赤ちゃん連れフォトグラファーのAzusaです。 

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投稿四百二十八回目は 

「【注意喚起】朝4時、夫から「助けて」と電話。 

「まさか」が自分の身に起こる時。」 

について書きたいと思います。 

 

 

 

(初めてお越しの方は 

こちらの自己紹介をご覧いただけたら 

嬉しいです。)

 

 

 

 

 

 

今日未明
 
夫が強盗に刺されました
 
 
 
 
 
今もICUにいますが
 
 
おかげさまで
何とか容態は安定しています。
 
 
 
 
 
不謹慎かもしれませんが
 
 
書くことによって
気持ちを鎮めるために
 
 
そして
 
 
自分への戒めも込めて
 
 
 
夫の身に起こったこと
書かせてください。
 
 
 
 
 
 
 

着信音で目が覚めたのは
今朝の4時
 
 
まだ外は真っ暗な時間でした。
 
 
 
 
 
 

電話に応答する前に
コールは切れてしまったのですが
 
 
発信元は夫。
 
 
 
 
「また鍵でも忘れたのかな...」
 
そう思いながら
掛け直そうとしたところに
 
 
 
ふと夫からのメッセージ
 
メッセンジャーに届いていることに
気付きます。
 
 
 
 
 
 
そこでまずは
 
そちらを先に確認してみることに。
 
 
 
 
 
 
メッセージを開くと
目に飛び込んで来たのは
 
 
「強盗に襲われて病院にいる」
 
 
との文字。
 
 
 
 

メッセージが送られて来た
時刻を見ると
 
 
約1時間前と表示されています。
 
 
 
 
 
 
慌てて電話を折り返すと
 
 
「助けて...」
 
 
と夫の
か細い声。
 
 
 
 
 
「病院にいるはずなのに
助けてってどういうことなの」

 
 
と混乱していく自分の頭を
落ち着かせながら
 
 
 
詳しく話を聞いてみると
 
 
 
 
「ローカルの病院に
搬送されたがために
 
英語が通じない」
 
 
とのこと。
 
 
 
 
 
 
通常お世話になっている
 
夫の会社が加入している保険会社との
提携病院では
 
 
 
大抵の医師は英語が通じる
 
もしくは
 
日本語通訳が入ってくれすら
するのですが
 
 
 
今回運び込まれた病院は
どうやらそうでは無いようです。
 
 

 
 
 
 
「そういうことか」
一先ずは安心したのですが
 
 
 
直後に
 
その安心が無意味だった
ことを知ります。
 
 
 
 
 
 
何故なら
 
夫が病院に搬送されたのは
 
 
「刺されたから」
だと聞いたからです。
 
 
 
 
 
 
 
依然として
状況はよく分からなかったものの
 
 
 
とにかく夫は
私の助けを必要としている
 
 
 
 
 
しかも
 
電話口で話すのも辛そうな様子が
伺えたため
 
 
会話は早々に切り上げ
 
 
 
病院に向かうことにします
 
 
 
 
 

幸い
 
早朝にもかかわらず
 
 
 
愚図ることもなく起きてくれた
3人娘たち。
 
 
 
 
 
 
指差しタイ語帳と
 
子どもたちのおやつをバッグに詰め込み
 
 
タクシーに乗り込みます。
 
 
 
 
 
 
その病院に行くのは
 
私も初めてのこと。
 
 
 
 
 
道に迷いつつ何とか辿り着いて
 
 
勝手が分からないまま
入口で迎えてくれたスタッフに
 
片言のタイ語で
「夫がいる」と伝えると
 
 
 
 
直ぐにICUへと案内されます。
 
 
 
 
 
 
 

事の状況が
よく掴めていなかったためか
 
 
ともかくも
夫と話すことが出来たためか
 
 
はたまた
 
3人の子どもたちを前に
「自分をしっかり保たねば」
という意識が働いていたためか
 
 
 
 
病院に着くまでは
 
さほど深刻には
事態を捉えていない自分が
居たのですが
 
 
 
 
「ICU」と聞いて
 
一気に自分の体が
ずっしりと重くなるのを
感じます。
 
 
 
 
 
 
 
 
病室では
 
心なしか青白く見える夫が
ベッドに横たわっています。
 
 
 
 
点滴台から落ちる輸血も同様に
 
 
刺された時の出血の量を
物語っています。
 
 
 
 
 
 
初めは
非常に心細そうだった夫ですが
 
 
しばらくするうちに
落ち着いて来たようで
 
 
 
 
 
ほんの数時間前に
自分の身に起こったこと
 
とつとつと話してくれました。
 
 
 
 
 
 
 
事件に遭遇したのは
 
エカマイのサブソイ。
 
 
 
 
 
エカマイというのは
 
 
バンコクの中でも
 
スクンビットという
比較的日本人も多く住むエリアの
東に位置し
 
 
 
ドン・キホーテが
バンコクに初出店したことでも
話題になったエリアです。

 
 
 
 
 
夜も眠らない繁華街が
目と鼻の先にあるものの
 
 
 
ひとたび
 
 
サブソイと呼ばれる
メイン通りから分かれる道に入ると
 
人の気配が無い場所も多く
 
 
 
 
夫が標的となったのも
そうした場所でした。

 
 
 
 
 
 
 
その日夫は
 
出張から帰って来たその足で
お客さんとの会食に出掛け
 
 
 
その場所が
比較的近所だったことから
 
 
 
 
健康のためにと
歩いて帰って来ていた
そうなのです。
 
 
 
 
 
 
そして
 
事件の発生した夜道を
歩いていた時のこと
 
 
 
