「泣く」ことが涙を流すことだけじゃないように、
「笑う」って爆笑だけじゃないですからね。


と書いたのは、昨年のTGR札幌劇場祭で、bird+scherzo特別公演『1%インスピレーション』を観た後のブログ

今年は、おもしろシンプルです。


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出演者名/scherzo(スケルツォ)
作品名/スケルツォ新作発表会「1コマ」



楽しみにしていた、加賀城兄弟をはじめとする表現集団scherzoのパフォーマンス。
兄の匡貴さんがアイディア担当で、写真・映像を意外な何かに「見立て」、ユーモアあるナレーションやパフォーマンスで表現。弟の史典さんは音楽担当のDJ/プロデューサー。
他に今回は、2名のパフォーマー上ノ大作さん(陶芸家)、森脇俊文さん(不調改善トレーナ)が居て、昨年も出演した工藤拓人さん(キーボード)と小野健悟さん(サックス)、そして、高橋智美さん(ボーカル)。

この人たちの面白さには「観なきゃ分からない」という価値があります。ではその面白さを言葉で伝えたい場合、どうすればいいのか。ヒントになったのは、11月6日(火)にFM NORTH WAVE「韻牙ランドのモッコリとしたラジオ」で放送された【Scherzoと対決!音見立て大喜利】

そうだ、scherzoを伝えるには、自分もscherzoしてみるのがいいんじゃないかと。

今回の「1コマ」を、私がscherzoして(何かに見立てて)書いてみるなら、「レストランの創作コース」です。
料理(作品)への想像力をかき立てるシンプルな内装のレストラン(セットが無いステージ)に、白いテーブルクロス(スクリーン)。料理人兼ギャルソン(パフォーマーや演奏家)が次々現れて、普通なら食べられそうにない食材(スクリーンの映像)を、目の前で調理(パフォーマンス)してくれて、一口食べて(1コマ鑑賞して)意外な味(ユーモア)に驚くと、かわるがわる次の料理が提供される。さらに優秀なソムリエ(ステージ下のDJ)が、それぞれの料理と最高に合うワイン(音楽)を提供し続けてくれる。お腹(心)が満たされ、一度訪れればやみつきになる美味しい(面白い)レストラン「scherzo」の「1コマ」コース、お一人様2,800円。敷居は高くないけれど洗練されたレストラン。普段着でどなたでもお気軽に!

こんな感じです。ちょっと長いし、ユーモアが足りないかな。scherzoの見立てはもっと意外で、短くて、直感的に面白かったはずです。scherzoしてみてわかりました。

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前回は、ひたすら匡貴さんの発想力に驚いていたんです(この人には先入観とか無いんだろうか、逆に、人並みに先入観があるから、それを変形して面白い事ができるのか)けど、改めて観ると、発想だけではステージが成り立たないわけで、発想の元を探し歩く探求心と、発想をカタチにする創造力もハンパじゃないなと。カタチにしてこそscherzoなのかなと。とにかく見せ方が面白いです。前回と今回では見せ方がガラリと変わりました。

大人も子どもも楽しめて、基本「肩で笑っちゃう感じ」。時に爆笑もあり、シーンとなる場面もあり、それはモノの見方の斬新さに息を飲んでシーンとしちゃうっていう。たまに斬新すぎて解らないシーンもありましたが(笑)

特に、声を出して笑えたのは「お化け専用表示」のお化けトークや「公園を利用するみなさんへ看板」の体現と朗読。表現に意表をつかれたのは「地面の落書き」朗読や「ゴミステーションネット」の鑑賞。大切なことを分りやすく面白く表現していて感心したのは、国によって表現が違っても本当は同じ「犬の鳴き声」などなど。月面ウォーク導入からの、様々な円を月に見立てた「フルムーン」みたいな直感系もスタイリッシュで好きです。

今回は「scherzoの作り方」(どうやってパフォーマンスを作っているか)のナビゲーションがあったり、「会場をscherzoをやる人だけにします。scherzoを見る人がいない状況をつくります」と言って客席全員参加のコーナーがあったりと、構成がバージョンアップしていた印象。次回以降にも活かされるんじゃないでしょうか。


私も普段から、頭を柔らかく、日常を面白くscherzoしつつ、これからのscherzoも楽しみにしていようと思います!



■11/6 札幌人図鑑:第191回 スケルツォ 加賀城匡貴さん No.1/3

■12/7~NHK教育テレビ(Eテレ)「青山ワンセグ開発」(ミ・タ・テ)
スケルツォ初のミニ番組が放送されます。タイトルは「ミ・タ・テ」。ものを本来の姿ではなく別のものとしてみる、5分間の直感的エンタメ番組です。アートディレクター・小林仁志氏、映像ディレクター・蓑輪俊介氏とともに、企画・構成しました。スケルツォネタもびっくりするほど生まれ変わってます。12月に、Eテレの企画オーディション番組『青山ワンセグ開発』の中で、四週にわたって放送。視聴者のインターネット投票で一位になると、レギュラー化が決定します。どうぞご覧ください。そしてよろしければ投票を!
第一回 12/7(金)午前0:30~0:55、以降、四週にわたり金曜の同時間に放送予定。

■1/13 シアターキノ/メリエスの月世界旅行とスケルツォ scherzo featuring『月世界旅行』上映
日 程/2013年1/13(日)20:00~
料 金/入場整理番号付特別券2000円 シアターキノ窓口にて11/15~発売!
『メリエスの素晴らしき映画魔術』上映と、誕生から110年!映画史におけるお宝、『月世界旅行』をスケルツォ版でお送りします。1回限り、またとない、特別ライブ上映です!

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出演者名/scherzo(スケルツォ)
作品名/スケルツォ新作発表会「1コマ」
公演日/11月14日(水)19:00・21:00、15日(木)19:00・21:00
会場/cube garden(札幌ファクトリー側)
料金/2,800円
idea_加賀城匡貴 music_加賀城史典
cast_上ノ大作、小野健悟、加賀城史典、加賀城匡貴、工藤拓人、高橋智美、森脇俊文

カテゴリーで探すと「イベント・ショー・博覧会」(博覧会ではありませんが)。スケルツォ、としか言いようがない、そのライブ。映像に言葉や音楽を添える。シンプルに。そして面白く。

今回のテーマは「1コマ」。
子どもの頃からあるのに、なんとも思っていなかったものを「形」にする、表現する面白さ。
どうぞおでかけください。スケルッ、ツォー!
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■TGR札幌劇場祭ホームページ