昨日、参加したセミナーが予想以上に面白かったのでご紹介します。


~子宮内膜症をめぐる話題~と題して行われたセミナーでしたが

レクチャーは、国立大学法人総合研究大学院大学の長谷川真理子教授による

”女性の繁殖生理の進化とヒトの特徴” 


狩猟採集時代(いわゆる旧石器時代・縄文時代)と、現代を比較した場合


         狩猟採集時代   現代

初潮年齢      16.1歳     12.5歳

初産年齢      19.5歳     26.0歳(最も新しいデータでは30.0歳だそう)

授乳期間       2.9年      0.25年

生涯授乳期間  17.1年   0.4年

生涯出産子数   5人    1.8人

閉経       47歳     50.5歳

月経回数   160回    450回


と、進化の過程で大きな違いがあることが分かります。


月経の回数なんて、3倍近く増えていることに。。

すなわちは排卵の回数もその位増えているということです。

排卵は妊娠には必要な出来事ですが、それ以外は単に卵巣がんのリスクを

上げるだけなのです (ということで、不必要な排卵を起こさないために

ピルの服用が有用になってくるわけです)。


そしてまた、授乳経験は乳がんの予防効果があるということからも、

授乳期間の短い現代は乳がんもまた多く発生するということなのでしょう。


話はそれましたが、

もう一つ興味深い話が、他の動物は死ぬ間際まで生殖能力がある、

つまり、死ぬまで妊娠・出産ができるのに対して、ヒトは妊娠可能期間が終わってから

死ぬまでにおよそ40年以上の期間が残されているということ。

(要するにヒトは死ぬ直前まで妊娠・出産ができないということ)


座長を務められた聖路加国際病院の百枝先生曰く、

45歳を過ぎると圧倒的に妊娠中の心臓や脳血管系へのリスクが増すから

その防御反応として、妊娠できなくなるのでは? と・・・・


他の先生の意見では、でもこのような進化の過程があるから

そのうち50歳、60歳でも自然に妊娠できる時代が来るのでは?

などというお話も。。


私が推測するに、他の動物は産まれて独り立ちするまでの期間が

ヒトと比べて圧倒的に短いということなのでは?と思うのです。


他の動物は出産後、授乳がある程度終わればもう一人で生きていける

ということに対してヒトでは授乳が終わっても10年いや20年は親の助けが

必要とされるということからも寿命が延びているのではないのかなあ?

というやや独断的な考えですが、皆さんはどう思われますか??


他にも面白い話題があったのでまた次回ご紹介します。