 
バイクに乗った
 
見るからに柄の悪そうな
出で立ちの
二人組に遭遇したといいます。
 
 
 
 
 
 

夫が不穏な気配を感じ
 
 
彼らの横を
足早に通り過ぎようとした時
 
 
 
 
 
いきなりそのうちの一人が
 
 
刃渡り20㎝はあるかという
サバイバルナイフを振りかざし
 
 
夫に刺しかかってきたというのです。

 
 
 
 
 
夫が何とか
鞄の中から財布を取り出して
差し出す
 
 
 
逃げざまに再度
夫の後頭部を切り付けながら
 
 
バイクで去っていったそうです。
 
 
 
 
 
 
 

幸運にも
その直後に車が通りかかり
 
 
その運転手が
親切にも救急車を呼んでくれ
 
 
 
何とか病院に搬送された夫。

 
 
 
 
 
 
直ぐさま
2箇所の傷は縫ったそうなのですが
 
 
 
 
残りの2箇所の傷は
手術でなければ塞げない傷だとのことで
 
 
その後に緊急手術。

 
 
 
 
 
 
傷が内臓にまで達していなかったのは
不幸中の幸いと言えるかもしれませんが
 
 

 
それでも

 
背部を刺された傷が原因で
 
身体の内部の出血が
胃の中に溜まるらしく

 
 
 
 
それを経管で吸引する様子は
見るに堪えず
 
 
 
「どうしてこんなことを...」
 
犯人を心底恨めしく思います。
 
 
 
 
 
 
 
 
この事件を振り返って
夫が言っていたのは
 
 
 
「最初から全部置いて
逃げれば良かった」

 
ということ。
 
 
 
 
 
 
病室に入って
夫のバッグを見付け
 
中身を確認した時には
 
 
 
会社のパソコンやパスポートなどを含め
 
犯人に差し出した財布以外のものは
全て残っており
 
 
 
 
「被害が少なくて良かった」
 
ということが頭に浮かんだのですが

 
 
 
夫も咄嗟に
 
それらを守らなければと
考えたあまり
 
 
傷を負うことになってしまったと。

 
 
 
 
 
 
今回は命こそ助かったものの
 
 
刺された位置が位置ならば
命を落としていた可能性もある
 
 
 
 
 
それならばいっそ
 
鞄ごとくれてやれば良かった
というのです。
 
 
 
 
 
 
 

そして
 
 
気を付けているつもりでは
いたけれども
 
やはり油断していたと。
 
 
 
 
 
 
 
一度目のタイ駐在から数えると
 
 
もう5年近く
バンコクで暮らしていますが
 
 
 
これまで
 
これといった危険な目には
合うことなく

 
過ごしてきた夫。
 
 
 
 
 
 
しかし
 
 
 
繁華街のすぐ傍で日本人が刺された
といった話や
 
 
日系スーパーマーケットで誘拐があった
といった噂は
 
 
 
情報に疎い私でも
何度か耳にしており
 
 
 
 
 
比較的安全だと言われる
タイであっても
 
 
私たちが普段それ程
意識をすることは無くても
 
 
 
危険がすぐ近くに
潜んでいることは
 
十分に有り得ることなのです。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
家族が苦しむ姿を見るのは
非常に辛いのですが
 
 
 
 
それでも敢えて
 
この出来事が私に何を
教えてくれようとしているのか

 
 
考えてみると
 
 
 
 
 
それはやはり
 
 
注意を怠ってはならない
 
ということなのかと思います。
 
 
 
 
 
 
 
私自身
すっかり忘れかけていたのですが
 
 
 
バンコクに来た当初
 
新参者の洗礼とも言えるような
2つの出来事を経験しました。
 
 
 
 
 
 
1つは
 
 
ある日の夕方
 
帰路に子どもたちと
タクシーに乗った時のこと。
 
 
 
 
 
行き先を告げようとすると
 
 
 
運転手が
おもむろに札束を広げ
 
 
タイ語で何やら言ってくるのです。
 
 
 
 
 
気味が悪くなって
 
直ぐさまタクシーを降り
 
 
 
事なきを得たのですが
 
 
 
 
それ以降
 
夕方以降にタクシーに乗る際に
慎重になった
のは
 
言うまでもありません。

 
 
 
 
 
 
もう1つは
 
 
大きなイベント会場で
買い物をしていた
最中のこと。
 
 
 
 
 
夫が隣にいたために
すっかり油断していたのですが
 
 
 
気付いた時には
 
 
ポシェットの中から
財布が抜き取られていました
 

 
 
 
 
 
 
今回の出来事は
 
 
 
そうした出来事を思い出させ
 
 
 
 
すっかり安心し
気が緩み切った状態で
 
二度目のバンコク駐在生活を
スタートさせた私たちに
 
 
 
 
「まさか」は
いつでも身に降りかかり得るという
 
 
警鐘を鳴らしてくれたのかもしれません。
 
 
 
 
 
 
 
 
私自身
 
そうした話を人伝に聞くだけでは
 
 
なかなか自分事として
捉えることが出来ないことも多いですが

 
 
 
今回私たちに起こったことを
知ってもらうことで
 
 
 
微力でも
 
次なる被害を防ぐことに
役立てられることを
 
 
心から願っています。
 
 
 
 
 
 
 
そして
一日も早く
 
夫が苦しみから解放されることを
願って止みません。

 
 
 
 
 
しばらくは3人の子どもたちとの
病院通いの日々が続きそうですが
 
 
子どもたちの笑顔に力をもらいながら
 
 
 
何とかこの局面を乗り切っていけたら
と思います。

 

 

 

 

 

 

最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。