漆とは① | アズラのブログ

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漆箔工芸京都Azulaのオーナー日誌


『アズラ』松井です。



今日は漆についてお話します。

漆とは、漆の木から採取した樹液です。

チューブから出すと最初はこんな乳白色です。

生漆
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この生漆が空気に触れるとドンドン飴色に変わってゆきます。
photo:02




漆が酸化して固まり始めるのです。
(いわゆる漆が乾くことです)


ただし漆の乾き(硬化)は極端に遅いです。

だから、ゆっくりと時間を掛けて良い仕事ができます。

漆を乾かす時は室に入れます。
photo:03




漆は空気中の水蒸気が持つ 酸素を用い、生漆に含まれる 酵 素(ラッカーゼ)の触媒作用に

よって 常温で重合する 酵素酸化、

および空気中の酸素による自動酸化により 硬化します。

酵素酸化はその時の湿度と温度にかなり左右されます。


湿度70%以上、温度25℃以上(ちょうど熱帯夜ぐらい)で活発に硬化します。

この状態に近づけた場所もしくは入れ物を室(むろ)と言います。

室の中で約一週間程かけて ゆっくりと硬化します。


乾いたら室から出して次の色を重ねて塗ります。(何色も塗る場合)

そしてまた室で一週間かけて乾かします。

たいへん手間と時間がかかる塗料(もしくは接着剤)ですが、一旦乾いて硬化した漆は酸にもアルカリにも侵されません。


昔、縄文時代に縄に漆を塗ってたみたいです。

その縄が発掘された記事が新聞に載ってました。

その記事によると、縄の部分は跡形もなかったけど漆は縄の周りに塗られた状態のままだったそうです。


虫も寄りつかないです。

漆は素晴らしいんです。

自分は漆に惚れ込んでます。


色漆について もう少し話したいのですが、長くなるので 次の機会にします。















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