・・・?
最初は何を言われてるのか、わからなかった。
もう数年来、家庭内別居をしてきた夫婦だから、考えてみれば見えてたことだった。
朝起きるのも、洗面所を使うのも、ドライヤーをかけるのも、それは見事なフォーメーションですれ違い、それぞれが身支度していく。
それが自然にできてたから、すごい。
お互い、最後の一言は言わずに時間が過ぎていた。
今日も、そんな一日が終わると思っていたのに。
ダンナがやっと口にした一言が、これから先の母娘の人生を翻弄していく。