、アラビア文字やタイ文字には、特に私のアンテナは反応せずに放置中です。自分の好みは、自分でもよくわかりません。それよりも、かつての中国北部で満州族が話していた「満州語」にセクシーさを感じている、ド変態なこの頃です。

 

私よ、一体、この趣味を突き詰めて何になるんだ。この先に何があるんだ。満州語の仕事が来るわけないだろう。

 

しかしここでも、毎度私の好きな言葉が、猪木氏の声で頭の中を満たすのです「迷わず行けよ、行けばわかるさ」。そうだね。行けば分かるか。今夜はどこの文字と一緒にベッドインしようかなぁ・・・うぃっひっひニヒヒ

 

みなさんもよい夜を

東香名子