『ありがと!

   もしも何かあったら電話するね。
                           
          じゃあ、行ってくるね!』



『わかったよ』


車で送ってくれた父と言葉をかわし
期待と緊張ではやる気持ちを抑え、PET-CT検査の病院があるビルへ向かった。


一階のフロアに入るとすぐの所に、PET-CT検査を受けるクリニックの入り口があった


クリニックの受付ロビーは、白とブルーを基調としたシンプルで高級感あふれる造作



カウンターで予約票や保険証など受付を済ませ、
さらに仕切りのあるブースで今日の体調などを記入する問診票を記入した。


あとは検査前に院長先生の診察があるとかで、次に呼ばれるまで待ち合いで待つ様に言われた。



待ち合いに行きいつものように、何気に雑誌を取って平静を装いパラパラめくるが全然頭に入らない。


結局キョドって落ち着いていられない私

さて、

向こう側が透けてみえるテレビでも見るか(笑


それはオブジェみたいな、透明の大きな作り付けのアクリル板?に映像が投影されている、

お洒落過ぎるTV…




初めてみたわこんなん(笑




なんだろこの過剰までのオシャレ異空間推しは

他のブログでもよくゴージャスだとか聞くし。


何億とかかる医療機器の王様PETの病院は、そこらの病院といっしょじゃねーのよアピールなのか



院長直々の問診でご挨拶とか手厚いし。


大病院だってPET機器を設備投資するとは限らず無い所も以外に多い。

多分、原価償却とコストとか実施頻度なんかで見合ず、餅は餅屋で提携先に流す傾向なのかな。

  だから高級嗜好は   "餅屋"のプライドなのかもしれない


保険扱いにならないと自由診療扱いで、約10万もする検査だからなぁ…


専門でやると提携先からもじゃんじゃん患者様がきて、
単に儲かる見込みで設備投資しただけかもしれないが。


それか場所が場所なだけに

こちらの心情を察して癒しの空間を提供する経営者の企業努力か



差別化してるのか知らないが



でも

     

   ここはたしかに普通と違うのだ




   周りを見渡してみる。


同じ予約時間帯に検査を受ける人が何人かいた



お元気そうにみえる同世代のOLさんみたいな女性が、雑誌を見ている        
               

かなりご高齢の痩せたお爺さんが、ぶかぶかだけどきちんとしたスーツに身を包み、
車椅子にやっと座ってじっと付き添いの方と待っている。



どこかの一見、健康そうな奥さんも
朝のワイドショーがやっている透明テレビをじっと見ている。



そして

一番後ろのイスに腰掛けたお腹の大きい私もみんな


       
            癌の検査だ。



      それしかいないのだ


きっとみんな私の様に、癌の疑いで癌の原発探しかもしれないし

再発転移を確認するのに画像診断の資料のためとか。

癌の既応歴があり経過観察とか

みんな癌柄みと思う


ちょっと胃潰瘍でとかで10万の検査でもと来てる人はいないのだ。





そうこうして私も呼ばれ、診察室に入っていった。


院長先生は高齢の方で問診票を見ながら病気の確認や体調、
PET検査や検査後の注意事項の説明などさらっとされてすぐ終わった。


時前にPET検査については、病院から渡されていたプリントを読んだりしたが、
その当時はあまり理解ができていなかった
 

四年経った今まで、大きな勘違いしていた事がひとつあったし…


ただ自分なりの言葉で解釈しすんなり頭に入ったのは注意事項の方で、


"放射能物質が体に入るので、検査後少なくとも1日は赤ちゃんなど幼児に近づいたり触れたりしない"

"検査後は放射能物質を体からじゃんじゃん排出する為に水分をたくさん摂る!"


と放射能怖いよ!みたいな


まっ 単純ないつもの私(笑



そして待ち合いに戻ると一人ずつ呼ばれやっとPET-CT検査が始まった。


まず一階の更衣室で検査着に着替える。


お腹も足も相撲取りみたいになっているので検査着もLサイズにした


スリッパに履き替え、検査室の二階にエレベーターで行く。


二階に着くとPET検査室は又玄関口みたいな所から入室する様になっていて、
そこの専用スリッパに、履き替え入室しなくてはならなかった。


ここからはもう外界と遮断ゾーンってわけらしかった。



ここで身につけたものは検査着以外一階に持って戻れませんよ的な


体に影響が無いくらいのとはいえ、

放射能物質なわけだからかなり厳重。


検査が、始まる



まずは処置室で注射からだった。


体に何を注射してるのかはその時、分からなかった。


看護婦が、さぁ糖分入り特性放射能物質をお注射しますね~
とか言うはずもなく


ただ私に注射したらこのまま少し置きますと言って、そそくさと離れていった。


PET検査とは超簡潔にいうと


"癌が好物の糖に放射能物質で目印をつけ
CT検査で目印が赤く光る"
らしい。
【独自の解釈であり、諸説あります
 (仕組みは明瞭ですが言い回し的に)】


その当時私は、どのタイミングでそれらがどう注入されていったかあまり理解してなかった。

今考えると(四年も経ってますが(笑
その注射以外考えられませんが

思い込みが激しい気質なだけに、かなりの勘違いをしていた。

↓以下同


謎の注射が完了し、

看護婦に連れられ別室に案内された。


そこは"休息室"で、室内は薄暗い照明で6人分ぐ らいのブースに別れていた。



看護婦『お好きな所でこれから一時間、待機していただきます。

そしてこのペットボトルのお水を二~三回に分けて飲み干して下さい。

一時間後、部屋を出ましたらつきあたりにトイレがありますので、必ず排尿してお待ち下さい』


そう言われ空いているブースに入リ、革張りのリクライニングチェアに座った。


雑誌と膝掛け、ティシュが完備され、テーブルには500ミリリットルのペットボトルが置かれていた。



一時間休息するって、なんて楽な検査♪


さっそくリクライニングを少し倒したり雑誌をみたりくつろぐ。
 

なんか和むわ…



緊張も忘れ寝不足で眠気もさしてきたが、水をゆっくり飲むミッションがあり、
結構忙しく仮眠をとるまでくつろぐとはいかなかった。

そのペットボトルは水とわかるようなラベルは付いてなく水である保証がない気がした。



一時間後トイレで流すという事は体に入ってたら駄目なものに違いない
(ある意味合ってた(笑



きっとこれは放射能物質水なんだ!


それか糖質水か、どちらかにしろ…



素人に手渡しとは恐ろしい!



私はそう思い込み細心の注意を払い、二~三回に分けて飲み干した。






いまの今までそう思っていた自分の方が


     恐ろしい


ブログに書くにあたり、PET検査について今一度紐解いてみると

      水はただの水だった。