『ソーダ灰』を考える | 手作り石けん教室AZSTORY@名古屋・愛知 since2010 AZのブログ『Little Story』

『ソーダ灰』を考える


こんにちは。azです♪
今回は『ソーダ灰』について考えてみようと思います。
(お恥ずかしい石鹸写真が出てきます^^;
ホントはお見せしたくないけどネ!)


先日『苛性ソーダは石鹸に残るのか?』という実験をしました。
鹸化率100%でわざと溶け残ったような固形状態のアルカリを入れたら・・・
という実験ですが、

結果は、残りました。
固形状態のアルカリは石鹸の中で変化することなく
ほぼそのままの形でで残りました。


そう、変化せず残ったんです。

苛性ソーダは石鹸にもならず
その他の状態にも変化しなかったんです。


と、いうことは・・・
この写真の石鹸の中に入り込んでいる白い結晶。
これは一体何なんでしょう?



石鹸が白いので見えにくいですが
中央から下に雪が降ってるように白い結晶があります。

今までこれは大雑把に『ソーダ灰』って分類してました。
でも、いわゆる『ソーダ灰』というのが
『反応しきれなかった苛性ソーダが空気中の二酸化炭素と反応して
炭酸塩に変化したもの』というのであれば、
先日の実験結果とは矛盾してしまうのです。

苛性ソーダはそのまま残る、のだから
炭酸塩に変化もしません。
そもそも石鹸の中に空気は存在しません。
(気泡は別ね!)


石鹸に現れる白い粉、もしくは結晶?は
色々なパターンがあります。
これを全て『ソーダ灰』だと言うのは何だか乱暴なような気がするんです。


上部だけに付いた白い粉。
ソーパーさんなら少なくとも1度はこんな石鹸作ったことあるかも?




下の写真はトップ(文字がある辺りがトップです。)が
分厚く不透明でもろい白い石鹸になっていて
内側は透明感のある部分と不透明な部分の両方出来ています。




これ・・・
全部『ソーダ灰』?

ソーダ灰の定義が上記の通りであれば、
2枚目の上部に付いた白い粉だけが当てはまるんじゃないかと思います。
鹸化途中の生地の中のアルカリが空気に触れ炭酸塩に変化した、
という事ですね。
これを防ぐには、生地の鹸化反応がしっかり終わるまで空気に触れされないこと。
ただし生地の鹸化反応ってレシピによってまちまちです。
鹸化速度の遅いオイル(オリーブオイルなど)を多く使用すれば
一般的に言われる24時間では終わらない事もあります。


じゃあ3枚目の石鹸はどうして全体的に白くなってるのか?
あの白い結晶は何なのか?
これってソーダ灰ではない『何かの結晶』ではないかな?


私の経験からすると、中に入り込んだ『結晶』は
ハードオイル(パームオイルやココナッツオイル)を使ったときに現れる事が多く、
また夏場よりも冬場が多い。
石鹸の表面だけではなく内側にびっしりと入り込み、
時間が経ってそれが消えるとかは無い。
お水やお湯には溶けるようで、使用した際モロモロが残るとかの経験はない。


ところでね。

今の時期ってパームオイルやココナッツオイル、
大体の地域で固まってますよね。
融点・凝固点は、
パームオイル 27℃~50℃
ココナッツオイル 20℃~28℃

この融点の高さを考えると、
石鹸を作る時、このハードオイル一旦全部溶かすけれど
もしかしてぐるぐるしている最中にまた固まりつつある??

こうゆう現象ってみつろうでよく言われますよね?
みつろうの融点は60℃以上、だから『擬似トレース』が出るのだと。
もしかして・・・
パームやココナッツでも同じような現象が起きているのではないのかな?


先日の苛性ソーダの実験でも固まったものは化学反応を起こさず残りました。
じゃあパームやココナッツの中で固まったものも残ってると考えることできますよね。

型入れ時の生地の温度が低ければ
見えないけれど脂肪酸の固まりがすでに出来ていて
さらに型の側面に触れた部分も冷やされて固まりができ・・・
って感じで『結晶』ができるのかも。

そしてその『結晶』は時には沈んでいくので
石鹸の下部分にできることが多く、
それが雪が降ったような結晶の現れ方になったりするのかも。
真ん中がジェル化すればそこは高温になり『結晶』が溶けるので存在せず。

だから『結晶』が時間とともに現れるのではなく
保温箱から出した時にはすでに出来ているものなのでは?
さらに言えば型入れ時にはもう出来ている!って事ですね。


あくまで私の想像ですが。

でももしこれが正しいなら
型入れ時に生地を温める事で防げるはず。
もしくは、タンパク質のオプションとかを入れて
生地自体の発熱が高くなりがちにする、とか。


綺麗な石鹸を作るのに大事なのは『温度管理』。
だけど何時間何度で保温すればOKということでもなくて
オイルの特性を考えつつ、
季節による気温の変化や、保管場所での温度、
使う道具の温度にも気を使ったほうが良いですね。
混ぜる、という事においても
人それぞれの癖があって
混ぜムラが出来る人と出来ない人がいるんですよね。


奥が深い石鹸作り!
だからこそ楽しいんですけどね♪



『ソーダ灰』より『結晶』が嫌です!!

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