「なゆみ、好きなオイルを選びなさい。」
「どこから?」
「この部屋全てから。何本でもいいんだよ。」
私はゆっくりとオイルを選んだ。
終わると「じゃ、好きな順にボトルを並べて。」
その通りにすると、1本目の蓋を開け、「すごく強いオイルだね。素晴らしいオイルだけれどこれをベースにするには強すぎる。」と言って、10mlボトルの1/10位にオイルを入れた。
そして2番目のボトルを手に取ると、「これはマダガスカルのとても貴重な花のオイルなんだ。君は信じられない人だね。」と呟いて、ターッとボトルにオイルを入れた。
3番目のボトルを嗅ぎ「ああ、これは、、、君のインナーチャイルドだ。」と呟くと、
「ここにおいで」と自分の膝の上を示す。
膝の上に座ると、親が子供を抱くように、スッポリと私を包み込む。
そして静かにハミングする。
「一緒に歌おう。」
途端に、彼のハートのチャクラの波動と、自分のハートが一体化して、とても幼かったころの自分が映し出される。
毎晩毎晩、「大丈夫、私には私がいるから。」と言い続けていた自分が、目の前にいる。
地球という星に投げ出されて、一人不安に怯える、孤独で、寂しくて、心細くて、怖くて、そういう自分を、もう一人の自分が励ましている。一人じゃないと言っている。ここに私がいるでしょ、と言っている。
そして私は明らかに勝利の歌を歌っている。
何歳の頃の映像なのだろう。
私は、確信したのだ。
大丈夫。
どんな自分でも、私は私が癒し、愛し、ケアし、寄り添い続けるからと。
ああ、これがインナーチャイルド、ということなのだ。
自分の中の、傷つきやすく、もろく、壊れやすい、いつでも怯えているような自分を、自分がしっかりと見つめ、抱きとめ、愛し、ケアしてあげる、そうすることによって、自分の心を知り、それをケアすることができる自分を誇りに思い、自分を信頼し、自分らしく生きて行くことを迷わず選択できるようになるのだ。
自分のインナーチャイルドを癒すということは、こういうことなんだ、ということがやっとわかる。
私はとても幼い時に、それをずっと自分にやっていたのだ。
自分がはっきりと覚えている記憶の最初の言葉が、「大丈夫、私には私がいるから。」というのは、そういうことだったんだ。